夜勤前に更衣室で白衣に着替えながら、「今日で最後にしたい」と思ったことが何回あったか、数えきれないです。
でも辞めなかった。7年間。
はじめまして。あさこです。
急性期の内科外科混合病棟で3交代のシフトを続けて、夜勤は多い月で準夜・深夜あわせて月10回を超えていました。30代に入った頃から、体の回復に時間がかかるようになって。準夜明けの朝、洗面台で鏡を見るのが嫌でした。
顔がむくんでいて、肌が荒れていて、目の下にくまがある。20代の頃は「慣れれば平気」だったのに、30を超えたあたりから「慣れる」という感覚がなくなっていきました。
- 32歳・女性(猫1匹、名前はベル)
- 4年制看護大学卒・BLSプロバイダー資格あり
- 急性期内科外科混合病棟 7年(3交代制)
- 夜勤ピーク:準夜・深夜あわせて月10〜12回
- 転職2回(1回目は失敗)。大手から派遣まで複数登録し、決め手はMCナースネット
- 現在:内科外来・日勤のみ・残業ほぼゼロ
- 年収:370万→430万(+60万)
急性期内科外科混合病棟 3交代7年(月最大12夜勤)→転職2回(1回目失敗)→内科外来・日勤のみ。年収+60万。大手から派遣まで複数のサービスを使い比べた経験をもとに、看護師の転職リアルを書いています。
なぜ看護師になったのか

動機は2つありました。きれいな方と、きれいじゃない方。
きれいな方から。高校2年のとき、父が急性の胃穿孔で手術になりました。術後の病棟で、夜中に父が痛みで目を覚ますたびに、ナースコールを押すと数分で看護師さんが来てくれた。暗い病室で静かに話を聞いて、「大丈夫ですよ」と言って出ていく背中。
そのたびに父の顔がほっとゆるむのを横で見ていました。「苦しいときに、そこにいる仕事をしたい」と思ったのは本当のことです。
きれいじゃない方は、「手に職をつけたかった」ということです。国家資格があれば食いっぱぐれない。この打算は17歳のわたしにとってかなり大きな動機でした。正直、こっちが6割くらいだったかもしれない。
どっちが本音かと聞かれたら、両方です。きれいな動機だけで進路を決めました、というのは少し嘘になる。
3交代制の7年間

配属は希望通りの急性期病棟でした。内科と外科が混合のフロアで、術後の患者さんもいれば夜中に急変もある、忙しい病棟です。
3交代制は、日勤・準夜(16時〜翌1時ごろ)・深夜(0時〜9時ごろ)が月によって入れ替わります。多い月は準夜6回・深夜6回の計12回。そうなると体内時計が完全にバグります。昼間に寝て、夜中に起きて、また昼に寝て。自分が今何時間目の覚醒にいるのかわからなくなってくる。
1〜2年目はそれでも「慣れ」がありました。夜勤明けにご飯食べて倒れ込んで、起きたら次の夜勤の準備。そのループを「急性期だから仕方ない」と思っていた。
変わってきたのは5年目あたりです。体に、こんなサインが出はじめました。
- 準夜明け、シャワー中に「あの患者さん大丈夫かな」と考えて眠れない
- 頭のスイッチがオフにならない日が増えた
- 生理が不規則になった(婦人科で「夜勤のストレスかも」と言われた)
そうか、体が壊れてきてるんだ、と思ったのに、やめませんでした。「急性期だから」という言葉で蓋をしていた。
あの深夜、点滴の前で

転換点になったのは6年目の冬のことです。
深夜勤の途中、輸液の準備をしながら意識が遠のいた瞬間がありました。薬液を確認しようとしたら、ラベルの文字が一瞬読めなくなった。眠いのか疲れているのか、それとも何か別のことが起きているのか、わからなくなった。
同じフロアの先輩がたまたま通りかかって「大丈夫?」と声をかけてくれて、我に返りました。「大丈夫です」と答えました。大丈夫じゃなかったけど。
その日の帰り道、コンビニの前で止まりました。入る気力も、そのまま帰る気力もなくて。何か食べなきゃとはわかってるのに体が動かない。夜勤明けにコンビニのドアの前で立ち尽くしている看護師。今考えると、かなりやばい状況です。でもそのときは「眠いだけ」と思っていた。
あれが限界だったんだと思います。あとから振り返ると。
32歳の焦り

転職を本気で考えたのは、30歳を過ぎた頃からです。
準夜明けに帰ってきて、疲れ果てながらインスタを開くと、同い年の友人たちが週末に旅行したり、カフェに行ったりしている写真が並んでいる。うらやましい、という気持ちはあった。でもそれより「わたし、何年こうしてるんだろう」という感覚の方が強かったです。
旅行に行けないとか、週末が休めないとか、そういう話じゃなくて。自分の生活を自分でコントロールできていない、という感じ。次の夜勤に間に合うように逆算して寝て、起きて、移動して。それ以外の時間がほぼない。
32歳で、この生活のまま何年続けるんだろう、という問いが出てくるたびに「急性期だから仕方ない」で蓋をしていた。でもその蓋が、少しずつ緩んできていました。
1回目の転職で失敗した話

7年目の春、転職することにしました。
「夜勤を減らしたい」という軸は決まっていたんですが、焦っていました。早く今の状況から抜け出したくて、エージェントを1社だけ使って、「夜勤少なめの病棟を探してください」と伝えました。
紹介してもらったのは別の急性期病院でした。年収は20万アップ。「夜勤は月8回程度です」と言われました。
確認しませんでした。「8回程度」の「程度」が何を指すのか。
入職してみると、8〜10回でした。前の職場とほぼ変わりません。
「また選択を間違えた」という事実を認めるのが、一番しんどかったです。転職したのに状況がほぼ変わっていない。新しい環境に慣れるストレスも加わって、最初の数ヶ月は以前より消耗していたかもしれない。1年で辞めました。
また転職することになる看護師って採用されるのかな、という不安もありました。30代に入って、これで転職歴2回目になる。自分でどう説明したらいいかわからなくて。
2回目で変えた3つのこと

失敗の原因は「確認不足」と「1社に頼りすぎた」こと。だから、次の3つを変えました。
今しんどい人に、いちばん読んでほしいところです。順番に書きますね。
① エージェントを3社に増やした

1社だけだと、その担当者が出してくる求人が「世の中の普通」だと思い込んじゃうんですよね。1回目のわたしが、まさにそれでした。だから2回目は、最初から3社に同時登録しました。
- MCナースネット(実際に使って一番良かった)
- ジストリー(スカウト型・比較用に登録)
- 看護roo!など大手も登録(でも自分には合わなかった)
なんで3社かというと、2社だと「どっちが正しいの?」で迷うし、5社6社だと連絡の管理だけで疲れ果てるから。3社くらいが、比べられるけど抱えきれる、ちょうどいい数でした。
使い方は、メインを1社決めて(わたしはMCナースネット)、残りは比較用にする感じ。同じ「日勤のみ」で頼んでも、3社で出てくる求人が本当にバラバラなんです。比べたから、メインの担当さんが持ってきてくれた求人が「これは良い」って確信できました。
②「日勤のみ」を絶対条件にした

ここが1回目の失敗の核心です。前回わたしは「夜勤少なめで」とお願いして、痛い目を見ました。「少なめ」の基準が、わたしと担当者でまったく違ったんです。
だから2回目は、言い方を変えました。曖昧な言葉を全部消して、数字で言い切ったんです。
- ❌「夜勤少なめがいいです」… 基準が人によってバラバラ
- ⭕「夜勤ゼロ・日勤のみで」… 解釈の余地がない
- ⭕「どうしてもなら月◯回まで」… 上限を数字で伝える
「1回もできません」なんてワガママかな、と最初は言いにくかったです。でも、譲れない1点だけは、嫌われてもいいから言い切る。ここを濁すと、求人の幅は広がるけど、また同じ後悔をします。
③ 1回目の失敗を全部正直に話した

これ、勇気がいるんですけど、いちばん効きました。「前の転職で、夜勤回数の確認を怠って失敗しました」って、隠さずに全部話したんです。
正直、2回目で「また失敗した人」って思われたくない気持ちはありました。でも、隠して当たり障りのない希望だけ伝えても、結局また似たような求人を出されるだけなんですよね。
MCナースネットの担当の方は、それを聞いて「では今回は、夜勤の有無を事前に必ず確認してから紹介しますね」と言ってくれました。わたしの失敗を踏まえて、紹介の精度を上げてくれたんです。失敗談こそ、いい担当者にとっては一番のヒントになる。だから、カッコ悪くても全部話したほうがいいです。
最終的に決めた職場は、MCナースネットが(派遣で日勤を試したあと)紹介してくれた総合病院の内科外来でした。
転職してから

内科外来に移って1ヶ月が経った頃、気づいたことがあります。
日曜の夜が怖くないんです。
7年間、日曜の夕方になると「次の夜勤はいつか」「何時に起きなきゃいけないか」を頭の中で計算していました。気分が沈む、というより、ぼんやり重くなる感じ。それが、なくなっていた。
はじめて気づいたとき、なぜ泣きそうになったのか自分でもよくわからなかったです。ただ「これが普通の日曜の夜なんだ」と思ったら、目が熱くなりました。
体の変化も大きかったです。睡眠が整って2ヶ月くらいで、肌の状態が戻ってきました。生理も規則的になった。7年間じわじわと崩れていたものが、戻ってくる感じ。
年収は370万から430万になりました。60万のアップです。日勤のみで夜勤手当がなくなるので下がるかもと思っていたんですが、転職先の基本給が高かったこともあってプラスになりました。エージェントが年収交渉もしてくれたのが大きかったです。自分では言いにくいことを代わりにやってもらえる、というのが正直一番ありがたかった。
このブログを始めた理由

後輩から「夜勤がしんどくて転職を考えてる」というLINEが来たんです。
返信しながら、「あのとき誰かに教えてもらっていたら」と思いました。エージェントの使い方、条件確認の仕方、1社だけで動くとどうなるか。わたしが失敗から学んだことが、そのままその子に必要な情報でした。
それで書こうと思いました。
成功談だけを書くつもりはないです。1回目の失敗、「8回程度」を確認しなかった話、エージェント1社で動いた話。カッコ悪いこと全部書きます。
同じように夜勤で消耗している誰かが、わたしより遠回りしないでほしい。それだけです。
このブログで、絶対に曲げないこと

せっかくなので、わたしがこのブログを書くうえで「絶対に曲げない」と決めてることも、書いておきます。
- 成功談だけじゃなく、失敗もカッコ悪いことも全部書く
- 不安をあおって登録させるようなことはしない
- 「わたしが本当に良かった」と思えたものだけをすすめる
世の中には「今すぐ辞めなきゃヤバい」みたいに転職をあおる記事も多いです。でもわたしは、読んでくれた人が焦って動いて、また後悔するのだけは避けたい。だから、今は動かないほうがいい人には「無理に転職しなくていい」ってちゃんと書きます。
わたしが伝えたいのは「転職しよう」じゃなくて、「あなたには、選べる道があるよ」ということ。それだけは、何があってもブレません。
今、夜勤がしんどいあなたへ

もし今、夜勤明けに鏡を見るのがつらかったり、日曜の夜が怖かったりするなら——それ、あなたが弱いからじゃないです。
わたしも7年間、「急性期だから仕方ない」「みんな頑張ってるんだから」って自分に言い聞かせてました。でも、体が先に壊れてからじゃ遅いんですよね。深夜の点滴の前で意識が遠のいたあの日、もっと早く動いていればって、今でも思います。
辞めることも、環境を変えることも、逃げでも負けでもないです。自分の人生を、自分の手に取り戻すだけ。
すぐ転職しなくてもいいんです。でも「自分に選べる道があるのか、ちょっと調べてみる」くらいは、しんどい今のうちにやってみてほしい。あの頃のわたしに言ってあげたいのは、ただそれだけです。
よくある質問
- 夜勤をやめたいと思ったきっかけは何だったんですか?
-
決定打は、夜勤明けの帰り道で信号待ちしてるのに記憶が飛んでた瞬間でした。あれ、わたし今ちゃんと立ってた?みたいな。それまでも体はしんどかったんですけど、これは続けたら自分が壊れるなって、そのとき初めてちゃんと思いました。
- 夜勤をやめたら収入はどれくらい下がりましたか?
-
これ意外に思われるんですけど、わたしの場合はむしろ上がりました。夜勤手当がなくなるぶん下がると覚悟してたんですが、基本給が高めの職場を選べたのと、エージェントが年収交渉までしてくれたおかげで、結果的に370万から430万に。
もちろん夜勤手当頼みだった頃にくらべると心細く感じる月もあるけど、体調をくずして休む回数が減って、トータルではプラスでした。お金だけじゃ測れない部分も含めて、納得してます。
- 夜勤をやめることを職場に言い出すのは気まずくなかったですか?
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めちゃくちゃ気まずかったです。師長に相談するまで何日も悩んだし、迷惑かけるなって罪悪感もすごくありました。でも、いざ言ってみたら案外あっさりで、もっと早く言えばよかったかもって。一人で抱えてた時間のほうがしんどかった気がします。
- 夜勤なしの働き方だと看護スキルは落ちませんか?
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急性期みたいな処置の多さは確かに減りました。でも、わたしが移った先では患者さんとじっくり関わる時間が増えて、別の意味でのスキルが育った感じがします。スキルが落ちる、というより使う筋肉が変わる、みたいな感覚かも。そこを物足りなく感じる人もいるとは思います。
- 夜勤をやめたあと、生活リズムはすぐに戻りましたか?
-
わたしは戻るのに1ヶ月以上かかりました。長く夜勤やってると体が昼夜逆転に慣れちゃってて、夜にちゃんと眠れるようになるまで時間がかかったんです。最初の数週間は逆に眠れなくて焦ったんですけど、焦らず朝に日光浴びてたら少しずつ整いました。
- 夜勤をやめて後悔したことはありますか?
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正直まったくないと言ったら嘘になります。収入のことだったり、夜勤メンバーの一体感みたいなのが懐かしくなる瞬間はあります。でも、朝ごはんをちゃんと食べて夜にちゃんと眠れる生活に戻れたことを考えると、わたしにとっては辞めてよかったほうが大きいです。
- 夜勤なしの求人ってそんなに見つかるものですか?
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思ってたよりはありました。クリニックとか訪問看護、健診センターあたりは日勤中心のところが多いです。ただ、人気だからか給料が病棟より下がる求人も多くて、そこは見極めが必要かなと。わたしも何件か比べて、生活費と相談しながら決めました。
- 夜勤がしんどいのは甘えなんじゃないかと思ってしまいます。どう考えればいいですか?
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わたしもずっとそう思って自分を責めてました。みんなやってるのに、って。でも、夜中に働くこと自体が体に負担なのは当たり前なんですよね。しんどいって感じる自分の感覚を、甘えで片づけなくていいと思います。無理して倒れてからじゃ遅いので。
- 夜勤をやめる前に、まず試したほうがいいことはありますか?
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いきなり辞めるのが不安なら、夜勤の回数を減らせないか師長に相談してみるのはありかもです。わたしは結局フルでやめたんですけど、月の夜勤を減らすだけでも体は少しラクになりました。あと、辞める前提じゃなくても求人を眺めておくと、逃げ道がある安心感で気持ちが軽くなりますよ。
- 夜勤をやめたら、夜勤を続けてる同僚との関係は変わりましたか?
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気まずくなるかなと心配してたんですけど、思ったほどではなかったです。もちろん、シフトで顔を合わせる機会は減ったので少し距離はできました。でも、本当に仲のいい人とはプライベートで続いてるので、関係が壊れるみたいなことはなかったかな。そこはあんまり気にしすぎなくていいと思います。

