玄関で靴を履いたまま、動けなくなったことはありませんか。準夜の出勤前です。
胃の奥がぐるぐるして、心臓だけ速い。
先に言っておきます。夜勤前の吐き気は、気持ちの弱さではなく体の反応です。
行きたくないと思う前に、体のほうが先に拒否しています。
わたしはあさこ。
- 急性期の内科外科混合病棟で7年
- 6年目の秋に始まった
- 冬前には準夜の日はほぼ毎回
- 実際に吐いたのは2回
この記事では、次のことを書きます。
- 吐き気が出る理由
- 今日出勤するか休むかの線引き
- 受診の目安
- 夜勤を減らすまでの順番
いま出勤前で、原因の話を読む余裕がない人もいると思います。先に今日の判断だけ書きます。
- 吐いた・立てない→休む
- 動悸だけ→少し食べて様子見
- 迷ったら早めに連絡する
連絡は遅くなるほど職場も自分もつらくなります。迷っている時点で、いったん電話していいです。
伝え方は今日休む選択肢を持つにそのまま使える文を置きました。
看護師が夜勤前に吐き気や動悸を起こす4つの理由

まず、体で何が起きているのかを整理します。原因が分かると、対処する場所も決まります。
ひとつずつ見ていきます。
予期不安で交感神経が上がる
いちばん多いのがこれです。夜勤そのものより、これから起きることを想像して体が構えてしまう状態です。
急変が続いた月、受け持ちが重い日、苦手な先輩と同じ勤務。過去に嫌な思いをした場面が記憶に残っていると、同じ時間帯が近づくだけで体が反応します。
動悸・吐き気・下痢・手の震え。順番はちがっても、出るものは似ています。
出勤の何時間前から出るかを1週間メモすると、自分のパターンが見えます。
あさこわたしは準夜の出勤前、玄関で靴を履いたタイミングでした
睡眠のリズムが崩れている
3交代だと、寝る時間が毎日ちがいます。準夜の前に無理やり昼寝をして、変な時間に起きて気持ち悪い。
よくある流れです。
寝不足だと胃腸の動きも落ちます。そこに緊張が乗るので、吐き気として出やすくなります。
ちなみに、昼寝は90分か、20分。中途半端な40〜60分がいちばんつらいです。
食事の時間がずれている
気持ち悪いから食べない、を続けると余計に悪くなります。空腹だと胃酸だけが出て、吐き気が強くなるからです。
準夜の前に何も入れず、深夜に菓子パンだけ。そういう食べ方になりがちです。
これだと体重も増えやすくなります。
逆に、少しでも食べてから行くほうが楽になる人は多いです。気持ち悪いから食べない、が悪循環を作ります。



食べられないなら、飲むゼリーで大丈夫です
原因が職場そのものの場合
ここが大事なところです。休みの日は元気なのに、出勤の日だけ症状が出るなら、原因は体ではなく職場にあります。
原因が職場にある場合は、たとえばこんなときです。
- 人員が足りない
- 夜勤の回数が多い
- 特定の人がいる
この場合、寝方を工夫しても根っこは変わりません。
わたしの病棟は月10〜12回の夜勤でした。準夜6回・深夜6回の月もあって、体が元に戻る前に次が来る状態です。
体調管理でどうにかしようとするほど、自分を責めてしまいます。しんどさの正体を職場側に置いていい場面もあります。
くわしくは夜勤がしんどいのは甘えじゃない話に書きました。
夜勤前に吐いた日のわたしの記録(6年目の秋)


ここからは、わたしに起きたことをそのまま書きます。同じ状態の人の参考になればと思います。
順番にどうぞ。
玄関で靴を履くと吐き気
最初は月に1回くらいでした。準夜の前、支度を終えて靴を履いた瞬間に、胃の奥がひっくり返る感じがする。
冬が近づく頃には、準夜の日はほぼ毎回になりました。実際に吐いたのは2回です。
そのころには、準夜明けの朝に洗面台で自分の顔を見るのも嫌になっていました。
それでも休まずに出勤していました。
休めば、誰かが代わりに出ることになる。その重さが、いちばん人を追い込みます。
生理が3か月止まった
そのころ、生理が3か月止まりました。生理不順は前からあって、婦人科では「夜勤のストレスが影響しているかも」と言われていました。
看護師なのに、自分の体のサインだけは見ないふりができるんですよね。患者さんの数値には何時間でも向き合えるのに。
夜勤と体の変化の関係は夜勤で自律神経が乱れたときのサインと整え方にまとめています。
内科では薬が出なかった
吐き気がまだ月に1回くらいだった秋のうちに、一度だけ内科を受診しました。でも口から出たのは「最近眠れなくて」だけでした。
「自律神経ですね」と言われて、薬は出ませんでした。
はっきりした病名がつかないと、じゃあこの吐き気は何なんだと思ってしまう。
いま振り返ると、夜勤の前だけ吐き気が出ることも、月の夜勤回数も、医師に伝えていませんでした。燃え尽き症候群で退職を考える看護師が受診で伝えたいことは、別にまとめました。



病名がつかない=大丈夫、ではないです
師長に言えなかった理由
6年目の秋の面談で、夜勤を減らしてほしいと言うつもりでした。でも口から出たのは「来年度も病棟で頑張ります」でした。
「夜勤ができない看護師」だと認めるのが、怖かったんだと思います。



吐き気のことも、言えないままでした。
面談の帰り、コンビニでアイスを買って、駐車場の車の中で食べながら泣きました。
院内の日勤部署への異動希望も、一度も出さないまま辞めました。いまも、試さなかった選択肢として残っています。
夜勤前に行きたくない日の応急処置5つ


今日の出勤が目の前にある人向けの話です。根本解決は後半に書きます。
上から順にどうぞ。
胃に少しだけ何か入れる
食べられないときでも、空っぽで行くのがいちばんきついです。おかゆ、バナナ、ゼリー飲料。
固形が無理ならそれで十分です。
冷たいものは胃を刺激するので、常温か少し温かいものにしてください。夏でもです。
出勤前の行動を固定する
体が反応するのは、出勤という流れ全体に対してです。だから流れをいつも同じにすると、少し落ち着きます。
- 起きる時間を毎回同じに
- シャワーを浴びてから支度
- 同じ音楽を1曲だけ聴く
- 支度の順番を変えない
効果は劇的ではないです。でも「何をしても不安」の状態からは抜けやすくなります。
吐き気止めの前に受診
職場の薬をもらって飲む、はやめたほうがいいです。看護師だとやりがちですが、原因が分からないまま症状だけ消すことになります。
行くなら心療内科か、まずはかかりつけの内科でもいいです。出勤の日だけ症状が出ることを、必ずそのまま伝えてください。
ここを言わないと、わたしのように「自律神経ですね」で終わります。
今日休む選択肢を持つ
吐いている人が働く現場は、患者さんにとっても安全ではありません。これは自分を守る話であると同時に、事故を防ぐ話です。
連絡は「体調不良で本日の勤務が難しいです」で十分です。症状を細かく説明する義務はありません。
電話の中身はこれだけで足ります。震えていても読めるように、そのまま置いておきます。
- 誰に:師長か当日の責任者
- いつ:勤務開始の2時間前まで
- 何を:休みたいことと今の状態
- ひと言:次の勤務は出る予定です
「体調不良で本日の準夜をお休みさせてください。朝から吐き気が続いています。次の勤務は出る予定です」。この3文でじゅうぶんです。
代わりの調整は職場の仕事なので、こちらから探す必要はありません。
休んだ翌日の空気が怖い、という気持ちはよく分かります。でも実際は、1日休んだくらいで人の評価は変わりません。
変わるとしたら、その職場のほうに問題があります。



休みの連絡は、早いほど職場も調整しやすくなります
誰か1人に言っておく
同期でも、友人でも、家族でもいいです。1人でいいので、いまの状態を知っている人を作ってください。
誰にも言わないままだと、限界のラインが自分でも分からなくなります。わたしがそうでした。
休んで戻る人・戻らない人の線引き


数日休めば戻る状態と、休んでも戻らない状態があります。ここを見ておくと、次の判断が早くなります。
順に見ていきます。
休めば戻るときのサイン
連休の2日目には食欲が戻る。休みの日は普通に出かけられる。
夜は寝られている。このあたりが残っていれば、まだ回復力があります。
この段階なら、夜勤の回数を減らす交渉と生活の立て直しで持ち直せる人が多いです。
戻らないときのサイン
- 休みの日も気分が晴れない
- 眠れない日が2週間以上続く
- 生理が止まる
- 趣味がどうでもよくなる



わたしはこの状態で、深夜勤の輸液の準備中に意識が遠のきました。
先輩に「大丈夫?」と声をかけられて、我に返りました。
ここまで来たら、頑張る対象は仕事ではなく生活のほうです。休職も選択肢に入ります。
手順は看護師の適応障害かもと思ったときの休職の進め方にまとめました。
吐き気より先に、眠れないほうから始まっている人も多いです。前の日から寝つけない状態が続いているなら、夜勤前に眠れない原因の切り分け方を先に読んでもらえたらと思います。
診断書を書いてもらう目安
夜勤の免除や配置転換を職場に頼むとき、口頭だけだと通りにくいのが現実です。診断書があると話が進みます。
受診のときに「夜勤で症状が出ています」と伝えれば、医師のほうから提案してくれることもあります。もらうかどうかは、そのあと決めれば大丈夫です。
「診断書を出したら夜勤ができない人だと思われる」と心配する人は多いです。でも実際は、体調を隠して働き続けて事故を起こすほうが、はるかに大きく響きます。



出す時期と範囲は、医師と相談して決められます。
夜勤前の吐き気を根本から消す順番


ここからが本題です。順番をまちがえると、しんどい時期が長くなります。
上から順に、負担が軽い順です。
師長への伝え方を変える
「夜勤がつらいです」だと、たいてい「みんなつらいよ」で終わります。
伝えるなら症状と事実だけにしてください。「出勤前に吐き気と動悸が出ていて、先月から2回吐いています。受診も予定しています」。
感情ではなく記録で話すと、断りにくくなります。
相談ではなく報告の形にするのがコツです。相談だと「様子を見よう」になります。
夜勤免除が使えるか確認
妊娠・育児・介護の事情がある人は、法律の制度として夜勤の免除や制限を求められます。該当するなら遠慮する場面ではありません。
該当しない場合も、健康状態を理由にした勤務の調整は病院ごとの規定であることが多いです。就業規則を一度見てください。
見るポイントは、夜勤回数の上限が書いてあるかどうかです。書いてあるのに守られていないなら、それは交渉の材料になります。
派遣で日勤を先に試す
夜勤をやめたいのに動けない人は、たいてい「日勤だけで暮らせるのか」が分からないから止まっています。
わたしがやったのは、いきなり正社員を探さず、次の順番でした。
- まず派遣で日勤の職場を体験する
- 合うと分かって同じ担当の紹介で正社員に
使ったのはMCナースネットで、派遣も単発も紹介も同じ窓口で扱っているので、体験してから決められました。
ひとつ正直に書いておくと、これは在職中には難しいです。多くの病院は掛け持ちを認めていないので、わたしが試したのも、1回目の転職先を辞めたあとでした。
いま働きながら動くなら、まず情報だけ集めておく形になります。
わたしの場合は、結果として年収が上がりました。日勤のみで夜勤手当なしなのに、です。
| 年収 | |
|---|---|
| 夜勤あり(病棟) | 370万円 |
| 日勤のみ | 430万円 |
ただ、これは基本給の高い職場に移れたからで、誰でも上がるわけではありません。



正社員を決める前に試せたのが、いちばん救いでした
動くのは体力が残るうち
転職活動は、それ自体に体力を使います。面談も見学も、休みの日にやることになるからです。
完全に潰れてから動こうとすると、条件を確認する気力もなくなります。
わたしの1回目の転職は、入職日を2月から4月にずらしてもらった負い目もあって、条件を確認しきれないまま決めて失敗しました。
「夜勤少なめ」の定義を確認せずに入って、夜勤8〜10回で何も変わりませんでした。
まだ吐き気で済んでいるうちが、いちばん条件を選べる時期です。
夜勤前の吐き気と「行きたくない」に関するよくある質問


- 夜勤前の吐き気は病気ですか?
-
検査で異常が出ないことが多いです。ただ症状がある以上、放置していい状態ではありません。
出勤の日だけ出るかどうかを医師に伝えてください。
- 夜勤前に行きたくないと思うのは甘えですか?
-
甘えではありません。吐き気や動悸は自分で止められない体の反応です。
気持ちで解決しようとするほど長引きます。
- 吐き気があるとき、当日に休んでもいいですか?
-
いいです。体調不良で勤務が難しいと伝えれば十分です。
症状を細かく説明する義務はありません。
- 何科を受診すればいいですか?
-
心療内科が向いています。内科でも構いませんが、出勤の日だけ症状が出ることを必ず伝えてください。
わたしは伝えず、「自律神経ですね」で終わりました。
- 師長に夜勤を減らしてほしいと言っても大丈夫ですか?
-
大丈夫です。感情ではなく症状と回数を事実として伝えると通りやすくなります。
診断書があるとさらに進みます。
- 夜勤前の吐き気はどれくらいで治りますか?
-
原因が職場にある場合、環境が変わらないと消えにくいです。わたしの場合は、日勤のみになってから日曜の夜が怖くなくなりました。
- 夜勤を減らすと収入はどれくらい下がりますか?
-
夜勤手当の分は下がります。ただ基本給の高い職場に移ると相殺できます。
わたしは日勤のみで370万から430万に上がりました。
- 日勤だけの職場は本当にありますか?
-
外来、クリニック、健診、企業などがあります。まず派遣や単発で1日だけ入ってみると、想像と現実の差が分かります。
- 辞める前にやっておくことはありますか?
-
絶対に外せない条件を紙に書いてください。「夜勤なし」だけでなく「月何回までなら可」まで数字にすると、求人の見え方が変わります。
- 夜勤前の吐き気を放っておくとどうなりますか?
-
わたしの場合は勤務中に意識が遠のくところまで行きました。事故につながる前に、回数を減らすか環境を変える判断が必要です。
まとめ:夜勤前の吐き気は、体が先に言っている


夜勤前に吐き気がして行きたくないのは、意志の問題ではありません。体が先に限界を伝えているだけです。
夜勤に出る前、靴を履いたとたん吐き気が来たら、『夜勤前に行きたくない日の応急処置5つ』だけ読んでください。休むか迷う日は、『休んで戻る人・戻らない人の線引き』が決める手がかりになります。出勤前の数分で開けるよう、すぐ見つかる場所に置いておいてください。
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あらためて、この記事の内容をまとめます。
- 出勤の日だけ出るなら職場が原因
- 空腹で行くのがいちばんきつい
- 吐き気止めより先に受診する
- 師長には症状と回数を報告する
- 日勤は派遣で先に試せる
わたしは面談で言えないまま、その冬に勤務中に意識が遠のくところまで行きました。
辞めるかどうかを決める前に、日勤を1日だけ体験してみてください。派遣で1日入るだけで、頭の中の「無理かも」がだいぶ小さくなります。
MCナースネットの評判とわたしの使い方もよければどうぞ。
今日の出勤が無理そうなら、まず休んでください。明日のことは、明日の自分に任せて大丈夫です。








