履歴書の職歴欄が3行目、4行目まで伸びたところで手が止まっているでしょうか。
先に結論を置きます。採用する側が見ているのは回数そのものではなくて、直近の在籍が短いかどうかです。回数はもう変えられませんが、次の1社をどう選ぶかはまだ変えられます。
わたしはあさこといいます。急性期の内科外科混合病棟で7年、3交代で月10〜12回の夜勤をしていました。今は内科外来で日勤だけ、年収は370万から430万になっています。
ここは正直に書いておきます。わたしの転職は2回で、多い側ではありません。だから「回数が多い人の気持ちが分かります」とは書けないです。代わりに書けるのは、7年の下に1年で辞めた1社が並んだ職歴を、履歴書と面接でどう扱ったかのほうです。
あと、この記事では出典を確認できた数字だけ使います。「看護師の平均転職回数は2回」という数字はよく見かけるんですが、元の調査の該当ページにわたしはたどり着けませんでした。なので使いません。使うのは日本看護協会が毎年出している病院看護実態調査の数字です。
看護師の転職回数はどう見られているのか
回数の話は、相場があるようで実はありません。公開されている数字が何を測っているのかから見ていきます。
順番に見ていきます。
一律の基準は誰も出していない
「3回以上は多い」「20代なら2回まで」という書き方をよく見ます。わたしはこの手の基準の出どころを探したんですが、根拠になる調査にたどり着けませんでした。
探した範囲を書いておきます。厚生労働省と日本看護協会が公開している資料の中に、看護師の転職回数そのものを正面から集計したものが見つかりませんでした。離職率や求人倍率は毎年出ているのに、回数の分布は出ていないんです。
つまり、回数の線引きは統計ではなく読み手の心証の話です。同じ職歴を見ても、採用担当が過去に早期退職で困った経験があれば厳しく読みますし、人手が足りていれば回数の欄はほとんど見られません。
- 回数の公的な基準はない
- 平均値の出典は追えなかった
- 線引きは応募先ごとに違う
ここで安心してほしいわけではないです。基準がないということは、逆に言えば「回数が少なければ通る」という保証もないということなので。次から、確認できる数字のほうを見ます。
出典が確認できるのは離職率
日本看護協会が毎年出している「病院看護実態調査」があります。2025年の調査は全国8,022の病院に依頼して3,502施設から回答があり、有効回収率は43.7%でした。数字は2026年3月31日のニュースリリースで公開されています。
この調査で出ている2024年度の正規雇用看護職員の離職率は11.0%です。計算式もリリースに書いてあって、年度の総退職者数を平均職員数で割ったものになります。定年退職も入っています。
ざっくり言うと、1年で10人に1人が職場を離れている計算です。7年もいれば、周りの顔ぶれはかなり入れ替わります。看護師が職場を変えること自体は、この業界では珍しくもなんともないというのが数字の側の話です。
先に断っておくと、この調査の対象は病院です。クリニックや施設、訪問看護の数字は入っていません。そちらを受ける人は、傾向として読むくらいにしてください。
ただ、これをもって「だから回数は気にしなくていい」とは言えません。採用する側が見ている数字は、同じ調査の別のところに出ています。
既卒で入った人の16.1%
同じ調査は、離職率を3つに分けて出しています。2024年度の数字はこうです。
- 正規雇用看護職員 11.0%
- 新卒採用者 8.4%
- 既卒採用者 16.1%
既卒採用者というのは、中途で入った人のことです。計算式は「その年度に既卒で採用した人のうち退職した人の数」を「その年度の既卒採用者数」で割ったもの。中途で入った人の6人に1人が、その年度のうちに辞めているということになります。
新卒の8.4%と比べると、およそ2倍です。新卒は同期がいて教育の枠組みがあって、辞めにくい条件が揃っています。中途は1人で入って、いきなり戦力として数えられる。差が出るのは当然といえば当然です。
採用する側からこの数字を見ると、中途採用は6人に1人が1年たたずに抜ける賭けになっています。求人票を出して、書類を読んで、面接をして、教育担当をつけて、それが1年以内に消える確率が16%ある。だから「またすぐ辞めないか」を確かめようとします。
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。転職回数を見られるのは、あなたの人柄を疑っているからではなくて、定着するかどうかを見積もる材料が職歴しかないからです。回数はその代わりに使われている指標にすぎません。
疑われているのが人格ではなく定着だと分かると、面接で話すことが変わります。過去の弁明ではなく、次で辞めない条件の話をすればいい、ということになるので。
病床の規模で変わる定着率
同じ調査には、病床の規模別の数字も載っています。既卒採用者の離職率だけ抜き出すと、こうなります。
- 99床以下 19.0%
- 100〜199床 18.0%
- 200〜299床 14.4%
- 300〜399床 14.4%
- 400〜499床 14.5%
- 500床以上 13.1%
小さい病院ほど高く、大きい病院ほど低い。99床以下と500床以上で6ポイント近く差があります。回答した病院は合計3,440施設です。
理由は想像がつきます。人数が少ない職場は1人抜けたときの穴が大きくて、教育に回せる人も限られます。合わなかったときに逃げ場の部署もない。だから中途で入った人が定着しにくいですし、採用する側も慎重になります。
転職回数が多い人が最初に出す1件を選ぶなら、この差は頭に入れておいていいと思います。規模の小さい職場のほうが「長く働けますか」を強く確認されやすい、という程度の話ですが。
ちなみにこれは病院単位の平均なので、あなたが受けるその1件がどうかは別です。小さくても人が辞めない職場はありますし、大きくても部署によって全然違います。
回数より直近の在籍月数
履歴書に並ぶのは回数ではなく年月です。読む側は行数を数えているというより、1行ごとの長さを見ています。
3回変わっていても、それぞれ3年ずついれば合計9年です。2回でも直近が8か月なら、読み方はまったく変わります。回数が同じでも、並び方で見え方が変わるということですね。
わたしの職歴は7年のあとに1年です。7年があるので「続かない人」とは見られませんでした。ただ、その1年については毎回聞かれました。7年より1年のほうが必ず質問される、というのが実感です。
短い在籍が2つ以上続くと、説明の難度が上がります。1つなら事情の話で済むところが、2つ並ぶと「傾向」として読まれるからです。逆に言うと、いま短い1行が1つしかない人は、次を長くすればそこで止まります。
いつ動くかで在籍の長さが変わってくる話は、辞めどきをどう決めたかのほうに書いています。焦って出した1件が短くなるのは、だいたい時期の問題です。
回数が効いてくるのはどんな募集か
同じ職歴を出しても、募集の性質によって扱われ方が変わります。どこで効いて、どこで効かないかを分けておきます。
ひとつずつ書きます。
応募が集まる求人ほど絞られる
日勤のみ、土日休み、大規模病院の外来。この条件が揃った募集には応募が集まります。集まれば書類で絞ることになって、そこで在籍の短さが減点として働きます。
逆に、人が足りていない募集では回数の欄はほとんど見られません。先に見られるのは「いつから来られるか」と「夜勤に入れるか」です。ここは順番の問題で、あなたの評価が高いから通ったわけではないこともあります。
ただ、ずっと求人が出続けている職場には理由があることも多いです。回数を気にせず入れたのに、入ってみたら人が定着しない現場だった、というのがいちばん避けたい形なので。通りやすさと働きやすさは別に見てください。
短い在籍が2つ続いたとき
1年未満が2つ並ぶと、書類の段階で質問の数が増えます。読む側には事情まで見えないので、パターンとして受け取られやすいんです。
ここで隠す方向に行くと後で苦しくなります。やることは、2つの理由を1本の線でつなげて説明できるようにしておくことです。
たとえば1つ目は夜勤の回数、2つ目は人間関係、と別々に説明すると、聞いた側には運が悪かった話にしか聞こえません。どちらも「勤務の条件を入る前に確かめなかった」という同じ原因だった、と言えるなら、それは次で直せる話になります。
実際、条件の確認をしないまま入って合わないというのは、そんなに珍しい失敗ではないです。わたしもそれをやっています。
回数を問われにくい働き方
常勤で入る形以外だと、回数はほとんど話題になりません。派遣や単発は雇用の形が違うので、職歴の一貫性を見る場面がそもそも少ないんです。
訪問看護や施設、健診のように、いろいろな現場を見てきたことが前提になる仕事も、回数より経験の中身を聞かれます。クリニックも規模が小さいぶん定着は見られますが、聞かれるのは回数より「この科の経験があるか」であることが多いです。
常勤しか選択肢がないと思っていると、選べる募集が狭くなります。単発の看護師バイトのように、まず1日だけ入ってみる形もあります。
経験の幅が読まれる場面
職場が多いということは、扱った科と患者層が多いということでもあります。急な欠員の応援に入れる、記録の様式が変わっても対応できる。この辺りは中途採用で普通に評価されます。
書き方のコツは、職場の数ではなく分野で並べることです。「内科3年、整形外科2年、透析1年」と書くと、転々とした印象が経験の一覧に変わります。読む側が知りたいのは、どこにいたかより何ができるかなので。
ただ、全部を強みとして並べると1つずつが薄くなります。応募先で使うものを2つか3つだけ前に出して、あとは事実として置いておくくらいでちょうどいいです。
履歴書の職歴欄をどう書くか
今夜いちばん手が止まっているのはここだと思います。書き方の判断を4つに分けます。
上から見ていきます。
職歴は省略しないほうがいい
3か月で辞めた1社を書かない、という選択をする人がいます。気持ちは分かるんですが、勧めないです。
入職のときに出す書類で分かることがあるからです。雇用保険の被保険者証には前の勤め先の情報が入っていますし、年内に転職した場合は前職の源泉徴収票を出します。年金の記録にも勤務先の履歴が残ります。
週の労働時間が短くて雇用保険に入っていなかった場合など、記録として残らないこともあります。ただ、残らないから書かなくていい、とはならないです。面接で前後の年月を聞かれたときに、そこだけ説明が飛ぶので。
書類上の事実と履歴書の内容が食い違っていた場合、経歴を偽ったこととして扱われる可能性があります。書類で落ちるより、入ってから発覚するほうがずっと痛いです。入職後だと、そこもまた短い在籍として職歴に増えることになるので。
書いたうえで説明する、が結局いちばん軽い方法だと思います。短い在籍は書けば1行ですが、隠すと入職後ずっと持ち歩くことになります。
1年未満をどう並べるか
年月は正確に、入職と退職を1行ずつ書きます。ここを曖昧にすると、それだけで確認の手間が増えます。
短い在籍にだけ、括弧で理由を1行添える書き方があります。「(勤務条件が求人内容と異なるため退職)」のような形ですね。全部の行に書くとうるさくなるので、質問されそうな1行にだけ添えます。
わたしが手を止めたのもここでした。7年の下に、1年で辞めた病院が並ぶ。行そのものは短いのに、書くときにいちばん時間がかかったのがこの1行です。
結局、書き方をいじるのはやめました。事実は動かないので、面接で必ず聞かれる前提にして、答えのほうを先に作ったんです。そのほうが早かったです。
職務経歴書を一緒に出すなら、役割を分けると楽になります。履歴書には事実だけ、経歴書のほうに経緯と担当科を書く。読む側も、そのつもりで2枚を見ています。
空白期間に何をしていたか
職歴に空白があると、そこも聞かれます。空いていること自体より、そこで何をしていたかが書かれていないと想像で埋められてしまう、というのが実際のところです。
単発で働いていたなら書けます。わたしは1回目の職場を辞めたあとの期間、カイテクのアプリで単発の仕事を入れて食いつなぎました。面接なしで、働いた日ごとの契約です。
単発は常勤のように職歴欄へ並べられないので、職務経歴書のほうに「◯年◯月〜◯年◯月 単発勤務(施設・健診など)」とまとめて書く形になります。ブランクではなく、看護から離れていなかった期間として置けます。
空白は短いほうがいいのは確かです。ただ、埋めるために合わない職場へ急いで入ると、次の短い在籍が1つ増えます。回数を気にしている人ほど、ここは急がないほうがいいと思います。
退職理由は一身上の都合で足りる
履歴書の退職理由は「一身上の都合により退職」で問題ないです。自分から辞めた場合はこれで足ります。
職場側の事情で辞めた場合は事実を短く書きます。「事業所閉鎖のため退職」「契約期間満了のため退職」のような形ですね。この場合は自分の意思で辞めたわけではないと分かるので、書いたほうが得です。
細かい事情は書面に書かないでください。書くほど、読み手が行間を埋めにいきます。話は面接で、聞かれたときに順番に出せば足ります。
退職の手続き自体でつまずいている人は、引き止めにどう答えるかのほうを先に読んだほうがいいかもしれません。辞める日が動くと、次の入職日まで動きます。
面接で転職回数を聞かれたときの答え方
聞かれる前提で用意しておけば、当日に考えることが減ります。答え方を4つに分けます。
順に見ます。
謝るところから始めない
「転職が多くて申し訳ないのですが」から入ると、そのあとに何を話しても言い訳として聞こえます。自分で減点を先に宣言している形になるので。
「転職が多いですね」という質問は、たいてい「うちでもまたすぐ辞めますか」の言い換えです。既卒で入った人の16%が年度内に辞めている以上、確かめたくなるのは当然だと思います。
なので答えるのは、過去の弁明ではなく次の話です。事実を先に置いて、共通する原因を1つ言う。この順番だけ決めておけば足ります。
言い方の例を置いておきます。「これまで3回変わっています。理由は毎回同じで、勤務条件を入る前に確かめきれていなかったことでした」。ここまで言えば、次の質問は自然と「今回は何を確認したいのか」になります。
辞めた理由を条件に言い換える
「人間関係が合わなかった」「雰囲気が合わなかった」は、聞いた側が確かめようのない話です。同情はされても、次で辞めない根拠にはなりません。
条件の言葉に置き換えます。夜勤が月8〜10回だった、休憩が実際には取れなかった、時短の希望が通らなかった。数字と事実で言えるものに寄せると、相手も自分の職場と照らして答えられます。
わたしは1回目の転職のとき、求人票の「夜勤少なめ」が月何回を指すのかを確かめないまま入りました。入ってみたら8〜10回で、7年いた病棟とほとんど変わらなかったです。その経緯は1回目で何を間違えたかに書いています。
確認しなかった理由もはっきりしています。退職が引き止めで2か月延びて、次の入職日を2月から4月へずらしてもらっていたので、いまさら条件を聞き直したいと言えませんでした。頭を下げてもらった負い目で、確認する権利を自分から手放した形です。
この話を面接でそのまま話すかは別として、辞めた理由を条件で語れると、次に確認することが自動的に決まります。それが次の逆質問になります。
逆質問で数字を聞いておく
最後に「何か質問はありますか」と聞かれる場面は、意欲を見せる時間ではなくて、同じ失敗を繰り返さないための確認の時間です。
聞いておくといいのは、数字で答えられることです。
- 先月の夜勤は実際に何回か
- 時間外は月に何時間くらいか
- 休憩を取れなかった日はあるか
- 去年中途で入った人は今も残っているか
最後の1つは聞きにくいです。ただ、既卒の定着は採用する側もいちばん気にしている数字なので、把握していない職場のほうが少ないと思います。答えられる職場は答えますし、濁されたらそれも情報として受け取れます。
1つ気をつけたいのは、聞く相手です。面接に事務の方しか出ていない場合、先月の夜勤回数まで即答できないことがあります。師長や看護部長が同席していれば直接聞けますし、いなければ「後日でかまいません」と付けるか、紹介会社を通しているなら担当者から確認してもらってください。
聞き方は、責める形にしないほうが返ってきます。「前の職場で夜勤の回数を確認せずに入って合わなかったので、今回は数字で伺いたいです」と、理由を先に言うと角が立ちにくいです。
言わなくていいこと
前の職場の悪口は、内容が事実でも損をします。聞いた側は「うちのこともよそで言うかもしれない」と考えるので。
体調のことも、業務に支障がないなら細かく話す義務はありません。配慮してほしいことがある場合だけ、必要な範囲で伝えれば足ります。
「次はどれくらい働くつもりですか」に「一生」と答えなくていいです。根拠のない長さを言うより、「まず3年は同じ科で経験を積みたいです。理由は◯◯です」のほうが信じてもらえます。
それでも落ちるときは落ちます。回数のせいだと決めつけて次を止めてしまう前に、落ちたあとに何をするかのほうも見ておいてください。病院には理由を説明する義務がないので、原因の特定に時間を使っても答えは出ないです。
次の1社で在籍を短くしないために見る条件
回数はもう減らせません。減らせるのは、次の在籍が短くなる確率だけです。ここからは選び方の話にします。
先に、希望を出すことを遠慮しなくていい根拠を1つ置いておきます。さっきの日本看護協会の調査には、病院が看護職員(正職員)を確保するために導入している働き方も出ています。いちばん多いのが「日勤のみ」で54.7%、次が「夜勤回数や夜勤時間、曜日が選択できる」で44.1%、「短時間勤務」が39.3%でした。
半分以上の病院が、日勤のみという形を人集めのために用意しているということです。夜勤なしを希望するのは無理を言っている、と思う必要はないです。病院の側も条件を出して人を探しています。
そのうえで、求人票の言葉ではなく数字で確かめてください。「夜勤少なめ」「残業ほぼなし」「アットホームな職場」は、書いた人によって指す中身が変わります。わたしが1年で辞めたのは、この4文字を確かめなかったからです。
入る前に確かめておく数字を3つに絞るなら、これです。
- 先月の夜勤回数(平均ではなく実数)
- 休憩を取れた日が何日あったか
- 中途で入った人が今も残っているか
この3つが面接で確かめられないなら、確かめられる方法で入るしかない、というのが次の話です。
わたしが2回目の転職で変えたやり方
1回目と2回目で変えたのは、応募先の探し方ではなくて入り方のほうです。
順番に書きます。
面接30分で分からなかったこと
1回目のとき、わたしは面接で職場を見極めるつもりでいました。実際に見極められたのは、建物のきれいさと、面接に出てきた人の感じの良さくらいです。
入ってから分かったのは、記録が定時内に終わらないこと、休憩が実質15分で切れること、そして夜勤の回数が求人票の言葉と違ったことでした。どれも30分の面接では出てこない話です。
面接に出てくる人が現場の人とは限らない、というのもあります。師長が同席する職場もありますが、事務の方だけのこともあって、その場合は病棟の中の実際まで答えられないです。
1年で辞めることになって、いちばんこたえたのは職歴が増えたことではなくて、また選び方を間違えたと認める時間のほうでした。
先に働いてから正社員にした
2回目は順番を逆にしました。面接で見極めるのをやめて、先に働いてみることにしたんです。
登録したのはMCナースネットで、まず派遣で日勤の職場に入りました。実際に働くと、聞いても分からなかったことが全部見えます。休憩が取れているか、記録の時間が業務内に収まっているか、人が足りているか。合うと思えたので、同じ担当の紹介で正社員に切り替えて、そのときに年収の交渉もしてもらいました。370万から430万になったのはこの経路です。
回数を気にしている人にとって、この入り方にはもう1つ利点があります。合わなかったときに、常勤を短期で辞めた1行が職歴に増えないということです。
常勤で入って半年で辞めれば、それは履歴書に残ります。派遣で入って更新しなかった場合は、契約期間が終わっただけなので、経歴書には「派遣で◯か月」と書けても、短期離職の1行にはならないです。
次の職場を試したいのに、試すこと自体が回数を増やしてしまう。この行き止まりが、転職回数を気にしている人の一番きついところだと思います。そこを抜ける道が、常勤で入る前に働いてみる形です。
登録して求人を見るところまでは無料です。会社を1社に絞る必要もないので、3社使って比べたときの話も置いておきます。わたしが1回目で失敗した原因の半分は、大手1社にしか話を聞かなかったことでした。
勧めたいのは会社より進め方
会社の名前を出したので、正直に書いておきます。勧めたいのは会社ではなくて、常勤で入る前に中を見る進め方のほうです。
同じことができるところなら他でもかまいません。ただ、日勤の職場を派遣で試してから正社員に移れる形を持っているところは、そんなに多くないです。だから名前を出しています。
民間の会社を挟みたくない人向けに書いておくと、各都道府県のナースセンターが無料で職業紹介をしています。求人の数では民間にかないませんが、営業の連絡が来るのが苦手な人にはこちらのほうが向いています。
すでに辞めていて収入が止まっている人は、じっくり選ぶ余裕がないと思います。その場合は、生活費のほうを単発で先に確保してから常勤を探すという順番もあります。焦って決めた1社が短く終わるのが、いちばん高くつくので。
どちらを選ぶにしても、確認することは同じです。次の1社の在籍を短くしないこと。それだけが、回数の話を止める方法です。
看護師の転職回数についてよくある質問
検索で多かった疑問と、書類を書くときに迷いやすいところをまとめました。
- 看護師は転職回数が多いと本当に不利になりますか?
-
応募が集まる求人では不利に働くことがあります。ただ、見られているのは回数より直近の在籍の長さです。長く勤めた職場が1つでもあれば、そこが説明の土台になります。
- 3回目の転職は多いほうに入りますか?
-
何回からが多いという公的な基準はありません。3回でもそれぞれ3年ずついれば長く働ける人として読まれますし、2回でも直近が半年なら質問は増えます。回数より年月で見てください。
- 3か月で辞めた職場は履歴書に書かなくてもいいですか?
-
書いたほうが安全です。入職時に出す雇用保険の被保険者証や源泉徴収票から前職が分かることがあり、食い違うと経歴を偽ったことになりかねません。書いて説明するほうが軽く済みます。
- 試用期間中に辞めた職場も職歴に入れますか?
-
雇用契約を結んで働いていたなら職歴です。日数が短くても入職と退職の年月を書きます。短い理由は括弧で1行添えるか、面接で説明できるようにしておけば足ります。
- 面接で「転職が多いですね」と言われたら何と答えますか?
-
謝罪から入らないでください。回数の事実を先に言って、共通する原因を1つ挙げます。「毎回、勤務条件を入る前に確かめきれていませんでした」のように、次で直せる形にすると質問が前に進みます。
- 空白期間があると回数より不利になりますか?
-
空いていること自体より、そこで何をしていたかが書かれていないほうが響きます。単発で働いていた期間があるなら職務経歴書にまとめて書けます。療養や家庭の事情なら、その旨を短く書けば足ります。
- 派遣や単発で働いた期間は職歴に書きますか?
-
履歴書の職歴欄には常勤と同じ形では並べにくいので、職務経歴書に期間と業務内容をまとめて書くのが一般的です。看護から離れていなかった証明になるので、書いておいたほうがいいです。
- 転職回数が多いと給料は下がりますか?
-
回数そのもので下がるというより、勤続年数で決まる手当がリセットされることの影響が大きいです。基本給は経験年数で見る職場が多いので、経験の合計をきちんと伝えられるかで変わります。
- 何年勤めれば「続いた」と見てもらえますか?
-
明確な線はありません。日本看護協会が出している既卒採用者の離職率16.1%は「採用された年度のうちに辞めた割合」なので、採用側の見方としては、まず年度をまたいで働けるかが最初の区切りになります。そのうえで、次に見られるのは丸1年を超えたかどうかです。
- 転職回数が多いとエージェントに断られますか?
-
登録を断られることはほとんどないです。ただ、紹介される求人が人手不足の職場に偏ることはあります。1社だけに任せず、複数に登録して求人の中身を見比べたほうが安全です。
- 40代で転職回数が多い場合はどうすればいいですか?
-
回数より、応募先で使える経験を前に出してください。複数の科を見てきたことは即戦力の材料になります。年齢が上がるほど、教育を必要としない人材として読まれる場面が増えます。
- 次でまた辞めそうで応募が怖いです。何から始めますか?
-
常勤で決める前に働いてみる形から始めてください。派遣やカイテクのような単発で1日入るだけでも、面接では出てこない中身が見えます。合わなくても短期離職の1行にはなりません。
まとめ:回数は変えられないけど、次は変えられます
職歴に並んだ行は、どう書いても消えません。消せないものを消そうとする時間が、いちばんもったいないです。
あらためて、この記事の要点を並べておきます。
- 回数の公的な基準はない
- 既卒採用者の離職率16.1%
- 新卒8.4%のおよそ2倍
- 小さい病院ほど定着を見る
- 見られるのは直近の在籍月数
- 職歴は省略せず1行添える
- 退職理由は一身上の都合で足りる
- 面接は謝罪から始めない
- 日勤のみを導入する病院は54.7%
- 常勤で決める前に働いてみる
わたしは2回しか変わっていませんが、そのうち1回は完全に失敗しています。確認しなかった4文字のせいで1年を使って、7年の下に短い1行を足しました。だから、回数が多い人に「気にしなくていい」とは言わないです。気にしている人ほど、次を慎重に選べると思うので。
今日のところは、職歴欄を完成させなくていいです。先に、次の1社を面接の前に見られる方法があるかどうかだけ調べてください。そこが決まると、職歴欄に何を書くかも自然と決まります。
並んだ行の数は、あなたが続かない人だという証明ではないです。合わない場所から出られた回数、という読み方もできます。
