病院などでの看護業務への労働者派遣は、労働者派遣法4条・同施行令2条により原則禁止です。
病院で派遣として働けるのは、次のような法令上の例外に当たる場合です。
- 紹介予定派遣
- 産前産後・育児・介護休業の職員の代替
- へき地の医療機関など
あさこ求人を見るときは、どの例外に当たる案件かを担当者に確認してください。
直接雇用の単発アルバイトとは契約形態が異なります。
夜勤明けで頭が回らないとき、同期から「わたし今、派遣で働いてるよ」ってLINEが来て。頭の中がはてなだらけで、こんなことを思っていました。
- 派遣って看護師でもできるの?
- 給料は誰が払うの?
先に結論を言うと、派遣看護師は「派遣会社に雇われて、病院や施設に出向いて働く」仕組みです。
雇い主が病院じゃない、ここが正社員と一番ちがうところなんですよね。
ただ「自由そう」だけで飛び込むと、こんな落とし穴もあります。
- ボーナスや退職金がほぼない
- 契約が途中で切れることもある
いい面も悪い面も両方書きますね。
わたしはあさこといいます。急性期の内科外科混合病棟で7年、3交代で月10〜12回の夜勤をしてきました。
体が限界をむかえて病棟を辞め、1回目の転職の失敗をはさんで、いまは日勤のみの外来で働いています。
わたしは2回目の転職の前に、派遣で介護施設の日勤に入りました。仕組みについては、次のことをしました。
- 転職を考えたとき仕組みを一通り調べた
- 派遣から正社員に戻った同僚に話を聞いた
その内容を、派遣を考えはじめたころのわたしに教えるつもりで書いていきます。
派遣看護師の仕組みをまず整理|誰が雇い主?


派遣がややこしく感じるのは、登場人物が3人いるからだと思います。ここを押さえると一気にスッキリします。
ひとつずつ見ていきますね。
雇い主も給料も派遣会社から


派遣看護師の一番大事なポイントは、雇い主が働く先の病院や施設ではなく派遣会社(人材派遣の会社)であるということです。
| あなたと派遣会社 | 中身 |
|---|---|
| 雇用契約 | 派遣会社と結ぶ |
| お給料 | 派遣会社からもらう |
| 働く場所 | 病院や施設 (その病院に雇われているわけじゃない) |
ここが正社員やパートとまるごとちがうところなんですよね。



わたし、最初これがピンと来なかったんです。
病院で働いてるのに病院の人じゃないって、どういうこと?って。でも整理すると、登場人物は「あなた・派遣会社・働く先の病院」の3人です。
- 派遣会社が病院と契約し、あなたを送り出す
- あなたへの指示は病院の師長さんからもらう
- 雇用とお給料の管理は派遣会社がやる
だから何かトラブルがあったとき、相談する相手も基本は派遣会社の担当者になります。
職場に直接言いにくいことを代わりに伝えてくれるので、そこは正社員より気がラクという声もありました。
お金の流れ:病院→派遣会社→あなた


お金の流れも知っておくと納得しやすいです。
- 病院は派遣会社に「派遣料金」を払う
- 派遣会社が取り分を引く
- 残りがあなたのお給料(時給)になる
つまり病院が払うお金の全部があなたに来るわけじゃなくて、派遣会社の取り分が引かれた残りがあなたの時給、というイメージです。
こう書くと「中抜きされてる、損じゃん」って思うかもしれません。でも派遣会社は、次のことをぜんぶやってくれます。
- 求人探し
- 条件交渉
- 社会保険の手続き
- トラブル対応
その手数料と考えると分かりやすいかも。それでも看護師の派遣は時給が高めなので、手取りで見ると正社員より多くなることもあります。



「派遣会社が雇い主」さえ覚えれば、派遣の話は8割わかります。
ちなみに派遣会社が社会保険や雇用保険にちゃんと入れてくれるかは大事なポイントです。
| 社会保険・雇用保険 | 登録するとき |
|---|---|
| 一定の条件を満たせば加入できる | 必ず確認してくださいね |
その「一定の条件」が具体的に何なのかは、派遣看護師の社会保険の加入条件のほうに、週20時間や2か月の線引きまで分けて書いてあります。
派遣看護師 仕組みの肝|常用型と登録型の違い


派遣には大きく2タイプあって、ここを混同すると「思ってたのと違う」になりやすいです。先に違いを言うと、ずっと雇われ続けるか、案件ごとに契約するかの差です。
ひとつずつ見ていきますね。
常用型派遣:派遣会社の社員になる


常用型派遣は、派遣会社に正社員(または契約社員)として雇われて、そこから病院に派遣される働き方です。
- 仕事が終わっても雇用は続く
- 収入が途切れにくい
- 月給制で賞与が出る会社もある
派遣の中では一番安定型です。
イメージとしては「所属は派遣会社、勤務地が病院」という感じ。応援ナースとか、長期で同じ施設に入るタイプはこっちが多いです。
安定を取りたいけど一つの病院に縛られたくない人に向いていると思います。
登録型派遣は案件ごとに契約する


登録型派遣は、派遣会社に名前を登録しておいて、案件(求人)が来たらそのつど契約して働くタイプです。
期間を区切って働けるのが特徴です。たとえば、こんなふうに働けます。
- 「来週の月曜だけ」
- 「3か月だけ」
単発やスポットで働きたい人はこの登録型になります。
自由度が高いぶん、案件と案件のあいだは収入がゼロになることもあるのが登録型の注意点です。働きたいときに案件があるとは限りません。
| タイプ | 中身 |
|---|---|
| 常用型 | 継続雇用で収入が途切れない |
| 登録型 | 案件ごとに契約して区切れる |
| 選び方 | 安定重視は常用型 自由重視は登録型 |
単発や1日だけの働き方に興味があるなら、その仕組みを別記事でくわしく書いています。
どっちが正解ということはなくて、今の生活と何を優先したいかで変わります。単発の仕組みは看護師の単発バイトの記事もあわせて読むとイメージしやすいです。
派遣看護師と正社員は何が違う?保障とお金の本音


正社員しか知らない人が一番気になるのがここだと思います。いい面だけじゃなく、弱いところも正直に並べます。
ひとつずつ見ていきますね。
雇用の安定は正社員のほうが上


雇用の安定でいうと、やっぱり正社員のほうが手厚いです。
| 雇用の安定 | |
|---|---|
| 正社員 | 基本的に定年まで雇われ続ける前提 |
| 派遣(とくに登録型) | 契約期間が決まっていて、更新されないこともある |
「ずっとこの職場にいたい」と思っても、契約が切れたら別の場所を探すことになる、ここは正社員との大きな違いです。



ただ、派遣には「合わない職場に縛られない」という裏の良さもあります。
人間関係がきつい病棟に一生いる必要がない、と考えると気がラクという同僚もいました。安定を取るか身軽さを取るか、なんですよね。
時給は高いが賞与・退職金は弱い


お金の話は正直に書きます。派遣看護師と正社員を、時給と賞与で並べるとこうです。
| 時給・賞与 | |
|---|---|
| 派遣看護師 | 時給が2,000円前後と高めで、地域や条件によっては2,500円を超えることもある 賞与や退職金がほぼ出ない、もしくはかなり弱いことが多い |
| 正社員 | 年2回の賞与や退職金で年収がぐっと上がる |
派遣は時給だけ見ると正社員より高く感じて、日勤だけでも月の手取りが正社員と同じくらい、というケースもあります。
でも、ここが落とし穴。派遣はそこがない分、年間トータルで見ると正社員と差が縮まったり、逆転することもあります。



月の時給の高さだけで「派遣のほうが得」と決めるのは危ないなと、調べていて思いました。
年収トータルでどう変わるかは、手取りの計算をしてみないと見えません。
看護師の年収の中身は看護師の年収・手取りの話でも整理しているので、比べるときの参考にしてください。
福利厚生と教育は会社差が大きい


福利厚生は派遣会社によって本当に差があります。
| 福利厚生 | どうなるか |
|---|---|
| 社会保険・有給・健康診断 | 条件を満たせば付くことが多い |
| 住宅手当や研修制度 | 正社員ほど手厚くないことが多い |
新しい職場に短期間で入る働き方なので、その病院の研修やキャリアアップ制度を受けにくい、という面もあります。
なので「派遣で経験を広げたい」のか「一つの場所でキャリアを積みたい」のかで、向き不向きが分かれます。
| こんな人 | 向き不向き |
|---|---|
| 派遣で経験を広げたい人 | 派遣が向く |
| 一つの場所でキャリアを積みたい人 | 正社員が向く |
| 教育をしっかり受けたい段階の人 | 派遣はちょっと早いかも |
- 時給:派遣は高め(2,000円前後〜)
- 賞与・退職金は正社員のみが多い
- 正社員が上で派遣は契約期間あり
- 派遣は合わない職場を抜けやすい
こうやって並べると、どっちが上ということではなく「何を大事にするか」で答えが変わるのが分かると思います。
派遣看護師に向く人・向かない人と、落とし穴


仕組みが分かったところで、どんな人に合うのか。提灯記事にはしたくないので、向かない人と落とし穴も先に書きます。
ひとつずつ見ていきますね。
向かない人:安定・賞与重視の人


先に向かない人から。次のような人は、派遣だとしんどいかもしれません。
- 毎月決まった収入がないと不安な人
- 賞与や退職金をしっかりもらいたい人
- 一つの職場で師長やリーダーを目指したい人
とくに登録型は収入が月によってブレるので、住宅ローンや家賃の支払いが重い人には心臓に悪いと思います。
あと、新人〜3年目くらいで基礎をみっちり固めたい時期の人も、派遣だと教育を受けにくいので急がなくていいかなと。
土台ができてから選択肢に入れるほうが、わたしは安全だと思っています。
向く人:経験があり柔軟に働きたい


逆に向いているのは、ある程度経験を積んでいて、新しい環境にもすぐ慣れられる人です。次のような人にも合います。
- 経験5年以上で環境に早くなじめる
- 曜日や期間を自分で調整したい
- 扶養内やダブルワークで稼ぎたい
- いろんな職場を経験して視野を広げたい
落とし穴としては、次のことを曖昧なまま始めてしまうこと。
- 契約期間
- 時給
- 社会保険の有無
「聞いてた条件と違う」を防ぐには、契約書の内容を始める前に必ず確認することが本当に大事です。



ここを面倒くさがると後で泣きます。
自分がどっち寄りか、なんとなく見えてきたでしょうか。合いそうなら、次は仕事の探し方です。
仕組みが分かったら、次は登録の面談です。免許証や給与明細をどこまで用意しておくかは登録会の持ち物を公式で確認した記事に書いたので、予約が取れた人はそちらもどうぞ。
派遣看護師の仕事の探し方|どこに登録する?


派遣は探し方が正社員転職とちょっと違います。
結論から言うと、派遣・単発に強い会社に登録するのが近道です。
登録して案件が決まりかけると、就業前に職場見学の場が入ることがあります。ここで戸惑いやすいのは、この2つです。
- 何を着ていけばいいのか
- そもそも面接なのか
顔合わせの服装と当日の流れも先に見ておくと落ち着いて進められますよ。
| 探す先 | 派遣の求人 |
|---|---|
| 正社員向けの転職サイト | 載っていないことが多い 「派遣ありますか?」と聞いても 扱いが少なくて出てこないことがある |
| 派遣や単発を専門にあつかう派遣会社 | 求人を持っている まずは派遣に強い会社に登録するのが早道 |
派遣・単発・スポットの求人にとくに強いのが単発・派遣に強いMCナースネットです。
次のようなものまで幅広く持っています。
- 常用型・登録型の派遣
- 1日だけの単発や応援ナース
- 健診・ツアーナース
派遣の仕組みを理解したうえで「ちょっと試してみたい」という人の最初の登録先として向いています。
担当者に常用型と登録型どちらが自分に合うか相談できるのも、初めての人には心強いと思います。
登録するときに必ず確認したいのが、次の4つです。
- 時給
- 契約期間
- 社会保険の有無
- 案件が途切れたときの対応
ここを口頭だけで済ませず、契約書や条件票で文字にしてもらうと「言った言わない」を防げます。
わたしは正社員転職のときに口頭の約束で痛い目を見たので、派遣ならなおさら書面で確認してほしいです。



正社員に戻る前提で「とりあえず派遣を経験してみる」のもアリだと思います。
まずは無料で求人を見て条件感をつかむだけでも違います。派遣に強い会社の評判は、次の2つで確認できます。
正社員の転職と並行して考えたい人は、総合的なランキングもあわせて見ると、自分に合う登録先が見つけやすいです。



派遣は時給だけでなく、賞与や退職金まで含めて年間で比べてくださいね。
よくある質問


- 派遣看護師の雇い主は病院ですか?
-
いいえ、雇い主は派遣会社です。あなたは派遣会社と雇用契約を結び、お給料も派遣会社から受け取ります。働く場所は病院や施設ですが、その病院に雇われているわけではありません。日々の業務の指示は職場の師長さんから受けますが、雇用やお金の管理は派遣会社がする、という分担になっています。
- 常用型と登録型の派遣は何が違うんですか?
-
常用型は派遣会社の社員として継続して雇われ、派遣先が終わっても雇用が続くので収入が途切れにくいタイプです。登録型は案件ごとに契約する自由なタイプで、単発やスポットに向いていますが、案件のあいだは収入がゼロになることもあります。安定を取りたいなら常用型、自由に働きたいなら登録型と覚えておくと分かりやすいです。
- 派遣看護師の時給はどれくらいですか?
-
地域や条件によりますが、時給2,000円前後が目安で、夜勤や好条件だと2,500円を超えることもあります。正社員の時給換算より高めなのは確かです。ただ賞与や退職金がほぼないので、月の時給だけでなく年間トータルで正社員と比べることをおすすめします。
- 派遣だとボーナスや退職金はもらえないんですか?
-
派遣は賞与(ボーナス)や退職金がほぼない、または正社員よりかなり弱いことが多いです。常用型で賞与が出る会社もありますが、登録型は基本ありません。時給が高い分そこで稼ぐ形なので、ボーナス込みの年収を重視する人は正社員のほうが向いていることもあります。
- 派遣看護師は社会保険に入れますか?
-
一定の労働時間などの条件を満たせば、派遣会社の社会保険・雇用保険に加入できます。ただし会社や働き方によって加入できるかが変わるので、登録するときに必ず確認してください。短期や単発だけだと加入条件を満たさないこともあるため、ここは口頭で済ませず書面で確認するのが安全です。
- 未経験や新人でも派遣看護師になれますか?
-
なれなくはないですが、あまりおすすめしません。派遣は新しい職場に短期間で入る働き方で、その病院の研修やキャリアアップ制度を受けにくいからです。基礎をしっかり固めたい新人〜3年目くらいの時期は、まず正社員で土台を作ってから派遣を選択肢に入れるほうが安全だと思います。
- 派遣の契約が途中で切れることはありますか?
-
あります。とくに登録型は契約期間が決まっていて、更新されないこともあります。常用型でも派遣先が変わることはありますが、派遣会社との雇用は続くので収入は途切れにくいです。契約が切れたときに次の案件を紹介してもらえるか、登録時に確認しておくと不安が減ります。
- 扶養内やダブルワークで派遣はできますか?
-
できます。時給が高く、曜日や日数を調整しやすいので、扶養内で効率よく働きたい人やダブルワークの人に派遣は向いています。ただし扶養の範囲を超えないよう、年収の上限を意識して働く時間を決めることが大事です。担当者に「扶養内で」と伝えておくと案件を調整してくれます。
- 派遣看護師の求人はどこで探せばいいですか?
-
派遣や単発の求人は正社員向けの転職サイトには載りにくいので、派遣に強い会社に登録するのが近道です。MCナースネットのような派遣・単発・応援ナースに強い会社なら、常用型・登録型どちらの案件も持っていて、自分に合う働き方を担当者に相談できます。複数登録して条件を見比べるのもおすすめです。
- 正社員に戻りたくなったら戻れますか?
-
戻れます。実際、派遣を経験してから正社員に戻る人はめずらしくありません。いろんな職場を見た経験はむしろ強みになることもあります。派遣を「正社員の合間に試す働き方」として使う人もいるので、一度派遣にしたら戻れない、と心配しすぎなくて大丈夫ですよ。
まとめ
派遣の仕組みがわかったら、次は会社選びです。▶ 派遣会社の選び方|複数登録して比べた本音


派遣看護師の仕組みは、整理すると「派遣会社が雇い主で、病院に出向いて働く」というシンプルな形です。
- 常用型は安定、登録型は自由
- 正社員との違いは雇用の安定と保障
時給は高いけれど、その代わりボーナスや退職金が弱いので、月の時給だけでなく年間トータルで比べることが後悔しないコツです。
向く・向かないは人によってはっきり分かれます。
| こんな人 | 向いているのは |
|---|---|
| 経験があって柔軟に働きたい人 | 派遣は魅力的 |
| 安定や賞与、キャリアを重視する人 | 正社員のほうが合うことも多い |
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仕組みを分かったうえで選べば、派遣はあなたの働き方の幅を広げてくれる選択肢になりますよ。









