準夜の出勤前、玄関で靴を履いたところで吐き気と動悸が来る。6年目の秋から、そんな日が増えていきました。
あさこでも、7年間辞めなかった
はじめまして。あさこです。
急性期の内科外科混合病棟で3交代のシフトを続けて、夜勤は多い月で準夜・深夜あわせて月10回を超えていました。
5〜6年目あたりから、体の回復に時間がかかるようになって。準夜明けの朝、洗面台で鏡を見るのが嫌でした。
鏡に映っていたのは、こんな顔です。
- 顔がむくんでいる
- 肌が荒れている
- 目の下にくまがある
1〜4年目は「慣れれば平気」だったのに、5〜6年目あたりから「慣れる」という感覚がなくなっていきました。
- 32歳・女性(猫1匹、名前はベル)
- 看護大学卒・BLS資格あり
- 急性期の混合病棟で7年(3交代)
- 準夜・深夜あわせて月10〜12回
- 転職2回・決め手はMCナースネット
- 今は内科外来・日勤のみ・残業ほぼなし
- 年収:370万→430万(+60万)
急性期内科外科混合病棟 3交代7年(月最大12夜勤)→転職2回(1回目失敗)→内科外来・日勤のみ。年収+60万。
大手から派遣まで複数のサービスを使い比べた経験をもとに、看護師の転職リアルを書いています。
なぜ看護師になったのか


動機は2つありました。きれいな方と、きれいじゃない方。
きれいな方から。高校2年のとき、父が急性の胃穿孔で手術になりました。
術後の病棟で、よく覚えているのはこの景色です。
- 夜中にナースコールを押すと
- 数分で看護師さんが来てくれた
- その早さが、いまも記憶に残っている
これが、看護師という仕事への憧れのほうの動機です。割合でいうと、こちらが4割でした。
きれいじゃない方は、「手に職をつけたかった」ということです。国家資格があれば食いっぱぐれない。



この打算は17歳のわたしにとってかなり大きな動機でした
正直、こっちが6割くらいだったかもしれない。
どっちが本音かと聞かれたら、両方です。きれいな動機だけで進路を決めました、というのは少し嘘になる。
3交代制の7年間


配属は急性期病棟でした。内科と外科が混合のフロアで、術後の患者さんもいれば夜中に急変もある、忙しい病棟です。
3交代制は、次の3つが月によって入れ替わります。
- 日勤
- 準夜(16時〜翌1時ごろ)
- 深夜(0時〜9時ごろ)
多い月は準夜6回・深夜6回の計12回。そうなると体内時計が完全にバグります。
昼間に寝て、夜中に起きて、また昼に寝て。



自分が今何時間目の覚醒にいるのかわからなくなってくる
1〜4年目はそれでも「慣れ」がありました。夜勤明けにご飯食べて倒れ込んで、起きたら次の夜勤の準備。そのループを「急性期だから仕方ない」と思っていた。
変わってきたのは5年目あたりです。体に、こんなサインが出はじめました。
- 準夜明け、患者が気になって眠れない
- 頭のスイッチが切れない日が増えた
- 生理が不規則になり婦人科へ
そうか、体が壊れてきてるんだ、と思ったのに、やめませんでした。「急性期だから」という言葉で蓋をしていた。
あの深夜、点滴の前で


転換点になったのは6年目の冬のことです。
深夜勤の途中、輸液の準備をしながら意識が遠のいた瞬間がありました。薬液を確認しようとしたら、ラベルの文字が一瞬読めなくなった。
眠いのか疲れているのか、それとも何か別のことが起きているのか、わからなくなった。
我に返った流れは、こうです。
- 先輩が気づいてくれた
- 「大丈夫?」と声をかけてくれた
- その声で我に返った
大丈夫じゃなかったけど。
その日の帰り道、コンビニの前で止まりました。入る気力も、そのまま帰る気力もなくて。
何か食べなきゃとはわかってるのに体が動かない。



夜勤明けにコンビニのドアの前で立ち尽くす看護師、今考えるとかなりやばい状況です
怖かったのは、「夜勤ができない看護師」だと認めることでした。
あれが限界だったんだと思います。あとから振り返ると。
32歳の焦り


夜勤をしていたころ、こんな夜がありました。
準夜明けに帰ってきて、疲れ果てながらインスタを開くと、同い年の友人たちが週末に旅行したり、カフェに行ったりしている写真が並んでいる。
うらやましい、という気持ちはあった。



でもそれより「わたし、何年こうしてるんだろう」という感覚の方が強かったです
旅行に行けないとか、週末が休めないとか、そういう話じゃなくて。自分の生活を自分でコントロールできていない、という感じ。
次の夜勤に間に合うように、こう動いていました。
- 逆算して寝る
- 起きる
- 移動する
- それ以外の時間がほぼない
この生活のまま何年続けるんだろう、という問いが出てくるたびに「急性期だから仕方ない」で蓋をしていた。でもその蓋が、少しずつ緩んできていました。
1回目の転職で失敗した話


7年目の春、転職することにしました。
「夜勤を減らしたい」という軸は決まっていたんですが、焦っていました。
早く今の状況から抜け出したくて、エージェントを1社だけ使って、「夜勤少なめの病棟を探してください」と伝えました。
紹介してもらったのは、こんな病院でした。
- 別の急性期病院
- 年収は20万アップ
- 「夜勤は月8回程度です」と言われた
確認できませんでした。入職日を2月から4月にずらしてもらった負い目があって、「8回程度」の「程度」が何を指すのか聞けなかったんです。
入職してみると、8〜10回でした。前の職場とほぼ変わりません。



「また選択を間違えた」という事実を認めるのが、一番しんどかったです
転職したのに状況がほぼ変わっていない。新しい環境に慣れるストレスも加わって、最初の数ヶ月は以前より消耗していたかもしれない。
同じように転職して半年で辞めたいと感じている人へ、決める前の確かめ方を書きました。
1年で辞めました。
また転職することになる看護師って採用されるのかな、という不安もありました。30代に入って、これで転職歴2回目になる。自分でどう説明したらいいかわからなくて。
2回目で変えた3つのこと


失敗の原因は「確認不足」と「1社に頼りすぎた」こと。だから、次の3つを変えました。
今しんどい人に、いちばん読んでほしいところです。順番に書きますね。
① エージェントを3社に増やした


1社だけだと、その担当者が出してくる求人が「世の中の普通」だと思い込んじゃうんですよね。1回目のわたしが、まさにそれでした。
だから2回目は、最初から何社かに同時に登録しました。
- MCナースネット(一番良かった)
- ジストリー(スカウト型)
- 看護roo!など大手も登録してみた
登録する数の目安は、こうです。
| 登録した数 | 困りごと |
|---|---|
| 2社 | 「どっちが正しいの?」で迷う |
| 5〜6社 | 連絡の管理だけで疲れ果てる |
| 3社 | 比べられるけど抱えきれる ちょうどいい数 |
使い方は、メインを1社決めて(わたしはMCナースネット)、残りは比較用にする感じ。
同じ「日勤のみ」で頼んでも、会社によって出てくる求人はバラバラです。転職サイトで夜勤なし求人が少ないと感じても、1社の結果だけで決めないでください。



比べたから、メインの担当さんが持ってきてくれた求人が「これは良い」って確信できました
②「日勤のみ」を絶対条件にした


ここが1回目の失敗の核心です。前回わたしは「夜勤少なめで」とお願いして、痛い目を見ました。
「少なめ」の基準が、わたしと担当者でまったく違ったんです。
だから2回目は、言い方を変えました。曖昧な言葉を全部消して、数字で言い切ったんです。
- ❌夜勤少なめ…基準が人でバラバラ
- ⭕夜勤ゼロ・日勤のみは明確
- ⭕上限を数字で伝える(月◯回まで)
「夜勤は1回もできません」は、ワガママに聞こえるかもしれません。



でも、譲れない1点だけは、嫌われてもいいから言い切る
ここを濁すと、求人の幅は広がるけど、また同じ後悔をします。
③ 1回目の失敗を全部正直に話した


これ、勇気がいるんですけど、いちばん効きました。「前の転職で、夜勤回数の確認を怠って失敗しました」って、隠さずに全部話したんです。
正直、2回目で「また失敗した人」って思われたくない気持ちはありました。でも、隠して当たり障りのない希望だけ伝えても、結局また似たような求人を出されるだけなんですよね。
MCナースネットの担当の方は、それを踏まえて動いてくれました。
- 夜勤の有無を事前に必ず確認してから紹介
- わたしの失敗を踏まえて精度を上げてくれた
失敗談こそ、いい担当者にとっては一番のヒントになる。だから、カッコ悪くても全部話したほうがいいです。
最終的に決めた職場は、MCナースネットが(派遣で日勤を試したあと)紹介してくれた総合病院の内科外来でした。
転職してから


内科外来に移ってから、気づいたことがあります。
日曜の夜が怖くないんです。
夜勤をしていたころは、日曜の夕方になると「次の夜勤はいつか」「何時に起きなきゃいけないか」を頭の中で計算していました。



あの気分の重さが、なくなっていた
日曜の夜が怖くなくなったこと。転職していちばん大きかった変化は、これでした。
体の変化も大きかったです。
- 2ヶ月くらいで肌が戻ってきた
- 生理も規則的になった
7年間じわじわと崩れていたものが、戻ってくる感じ。
年収は370万から430万になりました。60万のアップです。
日勤のみで夜勤手当がなくなるので下がるかもと思っていたんですが、プラスになりました。理由は2つです。
- 転職先の基本給が高かった
- エージェントが年収交渉もしてくれた
自分では言いにくいことを代わりにやってもらえる、というのが正直一番ありがたかった。
外来に移る前の無職期間には、単発でも働いていました。MCナースネットの単発で入った市民マラソンの救護の話はこちらに書いています。
このブログを始めた理由


後輩から「夜勤がしんどくて転職を考えてる」というLINEが来たんです。
返信しながら、「あのとき誰かに教えてもらっていたら」と思いました。
- エージェントの使い方
- 条件確認の仕方
- 1社だけで動くとどうなるか
わたしが失敗から学んだことが、そのままその子に必要な情報でした。
それで書こうと思いました。
成功談だけを書くつもりはないです。書くのは、こんなことです。
- 1回目の失敗
- 「8回程度」を確認しなかった話
- エージェント1社で動いた話
カッコ悪いこと全部書きます。
同じように夜勤で消耗している誰かが、わたしより遠回りしないでほしい。それだけです。
このブログで、絶対に曲げないこと


せっかくなので、わたしがこのブログを書くうえで「絶対に曲げない」と決めてることも、書いておきます。
- 成功談だけでなく失敗も全部書く
- 不安をあおって登録させたりしない
- 本当に良かったものだけすすめる
世の中には「今すぐ辞めなきゃヤバい」みたいに転職をあおる記事も多いです。
でもわたしは、読んでくれた人が焦って動いて、また後悔するのだけは避けたい。
だから、今は動かないほうがいい人には「無理に転職しなくていい」ってちゃんと書きます。



わたしが伝えたいのは「転職しよう」じゃなくて、「あなたには、選べる道があるよ」ということ
それだけは、何があってもブレません。
今、夜勤がしんどいあなたへ


もし今、夜勤明けに鏡を見るのがつらかったり、日曜の夜が怖かったりするなら——それ、あなたが弱いからじゃないです。
わたしも7年間、「急性期だから仕方ない」「みんな頑張ってるんだから」って自分に言い聞かせてました。
でも、体が先に壊れてからじゃ遅いんですよね。深夜の点滴の前で意識が遠のいたあの日、もっと早く動いていればって、今でも思います。



辞めることも、環境を変えることも、逃げでも負けでもないです
自分の人生を、自分の手に取り戻すだけ。
すぐ転職しなくてもいいんです。でも「自分に選べる道があるのか、ちょっと調べてみる」くらいは、しんどい今のうちにやってみてほしい。
あの頃のわたしに言ってあげたいのは、ただそれだけです。
よくある質問
- 夜勤をやめたいと思ったきっかけは何だったんですか?
-
決定打は、6年目の冬の深夜勤中、輸液の準備をしていて意識が遠のいた瞬間でした。薬液ラベルの文字が一瞬読めなくなって、先輩に「大丈夫?」と声をかけられて我に返りました。それまでも体のサインは出ていたのに、そこまで動けなかったんです。
- 夜勤をやめたら収入はどれくらい下がりましたか?
-
これ意外に思われるんですけど、わたしの場合はむしろ上がりました。夜勤手当がなくなるぶん下がると覚悟してたんですが、基本給が高めの職場を選べたのと、エージェントが年収交渉までしてくれたおかげで、結果的に370万から430万に。
お金だけじゃなく、日曜の夜が怖くなくなったことも含めて、納得してます。
- 夜勤をやめることを職場に言い出すのは気まずくなかったですか?
-
気まずかったです。12月に退職願を出したら、師長は封筒を見ずに「疲れてるだけだと思うよ」と引き出しにしまいました。引き止めは3回あって、希望の1月末ではなく3月31日付の退職になりました。あっさりとはいきませんでした。
- 夜勤なしの働き方だと看護スキルは落ちませんか?
-
急性期みたいな処置の多さは、病棟と比べれば減ります。スキルが落ちる、というより使う筋肉が変わる、みたいな感覚に近いと思います。そこを物足りなく感じる人もいるとは思います。
- 夜勤をやめたあと、生活リズムはすぐに戻りましたか?
-
わたしの場合、はっきり分かった変化は、日曜の夜が怖くなくなったこと、2ヶ月くらいで肌が戻ってきたこと、生理が規則的になったことでした。体が戻るまでには少し時間がかかると思っておくと、焦らずにすみます。変化と、逆に戻らなかったものは看護師が夜勤を辞めてよかったことに並べました。
- 夜勤をやめて後悔したことはありますか?
-
正直まったくないと言ったら嘘になります。病棟に残った同期とは、今もうまく話せていません。でも、日曜の夜が怖くなくなったことを考えると、わたしにとっては辞めてよかったほうが大きいです。
- 夜勤なしの求人ってそんなに見つかるものですか?
-
思ってたよりはありました。クリニックとか訪問看護、健診センターあたりは日勤中心のところが多いです。ただ、人気だからか給料が病棟より下がる求人も多くて、そこは見極めが必要かなと。わたしは日勤のみを絶対条件にして、派遣で日勤を試してから、同じ担当の紹介で決めました。
- 夜勤がしんどいのは甘えなんじゃないかと思ってしまいます。どう考えればいいですか?
-
わたしも1〜4年目は「慣れれば平気」と思っていて、しんどさに気づくのが遅れました。でも、夜中に働くこと自体が体に負担なのは当たり前なんですよね。しんどいって感じる自分の感覚を、甘えで片づけなくていいと思います。無理して倒れてからじゃ遅いので。
- 夜勤をやめる前に、まず試したほうがいいことはありますか?
-
いきなり辞めるのが不安なら、夜勤の回数を減らせないか師長に相談してみるのはありかもです。わたしは面談で言い出せず、院内の日勤部署への異動希望も一度も出さないまま辞めました。試さなかったぶん、先に相談してみる価値はあると思っています。あと、辞める前提じゃなくても求人を眺めておくと、逃げ道がある安心感で気持ちが軽くなりますよ。
- 夜勤をやめたら、夜勤を続けてる同僚との関係は変わりましたか?
-
正直、変わりました。病棟に残った同期には退職を最後まで切り出せず、伝えたときも「おめでとう」とは言われませんでした。LINEは続いていますが、夜勤の愚痴にどう返せばいいか分からなくて、ごはんの誘いを2回流しています。ここはまだ答えが出ていません。

