後輩が辞めるのは、先輩の教え方だけで決まることではありません。ただ、「わたしのせいじゃない」と言い切れなくても大丈夫です。その気持ちは、3つに分けて置いておけます。
日勤の終わりに「ちょっといいですか」と呼ばれて、休憩室で聞いた。うまく返せないまま、更衣室でこの言葉を打った。そんな日かもしれません。
わたしは3交代の急性期病棟でプリセプターを経験しました。そのあと、3回引き止められて辞めた側でもあります。
後輩に辞めると言われた経験は、わたしには書けません。代わりに、辞めると言った側として覚えている言葉を書きます。
先輩・新人12人分の書きこみと、日本看護協会の退職理由の調査も並べました。明日の最初の一言から、退職日までの接し方の順に書きます。
\最初にこの記事の結論/
看護師の後輩が辞める理由を、12人分の声と調査で見た
後輩が辞める理由は、たいてい1つではなく、先輩の教え方だけでも決まりません。同じ立場の人の声と、調査の数字から見ていきます。
順番に見ていきます。
読んだ12人分の声
知恵袋とnoteで、後輩や新人の退職について看護師本人が書いている投稿を読みました。11のページで、12人分です。先輩の立場の書きこみが5つ、辞める側の質問が7つでした(1つのページは、質問が新人、回答がプリセプター経験者です)。
先輩の立場の5つを、書かれていた気持ちで分けたのが下の表です。分け方はわたしの判断です。「自分の関わりを疑う」は5つのうち3つで、残りは別の気持ちでした。
| 気持ちの型 | 件数 | 書かれていたこと |
|---|---|---|
| 自分の関わりを疑う | 3つ | 期待をかけすぎたか、寄り添えていなかったか |
| 理由は教え方の外にあった | 2つ | 大きな病院で学びたい、思っていた仕事と違った |
| かけた時間がむなしい | 1つ | 休みの日も出て教えたのに、あっけなく辞めた |
| ほっとした | 1つ | 手を焼いた新人が退職の予定になった(あとで取り消し) |
1つの投稿がいくつかの型に入るので、合計は5になりません。5つという少ない数なので、どの気持ちが多いと言える数でもありません。
探していて気づいたことが1つあります。言葉を変えて何度探しても、出てくるのは辞める新人の側の質問がほとんどでした。先輩の側は、匿名の場所にもあまり書いていないようです。
新卒の退職理由を調べた
「自分のせいか」を考える前に、数字を見ておきます。日本看護協会の2025年 病院看護実態調査では、2024年度の新卒採用者の離職率は8.4%でした。看護師のほか、保健師・助産師・准看護師もふくむ数字です。
新卒が12人入った病院なら、1人が年度のうちに辞める計算です。
同じ調査は、新卒が年度内に辞めた993の病院に、主な退職理由を上位5つまで選んでもらっています。上から5つと、下のほうにあった2つを抜き出しました。
| 看護管理者が選んだ退職理由 | 選んだ病院の割合 |
|---|---|
| 健康上の理由(精神的疾患) | 54.6% |
| 看護職員としての適性への不安 | 46.6% |
| 看護実践能力への不安 | 44.2% |
| 上司・同僚との人間関係 | 27.0% |
| 他施設への関心・転職 | 23.0% |
| 夜勤の負担が大きい | 3.8% |
| 教育体制への不満 | 2.5% |
上に並んでいるのは、本人の体調と、本人の中にある不安です。人間関係は4番目で、教育体制への不満は2.5%でした。
「わたしのせい」とも言えない
この数字を「だからあなたのせいではありません」と読むことは、わたしにはできません。調査の作りに、気をつけたい点が4つあるからです。
- 答えたのは看護部長
- 辞めた本人の回答ではない
- 割合は病院の数で、人数ではない
- 本当の理由を言わない人もいる
「教育体制への不満2.5%」を、教え方が理由の人は2.5%、と読みかえることはできません。看護部長が「こうだろう」と考えた理由を、1つの病院で5つまで選んだ集まりです。
読んだ12人分のうち、辞める理由が書かれていたのは5つでした。
- 大きな病院で学びたい
- 思っていた仕事と違った
- 結婚で遠くへ行く
- 人間関係と救急のきつさ
- プリセプターとの関係と体調
プリセプターとの関係を挙げたのは、5つのうち1つでした。先輩だけで決まったとは考えにくいけれど、ゼロだとはだれにも言えない。言えるのはここまでです。
責める気持ちを3つに分ける
言い切れないなら、分けて置いておくほうが楽です。紙かスマホのメモに、欄を3つ作ってください。
- 自分が変えられたこと
- 自分には変えられなかったこと
- まだ分からないこと
1つ目に書くのは、言い方、1日に教えた量、声をかけた回数などです。2つ目は、夜勤の回数、配属、病棟の人数、後輩の体調や家族や進路です。3つ目には、後輩がまだ話していない理由が入ります。
わたしはプリセプターをしていたとき、全部を教えようとせず、「今日はこれだけ」と中身をしぼっていました。1つ目の欄も、同じくらい小さく書くのがいいと思います。たとえば「あの日は3つ言った。1つでよかった」という書き方です。
悩む女性3つ目の欄を空けたままにしておくのが、いちばんむずかしいと思います。
次の後輩に持っていけるのは、1つ目の欄だけです。2つ目と3つ目のことを、1つ目の欄に書きこまない。これだけ守れば、責める気持ちは少し小さくなります。
ほっとした自分を責めない
後輩が辞めると聞いて、ほっとした人もいると思います。そう書いている人がいました。
3年目のプリセプター。担当の新人が退職する予定になり、正直ほっとした。そのあと、新人は退職を取りやめた。6月ごろから、面談や研修の場で自分のことを悪く言われ続けてきた。自分の言い方が悪かったのかもしれないと反省する部分もある。(知恵袋の相談の要旨)
この人の新人は、結局辞めていません。それでも、退職の予定を聞いたときの気持ちとして読みました。
ほっとするのは、それだけ長く力を使ってきたからかもしれません。わたしもプリセプターのころは、新人が帰ったあとに自分の仕事を片付ける日が多く、残業がじわじわ増えました。
厚生労働省の新人看護職員研修ガイドラインを開くと、次の2つが書かれています。
- 新人は全職員で「皆で育てる」
- 指導する人の不安や負担も軽くする
2つ目は、所属長や教育担当による面接や研修で支える、という書き方です。はじめから、1人の先輩が背負う前提では書かれていません。役割そのものの話は、プリセプターを任された看護師の役割と目標の記事にまとめています。
辞める側だったわたしが、いまも覚えている言葉
わたしが書けるのは、辞めると言った側の話だけです。1人の経験なので、あなたの後輩が同じだとは言えません。
順番に見ていきます。
封筒を見ずにしまわれた
わたしは7年いた病棟を辞めるとき、12月に師長へ退職願を出しました。師長は封筒を見ずに「疲れてるだけだと思うよ」と言って、引き出しにしまいました。
師長がどういうつもりで言ったのかは、わたしには分かりません。責めたくて書いているのではないです。ただ、この一言をわたしはいまも覚えています。
わたしはその年の秋の師長面談で、夜勤を減らしてほしいと言おうとして言えませんでした。退職願を出したのは、そのあとの12月です。封筒は、中を見られないまま引き出しに入りました。
先輩であるあなたに渡したいのは、ここです。「疲れてるだけだよ」「少し休めば変わるよ」は、言わなくていい言葉だと思います。
「減らすから」に数字がなかった
年が明けてから、「夜勤、減らすから」と言われました。わたしは準夜と深夜を合わせて、多い月は10回から12回の夜勤に入っていました。それを月に何回にするのか、数字は最後まで出ませんでした。
回数の出ない約束は、言われた側には確かめようがありません。言ってくれた気持ちを疑っているわけではないです。
先輩の立場でも、似た言葉は出やすいです。「わたしがフォローするから」「夜勤のこと、言っておくよ」。勤務の回数を決めるのは師長なので、先輩には守りきれない約束です。
約束していいのは、自分の手の中にあることだけです。「明日の受け持ち、いっしょに見るね」なら言えます。
「年度末までなら」
1月の後半、3回目の話し合いには看護部長も同席していました。「年度末までなら気持ちよく送り出せる」と言われて、わたしは自分の口で「3月末で」と答えています。退職日は、希望していた1月末より2か月延びました。
いまも納得できていないのは、そのあとです。廊下に出たとき、「決まった」とほっとした自分がいました。3回の中身は、看護師の退職で引き止めに3回遭った話に書きました。
辞める側の相談にも、時期の話がありました。
3年目。3月での退職を伝えたら、係長に「プリセプティーが一人立ちしたら辞めていい」と言われた。言い返したあと、当たりが強くなった。(知恵袋の相談の要旨)
退職の時期は、師長と本人が決める話です。「せめて3月まで」「一人立ちするまで」は、先輩の口からは出さないほうがいいと思います。
「おめでとう」がなかった日
病棟に残る同期に退職を伝えたとき、「おめでとう」とは言われませんでした。同期が何を思っていたのかは、わたしには分かりませんし、ここで決めることもしません。



師長や同期を悪く言いたいのではなく、言葉のほうが残っている、という話です。
ここまでに書いた言葉を、わたしは何年たっても覚えています。辞めると言った日に返ってきた言葉は、言った側が思うより長く残るのかもしれません。
師長や看護部長の立場なら、言うしかない言葉だったのかもしれません。でも先輩の立場なら、言わなくていい言葉です。並べると3つになります。
- 決めたことを疲れのせいにする
- 数字のない約束をする
- 退職の時期を延ばそうとする
祝う言葉を無理に言う必要はないと思います。言葉が出ないときは、「いまはうまく言えない。あとでちゃんと話させて」で足ります。
辞めた側のわたしが選ぶ、後輩に返す言葉・返さない言葉
返す言葉は、短くて足ります。後輩に言わなくていい言葉を先に外しておくと、気持ちが楽です。
順番に見ていきます。
最初の一言はこれで足りる
その場でうまく返せなかった人も、次の勤務で言えば間に合います。辞める側だった立場から、言われても困らないと思う言葉は、このくらいです。
- 「言ってくれたんだね」
- 「決めるまで長かったよね」
- 「いまは理由は聞かないね」
3つのうち、どれか1つで足ります。3つとも、後輩に何かをさせる言葉ではないからです。
年度の途中で新人が辞めた、プリセプター経験者の回答も読みました。寄り添えていなかったかなと、けっこう不安になるものだ、と書いています。返事につまるのは、あなただけではありません。
もう「そうなんだ」としか言えなかったなら、こう足せます。「この前はびっくりして、ちゃんと返せなかった」。これで十分だと思います。
返さなくていい言葉
言いたくなるのが当たり前の言葉ばかりです。それでも、飲みこんでおくほうがいいと思うものを並べます。
- 「疲れてるだけだよ」
- 「もったいないよ」
- 「わたしの教え方のせい?」
- 「せめて3月までいたら」
- 「どこへ行っても同じだよ」
「わたしの教え方のせい?」は、後輩に「違います」と言わせる質問です。聞きたい気持ちは当たり前です。
でも、答える後輩は、先輩をなぐさめる役に回ることになります。
もう1つ、気をつけたい言葉があります。わたしは新人が落ちこんでいる日に、励ますより寄り添うつもりで「最初はみんなそうだったよ」と言っていました。
辞めると決めた人に同じ言葉を言うと、「だから続けられるはず」に聞こえるかもしれません。同じ言葉でも、落ちこんだ日と、辞めると決めた日では届き方が変わると思います。
理由は聞き出さなくていい
「まず理由を確認する」とすすめる手順をよく見ます。わたしは、聞き出さなくていいと思っています。辞める側の相談に、こういうものがありました。
新卒の看護師。今年度いっぱいで辞めようと考えている。プリセプターは他のプリセプターと仲がよく、何でも共有しているようだ。話せば次の日には病棟の先輩たちに伝わりそうで、プリセプターには相談したくない。(知恵袋の相談の要旨)
後輩が理由を言わないのは、あなたを嫌っているからとは限りません。話が広がるのが怖い、という人もいます。
聞くなら、「理由、聞いてもいい? 言いたくなければ言わなくていいよ」と1回だけ。聞くのは1回、答えがなければそこで終わりです。聞いた理由は、ほかの先輩に運びません。
聞かなくていいのは「なぜ辞めるのか」だけです。次の3つは仕事に必要な確認なので、別の話です。
- 退職日と最後の勤務
- 受け持ちの引き継ぎ
- 係の仕事の引き継ぎ
面談でそれを確かめるのは師長です。先輩は、決まったことを師長か本人に聞けば足ります。
理由が自分だと言われることもあると思います。読んだ中にも、原因はプリセプターとの関係と自分の体調だ、と書いた1年目の人がいました。
そのときは言い返さず、「教えてくれてありがとう」とだけ返して、その日は終えるのがいいと思います。中身は、3つの欄の1つ目に書けば足ります。辞めたい側の毎日は、看護師1年目で辞めたい人に向けて書いた記事が近いです。
師長より先に聞いたとき
師長より先に聞いたら、まず本人にこう聞きます。「師長には自分で言う? わたしから伝えたほうがいい?」。決めるのは後輩です。
1年目の人の相談には、プリセプターと実地指導者に伝えたら、そのまま師長まで通してくれた、というお礼が書かれていました。勝手に伝えない、1人で抱えこまない、の両方を守れば、先輩の役目は果たせています。



先に聞いた話を自分の中だけで何週間も持っているのは、先輩の体にもよくないと思います。
例外が1つあります。眠れない、食べられない日が続いている、消えてしまいたい、といった体や安全にかかわる話が出たときです。「だれにも言わないで」と頼まれても約束はせず、本人に断ってから師長につないでください。
病気かどうか、受診するかどうかを、先輩が決める必要はありません。あとで書く厚生労働省の電話相談は、後輩本人も使えます。
師長から、引き止める役を頼まれることもあります。別の相談では、新人が他の病院の見学に行ったと知った師長が怒ったそうです。「プリセプターはなぜ止めなかったのか」と。
頼まれたら、こう返せば足ります。「引き止める役は、わたしにはできません。困っていることは聞いておきます」。
メッセージは3行で書く
送別の色紙やカードが回ってきたら、3行で足ります。入れるのは次の3つです。
- できていたことを1つ
- いっしょに働けたこと
- 体を気づかうひとこと
わたしはプリセプターのころ、できたことを1つ、具体的に伝えるようにしていました。メッセージも同じでいいと思います。たとえばこう書けます。
「◯◯さんの申し送りは、いつも要点が先にあって聞きやすかったです。いっしょに準夜に入れてよかった。体に気をつけてね」
「夜中のナースコールに、いつもいちばんに立ってくれてありがとう。何度も助けられました。元気でいてください」
「できていたこと」には、その人だけに当てはまる場面を1つ選びます。「もったいない」「どこへ行っても大変だよ」という忠告は書かないほうがいいです。プレゼントは、病棟の習慣に合わせれば足ります。
退職日までの接し方と、わたしが残した引き継ぎ
退職日までは、態度も教える量も急に変えないのがいちばんです。やることは5つに分けられます。
順番に見ていきます。
教える量は急に変えない
辞めると分かると、「もう教えても意味がないかも」と手を引きたくなります。逆に、「最後に全部教えておかないと」とつめこみたくなる人もいます。どちらもしなくて大丈夫です。
「今日はこれだけ」は、最後の日まで同じでいいと思います。患者さんの安全にかかわる確認だけは、辞める人にも残る人にも同じ基準で伝えます。
先ほどの3年目の人は、退職を伝えたあと、自分のいる前で「辞めるくせに」と笑われたと書いていました。辞めると分かったあとの扱いは、辞める側に長く残るのだと思います。



辞める人にも、今日の分を今日の分だけ教えれば足りると思います。
話は自分のところで止める
病棟で正式に伝えられるまで、聞いた話は自分のところで止めます。ほかの先輩に聞かれたら、「本人から聞いてください」で足ります。
先に知らされなかった人もいると思います。辞める側の相談には、先輩にまだ言えていない人が2人いました。
- 師長にだけ伝えた2年目
- 伝える順番に迷う1年目
2年目の人は、指導してもらって、これからというときに辞めるのが申し訳ない、と書いています。後輩が先輩に黙っているのは、軽く見ているからとは限りません。
先に知らされなかったことを、本人に問いつめない。これだけは守ってください。後輩ではなく同期の退職で揺れている人は、看護師の同期が辞めるのが寂しいときの記事のほうが合います。
引き継ぎで残すもの
後輩の受け持ちや係の仕事をだれが引き継ぐかは、師長やリーダーが決めます。教えていた先輩にできるのは、記録を残すことです。
- 後輩の係と受け持ちの一覧
- できるようになったことの記録
- つまずいた所をマニュアルに
わたしは病棟を辞める前に、新人の振り返りシートと指導マニュアルを作り直して引き継ぎました。わたしは去る側でしたが、残る側でも同じことができると思います。
つまずいた所は、後輩の評価として残すものではありません。名前を外して、次の新人のための直しにする。そうすれば、後輩が辞めたことが病棟に何かを残します。
夜勤と仕事がのるとき
後輩が抜けると、夜勤や受け持ちが残った人に回ってきます。これは気持ちの話ではなく、勤務の話です。
師長には、回数と時間で伝えます。「来月の夜勤が◯回になります。◯回までにしてもらえますか」。つらいです、だけで伝えるより、返事がもらいやすいと思います。
わたしは病棟にいたころ、多い時期は夜勤が月に10回から12回ありました。1人抜けたときの重さは、想像がつきます。
最終日にすること
最終日は、ひとことで足ります。できていたことを1つ、口で伝えるだけです。連絡先を交換するかどうかは、後輩に任せます。
そのあと連絡が続くかどうかは、だれにも決められません。「また連絡してね」と約束させなくていいと思います。
最終日に、きれいにまとめようとしなくて大丈夫です。言い足りなかったことは、3つの欄のメモに書いておけば足ります。
それでも責めてしまうときと、次の後輩のこと
3つに分けても、責める気持ちは戻ってきます。20年以上の経験がある人も、期待していた新人が辞めたあと、熱を入れた指導を少し控えるようになった、と書いていました。それでも、辞めたから自分の関わりが悪かったとも言い切れない、と続けています。
来年もプリセプターをする予定で、もう限界だと書いている3年目の人もいました。引き受ける前に、条件を出していいと思います。
たとえば「新人が帰ったあとの記録の時間を勤務に入れてほしい」「月に1回、教育担当と話す時間がほしい」。断ることも、条件を出すことも、わがままではありません。



後輩が辞めた直後に、自分の進退まで決めなくていいと思います。
眠れない、食べられない日が続くなら、後輩の話とは切り離してください。病院に行くべきかどうかまで、この記事で決めることはできません。
病棟の人に話しにくいときは、働く人なら使える厚生労働省のこころの耳電話相談に電話できます。受付は平日の夜と土日の昼で、祝日と年末年始は休みです。
| 曜日 | 受付の時間 |
|---|---|
| 平日 | 17時から22時 |
| 土日 | 10時から16時 |
夜勤がのって、次の指導も頼まれて、「わたしもこのままでいいのか」が残る人もいると思います。それは後輩の話ではなく、あなたの働き方の話です。考える順番は、この3つで足ります。
- まず後輩のこと
- 次に負担を師長へ伝える
- 変わらなければ働き方
わたしがこのブログを始めたのも、後輩から「夜勤がしんどくて転職を考えてる」とLINEが来たのがきっかけでした。わたしが日勤だけの働き方に移れたのは、2回目の転職のときです。
使ったのはMCナースネットです。派遣で介護施設などの日勤を先に試し、続けられると分かってから、同じ担当さんの紹介で病院の内科外来に移りました。使ってみて気になった点もふくめて、MCナースネットの評判の記事に書きました。
後輩が辞めると聞いた直後の人には、まだ早い話です。今夜は、3つ目の順番まで考えなくて大丈夫です。
看護師の後輩が辞めるときのよくある質問
- 看護師の後輩が辞めるのは、プリセプターの責任ですか?
-
プリセプター1人の責任だとは言えないと思います。日本看護協会の2025年の調査で、看護管理者が選んだ新卒の退職理由は、健康上の理由(精神的疾患)が54.6%でした。教育体制への不満は2.5%です。ただ、これは看護部長が選んだ病院の割合で、辞めた本人の答えでも、人数の割合でもありません。
- 後輩が辞めると聞いてショックです。看護師の先輩はみんなどう感じていますか?
-
読んだ先輩の立場の書きこみ5つでは、自分の関わりを疑う人が3つでした。ほっとした人、かけた時間がむなしいと書く人もいました。少ない数なので、どれが多いとは言えません。どの気持ちも、おかしなものではないと思います。
- 看護師の後輩が辞めるとき、引き止めたほうがいいですか?
-
先輩が引き止める必要はないと思います。わたしは辞める側で3回引き止められ、退職日が希望より2か月延びました。時期を決めるのは師長と本人で、先輩にできるのは困っていることを聞くところまでです。
- 辞める後輩に、看護師を辞める理由を聞いてもいいですか?
-
聞くなら1回だけ、「言いたくなければ言わなくていいよ」を添えてください。辞める側の相談には、プリセプターに話すと病棟に広まりそうで言いたくない、というものがありました。答えがなければ、そこで終わりにします。
- 看護師の後輩が辞めるとき、メッセージには何を書けばいいですか?
-
3行で足ります。その人ができていたことを1つ、いっしょに働けてよかったこと、体を気づかうひとことです。「もったいない」「どこへ行っても大変だよ」という忠告は書かないほうがいいと思います。
- 後輩が辞めることを師長より先に聞きました。看護師として師長に報告すべきですか?
-
先に、本人へ「師長には自分で言う? わたしから伝えたほうがいい?」と聞いてください。勝手に伝えないことと、1人で抱えこまないことの両方が大事です。眠れない、消えてしまいたいなど体や安全にかかわる話が出たときだけは、本人に断ってから師長につなぎます。
- 新人看護師は1年でどのくらい辞めるのですか? 後輩が辞めるのはめずらしいことですか?
-
日本看護協会の2025年の調査では、2024年度の新卒採用者の離職率は8.4%でした。新卒が12人入った病院なら1人が辞める計算です。新卒以外で採用された人(既卒採用者)は16.1%でした。
- 後輩が辞めることになり、次のプリセプターを頼まれました。看護師は断れますか?
-
断ることも、条件を出すこともできると思います。厚生労働省のガイドラインにも、指導する人の不安や負担感を軽くするための面接や研修が必要だと書かれています。新人が帰ったあとの記録の時間や、教育担当と話す時間を、先に師長へ頼んでみてください。
- 後輩が辞めるのに、ほっとしている自分がいます。看護師の先輩として冷たいでしょうか?
-
冷たいとは思いません。担当の新人の退職の予定を聞いて、正直ほっとしたと書いている3年目のプリセプターの人がいました。この新人は、あとで退職を取りやめています。それだけ長く力を使ってきた、ということかもしれません。
- 後輩が辞めると聞いて、自分も看護師を辞めたくなりました。どうすればいいですか?
-
後輩が辞めた直後に、自分の進退まで決めなくていいと思います。先に、のった夜勤や指導の負担を、回数と時間で師長に伝えてください。切り出しにくいときは、師長に辞めたいと言えない看護師に向けて書いた記事が近いです。
まとめ:看護師の後輩が辞めると聞いた夜に
後輩が辞めるのは、先輩の教え方だけで決まることではありません。でも、ゼロだとも言えません。だから、責める気持ちは3つの欄に分けて置いておきます。
- 教え方だけで人は辞めない
- 責める気持ちは3つに分ける
- 最初は「言ってくれたんだね」
- 理由は1回聞いて、追わない
- 最後の日まで同じように教える
- 抜けた分の夜勤は師長に言う
わたしは辞めると言った側で、返ってきた言葉をいまも覚えています。師長や同期を悪く言いたいのではなく、言葉は思うより長く残る、と伝えたくて書きました。
今夜は、3つの欄の1つ目に1行だけ書けば十分だと思います。明日の最初の一言は、「言ってくれたんだね」で足ります。








