転職して半年で辞めたいと思うのは、甘えではないです。体や気持ちに不調が出ている、聞いていた条件と事実が違う、上に伝えても何も動かない。このどれかなら、半年でも離れることを考えていいと思います。
逆に、先月より指摘が減っている、聞けば答えてくれる人が1人いる、夜は眠れている。こちらなら、決める前にあと1つ確かめる余地があります。
今日もまた同じ人に同じ調子で言われて、帰り道にこの言葉を打った。前の病院ならできていたのに、と考えてしまう。そんな夜かもしれません。
わたしは急性期の病棟に7年いて、そのあと移った別の急性期病院を1年で辞めた看護師のあさこです。半年で辞めた人ではありません。なので、転職して半年の看護師の相談を13件読んで型に分け、型ごとに「あと何を確かめたら決められるか」を並べます。
\最初にこの記事の結論/
「看護師が転職して半年で辞めたい」を相談13件で分けた7つの型
転職して半年の「辞めたい」は、読んだ13件ではいちばん多い理由が人の当たりでした。先に、数え方と、同じ立場の人がどれくらい辞めているかを置きます。
順番に見ていきます。
13件の数え方と7つの型
読んだ13件を分けると、人の当たりが8件、体や気持ちに出ているが6件でした。知恵袋12件と発言小町1件、2014年から2026年の投稿です。数えたのは、次の3つがそろう相談だけです。
- 看護師本人が書いている
- 転職や中途で入って半年前後
- 辞めたい、退職を考えている・決めた
「半年前後」は、本人が半年、半年近く、5〜8か月と書いているものです。半年で辞めたあと、次の職場から書いている相談も1件入っています。新卒で入って半年の人の相談は入れていません。
| 型 | 件数 | 中身の例 |
|---|---|---|
| 人の当たり・指摘がきつい | 8件 | 特定の先輩、上司の面談、のけ者 |
| 体や気持ちに出ている | 6件 | 泣いて帰る、眠りにくい |
| 覚えられない・教わっていない | 5件 | 抜けが出る、教育がほぼない |
| 前の職場と比べる・戻りたい | 4件 | 看護方式の違い、出戻りの誘い |
| 聞いていた話や体制と違う | 3件 | 教育の説明、人が減った、未払い |
| 慣れたのに続ける理由がない | 2件 | 慣れてきたのに先が見えない |
| 辞めると言ったのに止められる | 1件 | 紹介料を理由に認めない |
1つの相談がいくつかの型に入るので、合計は13になりません。いちばん多かったのは人の当たりで、13件中8件でした。職場の全体というより、特定の1人から数人のことを書いている相談が目立ちます。
あさこ読む前は「聞いていた条件と違う」がいちばん多いと思っていたので、8件が人の話だったのは意外でした。
わたしの1回目の転職は、聞いていた夜勤の回数と入ってからの回数が違った、という形でした。でも、この13件に夜勤の回数の食い違いを書いた人は1人もいません。13件は相談サイトに書いた人の声なので、看護師全体の割合ではなく「こういう型がある」という地図として見てください。
既卒採用の16.1%が年度内に退職
転職して入った人が早く辞めるのは、珍しいことではありません。日本看護協会の2025年 病院看護実態調査を開くと、既卒で採用された人の16.1%がその年度のうちに辞めていました。
| 採用の区分 | 年度内の離職率 | 見方 |
|---|---|---|
| 既卒採用 | 16.1% | 6人に1人ほど |
| 新卒採用 | 8.4% | 既卒のおよそ半分 |
2024年度の実績で、回答した3,440病院の数字です。既卒採用者という言葉の説明は資料にありませんが、転職で入った人がおおむねここに入ると読めます。
半年ちょうどの数字ではなく、辞めた理由も載っていません。でも、転職先を1年たたずに離れる人がこれだけいることは、甘えかどうかで自分を責める前に知っておいていい数字だと思います。
半年は「慣れたころ」とは限らない
「半年もたつのに」と自分を責める人がいますが、半年で慣れると決まっているわけではありません。慣れるまでの期間の公的な数字も、見つけられませんでした。
病院から病院へ移った人の「慣れるまでどれくらいか」という質問には、「半年から1年」という回答がついていました。受け入れの形ができていない職場も多い、とも書かれています。
13件のうち6件は、仕事の中身ごと変わる転職でした。病院から訪問看護へ、慢性期から急性期へ、病棟から美容外科へ、といった移り方です。経験が何年あっても、その分野では1年目です。
病院に11年いて訪問看護へ移り、6か月で退職が決まった方は、指摘が続いて看護師の自信までなくしたそうです。
半年という数字は、慣れていない自分を責める物差しに使われがちです。物差しにするなら月日ではなく、先月の自分とくらべて何が変わったかのほうが役に立ちます。次の章で、型ごとにそれを確かめる方法を書きます。
6つの型ごとに、決める前に確かめること1つ
型が分かると、確かめることは1つにしぼれます。先に一覧を置きます(目安は公的な基準ではなく、わたしが置いたものです)。
| 型 | 確かめること | 目安 |
|---|---|---|
| 人の当たり | 上に伝えて1つでも動くか | 次の勤務表が出るまで |
| 覚えられない | 先月より指摘が減ったか | 数えて1か月 |
| 聞いた話と違う | 紙に残る言葉と数字 | 聞いて2週間ほど |
| 前と比べる | やり方か、大事にしたいことか | 書き出したその日 |
| 慣れたのに先が見えない | 前に離れたかったものが残るか | 書き出したその日 |
| 体に出ている | 受診と相談が先 | 待たない |
7つ目の「止められる」は、辞めると決めたあとの章で書きます。
順番に見ていきます。
人の当たりは「上が動くか」
人の当たりがきつい型で確かめるのは、相手が変わるかではなく、上に伝えたときに職場が1つでも動くかです。相手の性格は変えられませんが、勤務の組み方や指導の担当は変えられるからです。
クリニックに転職して半年の3年目の方は、ミスが出ると患者さんの前で怒鳴られ、質問しても怒られる、と書いていました。こんなことで辞めたいと思うのはおかしいでしょうか、とも。
おかしくないと思います。この相談への回答は、一度は雇用主に伝えて、その対応を見てから考えては、というものでした。確かめることを並べます。
- 相手は1人か、職場の全体か
- その人が理由で辞めた人はいるか
- 師長や院長に1回伝えたか
- 伝えたあと何か1つ変わったか



半年がまんした人ほど「いまさら言えない」となりがちですが、言わないまま辞めると、次の面接で理由を聞かれたときに説明しにくくなることがあります。
伝える文は短くて足ります。勤務表が出る前に伝えると、次の月から変えてもらいやすいです。
「◯◯さんと同じ勤務の日に、患者さんの前で強い言い方をされることが続いています。ペアや夜勤の組み合わせを考えてもらえますか」
目安は、伝えてから次の勤務表が出るまでです。伝えても何も変わらない、伝える相手がそばにいないなら、半年でも離れることを考えていいと思います。
小さな職場に移って半年近くの2年目の方は、いちばん上の人と合わずに辞める人が続いている、と書いていました。師長は別の施設にいて、この方はもう退職の書類を出していました。
相手が特定の先輩1人で、言われる中身は当たっている、という場合は話が変わります。
慢性期から急性期へ移って5か月目の2年目の方は、ある先輩と組む日は帰って大泣きする、と書いていました。そのあと、注意されたとおりに直したらできるようになったこともあるので、ついて行ってみる、と返事をしています。
中身は当たっているのに言い方だけがつらい、というときの受け止め方は、看護師の先輩がきついときの記事に書きました。
覚えられないは指摘を数える
覚えられない型で確かめるのは、先月より指摘が減っているかです。「まだ言われる」と感じていても、数えてみると中身が変わっていることがあります。
1週間だけ、言われたことをメモして2つに分けてみてください。
- その職場だけの決まり
- 手技や判断そのもの
上が多いなら、足りないのは力ではなく、その職場の地図です。物の場所、書類の流れ、申し送りの形は、聞いて書けば減っていきます。下が毎日続くなら、分野が合っていないのか、教える人がいないのかを見ます。
透析クリニックに移って8か月の6年目の方は、覚えても別の指導が入ると抜けてしまう、と書いていました。半ば見捨てられたと感じてほかの透析施設の内定をもらい、先輩の「逃げるなよ」で迷っている、とも。
この相談には、見捨てた相手にはそもそも声をかけない、という回答がついていました。目安は1か月です。1か月数えて減っていない、聞ける人が1人もいないなら、教わる形のある職場へ移るのは逃げではないと思います。
教えてもらえないこと自体がつらい人は、看護師が中途で放置されたときの聞く順番も使えます。
聞いた話と違うなら紙を見る
聞いていた話と違う型で確かめるのは、その話がどこに、どんな言葉で残っているかです。労働条件通知書、雇用契約書、求人票の画面、担当者とのメールを出してみてください。
病院に8年いて治験コーディネーターへ移り半年の方は、教育に力を入れると聞いたのに、ほぼ無視の状態だったそうです。同じ時期に入った人は、丁寧に教わっている、と書いていました。
「力を入れている」「少なめ」のような言葉は、紙に残っていても数字がありません。労働基準法の第15条では、明示された労働条件が事実と違うとき、働く側はすぐに契約を解除できるとされています。当てはまるかどうかは、明示された中身しだいです。
急性期に5年いたあと移った訪問看護を、給料の未払いなどで半年で辞めた方もいました。次の病院も聞いていた話と違い、転職サイトで話がどんどん進んで引くに引けなかった、と書いています。
給料が払われないのは、がまんして様子を見る話ではないです。条件の食い違いは、まず数字で聞いて、数字で返ってくるかを見ます。目安は、聞いてから返事が来るまでの2週間ほどです。
夜勤の回数が違った場合の聞き方は、看護師の求人の夜勤回数が嘘に見えるときの記事に文面ごと置きました。
前と比べるなら違いを分ける
前の職場と比べてしまう型で確かめるのは、違うのが「やり方」なのか、「大事にしたいこと」なのかです。やり方の違いは時間で埋まります。大事にしたいことの違いは、半年たっても1年たっても残ります。
中途で入って半年の8年目の方は、前はプライマリーナーシングで、入院から退院後の生活まで受け持っていた。いまはチームナーシングで違和感があり、経験は見てもらえず、毎日辞めたいと思う、と書いていました。
物の置き場や記録の書式はやり方です。患者さんとの関わり方そのものが違うのは、大事にしたいことのほうに入ります。後ろが多いなら、慣れの問題ではないかもしれません。
前の職場に戻る、という道を考えている人もいました。13件の中には、辞めて3か月後に前の職場の看護部長から「戻ってこないか」と連絡をもらっていた方がいます。戻るか迷うなら、戻りたいのは前の職場なのか、自信があったころの自分なのかを分けてみてください。
自信のほうなら、いまの職場で指摘が減っても満たされます。職場のほうなら、前の職場を辞めた理由がいまも残っているかを先に確かめます。
慣れたのに先が見えないとき
慣れたのに辞めたい型で確かめるのは、転職する前に離れたかったものが、いまの職場にも残っていないかです。残っているなら、変えるのは職場ではなく、働き方や分野のほうかもしれません。
転職して半年、前と何もかも違って毎日泣いていたけれど、環境にも人にもだいぶ慣れた、という方がいました。でも、このプレッシャーで働き続けると思うと先が見えなくなり、上司に退職の意向を伝えたそうです。
この型は、人も仕事もそこまで悪くないぶん、まわりに説明しにくいです。前の職場を辞めた理由を1つだけ書いて、いまの職場でそれがどうなっているかを横に書いてみてください。よく並ぶのは、たとえばこんな言葉です。
- 夜勤
- 急性期の重さ
- 休みの少なさ
同じ言葉が両方に並ぶなら、次も同じ形の職場を選ぶと同じことが起きやすいです。
わたしが1回目の転職で選んだのも、前と同じ急性期の病院でした。そこを離れたあとにどう選び直したかは、あとの章に書きます。
体に出ているなら待たない
体や気持ちに出ている型は、確かめる前に手当てが先です。13件のうち6件が、泣きながら帰る、眠りにくい、体調のよくない日が続く、といったことを書いていました。6件のうち5件は、人の当たりや指摘のことも一緒に書いていました。
この型だけは、期間の目安を置きません。次のようなことが続いているなら、続けるか辞めるかを決める前に、受診や相談を先にしてください。
- 眠れない日が続いている
- 出勤の前に吐き気や動悸がある
- 食事がとれない
- 休みの日も涙が出る
- 消えてしまいたいと思う
これは診断の基準ではなく、相談していい合図として並べたものです。わたしは病棟にいた6年目、準夜の出勤前に吐き気と動悸が出ていました。でも内科で言えたのは「最近眠れなくて」だけで、夜勤の前だけ出ることも、月の夜勤の回数も伝えていません。
転職して半年の人なら、受診の前に次の3つを紙に書いて見せてください。口で言えなくても、紙なら渡せます。
- 入職した月
- 症状が出はじめた月
- どの勤務・誰と組む日の前か
話す相手がいないときは、厚生労働省の働く人向けのこころの耳電話相談があります。受付は平日が17時から22時、土日が10時から16時で、祝日と年末年始はお休みです。
消えてしまいたい気持ちが強いときは、まもろうよ こころに電話やSNSの窓口がまとめられています。
6か月・12か月・1年、転職して半年の前後で変わる制度の線
「あと何か月いるか」を考えるとき、気持ちとは別に、半年の前後で変わる決まりがあります。条文とハローワークのページで確かめたもの(2026年10月9日)だけを書くので、自分の判定は窓口で確かめてください。
順番に見ていきます。
入職6か月で有給が10日つく
転職して半年は、有給休暇がつく時期です。労働基準法の第39条では、雇い入れから6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に10労働日の有給休暇がつきます。
転職を経験した看護師の方の回答には、入職して半年は有給がつかず、5連勤ばかりで体がきつかった、とありました。
半年まで休みなく走ってきて、いちばん疲れているころに、やっと使える休みがつく、ということです。使い道を並べます。
- 平日に受診する
- 何もしない日を1日つくる
- 総合労働相談コーナーに行く
- ほかの職場を見学する



辞めるかどうかを連勤の5日目に決めないでほしい、というのがこの章でいちばん言いたいことです。
法律より早く有給をつけている職場もあります。自分の有給がいつ、何日つくのかは、就業規則を見るか、人事に聞けば分かります。週の勤務日数が少ない働き方だと日数が変わるので、パートの人も人事に聞いてください。
失業給付は通算12か月が線
半年で辞めると、雇用保険の基本手当(失業給付)は受けられないことがあります。ハローワークの案内では、条件は離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上です。
前の職場の期間が通算に入ることもありますが、前に受給資格を取った人はそれより前を数えません(雇用保険法14条)。
もう1つの線が6か月です。特定受給資格者や特定理由離職者と判断された人は、離職の日以前1年間に通算6か月以上で対象になります。範囲の例です。
- 明示された条件と事実が著しく違う
- 上司や同僚からの著しい冷遇や嫌がらせ
- 体力の不足や心身の障害、病気
当てはまるかどうかを決めるのはハローワークです。1か月と数えるのは、賃金の支払いのもとになった日が11日以上ある月などに限られます。
半年ちょうどで辞めるつもりの人は、退職日を決める前に、ハローワークで自分の月数を聞いておくと安心です。
傷病手当金は続けて1年が線
体をこわして辞める人に関係するのが、健康保険の傷病手当金です。健康保険法の第104条と協会けんぽの案内では、辞めたあとも続けて受けられるのは、次の2つがそろう人です。
- 辞める日まで続けて1年以上加入
- 辞める日に受給中か受給できる
任意継続や共済組合・国民健康保険の期間は、この1年に入りません。転職して半年で辞めると、この1年に届かないことがあります。前の職場の期間とつなげて数えられるかは条文だけでは分からなかったので、加入している健康保険に聞いてください。
体調で働けないときは、辞めてから休むより、在職のまま休めないかを先に確かめる順番がいいと思います。休職の決まりは職場ごとに違い、入職から日が浅いと使えないこともあります。就業規則の休職のところを見るか、人事に聞いてみてください。
「あと何か月」に公的な線はない
「とりあえず1年」「あと3か月」という線に、公的な根拠は見つけられませんでした。あるのは、ここまでに書いた制度の節目だけです。
| 節目 | 変わること | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 入職6か月 | 有給が10日つく | 就業規則・人事 |
| 通算6か月 | 失業給付の対象になる人がいる | ハローワーク |
| 通算12か月 | 失業給付の基本の条件 | ハローワーク |
| 続けて1年 | 辞めたあとの傷病手当金 | 加入している健康保険 |
賞与や退職金は、法律ではなく職場の規程で決まります。支給日に在籍している必要があるか、何年目から出るかは、給与規程で確かめてください。
発言小町の方は、まだ半年なので1年の区切りで辞めるかどうかを決める、と書いていました。区切りを自分で置くのはいい方法だと思います。ただ、区切りまでがまんするのではなく、区切りまでに何を確かめるかを決めておかないと、半年が1年になるだけです。
1年いて辞めたわたしが言えること、言えないこと
わたしは1回目の転職先を、半年ではなく1年で辞めています。半年で迷っている人に、同じ立場のふりをして書くことはできないので、言えることと言えないことを分けます。
順番に見ていきます。
言えるのは3つだけ
1年いたわたしに言えるのは、次の3つです。7年いた病棟を辞めて、別の急性期病院に移ったときの話です。
| 言えること | わたしの場合 |
|---|---|
| 違う条件のまま1年いた | 月8回程度と聞いて実際は8〜10回 |
| つらかったのは認めること | 夜勤より「また選択を間違えた」 |
| 1年で辞めても次はあった | 単発→派遣で日勤→紹介で外来 |
年収は370万円から390万円に上がっていました。それでも「また選択を間違えた」と認めることが、夜勤よりきつかったです。
辞めたあとは無職の期間を単発でつなぎ、派遣で日勤の生活を試してから、紹介で病院の内科外来に入っています。1年で辞めた行は履歴書に残りました。
夜勤の回数を確かめなかった原因もふくめた全体は、看護師の転職で失敗したパターンの記事に書いています。
半年のあなたに言えないこと
半年で辞めたほうがいいかどうかは、1年いたわたしには言えません。言えないことを並べます。
- 半年で辞めたほうがよかったか
- 1年いたから次が決まったのか
- あなたの職場がこの先変わるか
わたしは1年いた道しか通っていないので、半年で辞めた場合とくらべることができません。「1年はいたほうがいい」とも、「早く辞めたほうがいい」とも、自分の体験からは言えないです。



1年いた人が「とりあえず1年」と言うのは、自分の通った道を正しかったことにしたいだけかもしれません。
わたしの場合は、聞いていた回数と入ってからの回数が、違うまま1年がたちました。だから前の章では、期間ではなく「何を確かめるか」を型ごとに書きました。
2回目に変えたのは選ぶ順番
2回目の転職で変えたのは、職場の種類より先に、選ぶ順番でした。1回目は大手のエージェント1社だけに頼って、求人票の「夜勤少なめ」という言葉のまま正社員で入りました。2回目は、正社員で決める前に、先に働いてみる順番にしています。
登録したのはMCナースネットで、2回目はこの順番で進めました。
- 派遣で施設の日勤を体験
- 日勤なら続くと確信する
- 同じ担当から外来を紹介
いまの病院の内科外来(正社員)は、派遣で働いた先とは別の職場です。病院や診療所での看護の仕事は、労働者派遣法の施行令で派遣が原則としてできない決まりです。病棟を派遣で試す使い方は、ふつうできません。
この順番が合わない人もいます。
- いまの職場で続けると決めた人
- 体調を整えるのが先の人
- すぐ正社員の収入がいる人
登録は無料ですが、派遣の求人がどれくらいあるかは地域で変わります。使ってみて感じた気になる点は、MCナースネットの評判の記事に書きました。
辞めると決めたら、半年で損をしない4つの順番
確かめた結果、辞めると決めたなら、言い出す前に4つだけ知っておいてください。退職のルール、紹介料、経歴、次の決め方の順に書きます。
順番に見ていきます。
退職は申し入れから2週間
期間の定めのない雇用なら、退職は申し入れから2週間で成り立ちます。民法の第627条で、申し入れの日から2週間で雇用は終了するとされていて、試用期間かどうかで分けていません。
| 雇用の形 | 辞められる時期 | よりどころ |
|---|---|---|
| 期間の定めなし | 申し入れから2週間 | 民法627条 |
| 期間の定めあり | やむを得ない事由ならすぐ | 民法628条 |
| 職場の決まり | 1か月前・3か月前など | 就業規則 |
現場では就業規則が前に出てきて、「辞めるなら半年前に」と言われた相談もありました。もめそうなら、厚生労働省の総合労働相談コーナーが全国378か所にあり、予約不要・無料です。
わたしが7年いた病院の規則は「1か月前までに退職願」で、引き止めが3回あり、退職は希望より2か月延びました。延びた流れと返し方は、看護師の退職の引き止めの記事に書きました。
紹介料を理由に止められたら
紹介料を理由に止められても、働く側が違約金を約束させられる決まりはありません。13件の7つ目の型です。
紹介会社を通して入った病院で、半年で退職を伝えた方がいました。人事から、お金をかけて紹介してもらったので数年は勤めてほしい、退職は認めない、と言われたそうです。投稿には紹介料100万円とありました。
労働基準法の第16条は、違約金や損害賠償の額を前もって決める契約を、使用者がすることを禁じています。紹介料は病院と紹介会社のあいだのお金の話で、働く人が肩代わりを約束するものではない、というのがわたしの読み方です。



わたしは入職日をずらしてもらった負い目で条件を聞けなかった人間なので、負い目で動けなくなる気持ちはよく分かります。
別の相談には、早く辞めたら損害賠償と言われて、よく分からないままサインした、という方もいました。サインした紙がある人は、自分で有効か無効かを決めずに、その紙を持って総合労働相談コーナーへ行ってください。紹介会社の担当者にも、言われた言葉をそのまま伝えておくと記録が残ります。
半年の経歴は応募先で変わる
半年の経歴が不利かどうかは、辞めた側ではなく、応募先の側で決まるとわたしは考えています。知恵袋でも「不利にならない」「条件がだんだん悪くなる」と回答が割れていました。
経験年数を条件にする求人では書類で外れることもあれば、月数を聞かれない職場もあります。
短い行が2つ並ぶと、説明はむずかしくなります。辞める前に、原因を1つにしぼって書いておくと、次の面接で話しやすいです。
- 辞める原因を1つ
- 確かめたことと結果
- 次の職場で変えたい条件
応募先の種類ごとの見られ方と履歴書の書き方は、看護師が1年未満で辞めたら不利になるのかを調べた記事にまとめています。
次を決めずに辞めるなら
次を決めてから辞めるのが安全ですが、体や気持ちが先にもたない人もいます。
訪問看護を6か月で辞めることになった方は、この先を決めずに辞めると書いていました。失業給付で暮らすか、ほかを探すか、前の職場に戻るかで迷っていたそうです。
決めずに辞めるなら、先に見ておくことが3つあります。
- 失業給付の月数が足りるか
- 何か月分の生活費があるか
- 健康保険と年金の切り替え
次が決まっていないなら、退職日を決める前に月数を数えるのが先です。お金の回し方と、期限のある手続きは、看護師の無職期間の生活費の記事に順番で並べました。
わたしは1年で辞めたあとの無職の期間を、カイテクの単発でつなぎました。カイテクは資格の書類と身分証をスマホで登録する形で、面接や履歴書はいりません。単発は、休みながら働き方を考え直す時間をつくる方法で、長く続ける前提のものではないと思っています。
看護師が転職して半年で辞めたいときによくある質問
- 看護師が転職して半年で辞めたいと思うのは甘えですか?
-
甘えだとは思いません。日本看護協会の2025年の調査では、既卒で採用された看護職員の年度内の離職率は16.1%でした。読んだ相談にも「おかしいでしょうか」「甘えですよね」と自分を疑う言葉から書きはじめる人がいました。甘えかどうかより、辞めたい理由がどの型かを先に分けてみてください。
- 看護師が転職して半年で辞めると、次の転職で不利になりますか?
-
応募先によります。知恵袋でも、不利にならないという回答と、条件はだんだん悪くなるという回答に割れていました。辞める前に原因を1つにしぼって書いておくと、どの応募先でも説明しやすくなります。
- 転職した看護師が新しい職場に慣れるまで、半年で足りますか?
-
公的な数字は見つけられませんでした。知恵袋では、病院から病院へ移った人の質問に「半年から1年」という回答がついていました。分野ごと変わる転職だと、もっとかかることもあると思います。月日より、先月より指摘が減っているかで見るのがおすすめです。
- 看護師は転職して3か月や半年でも辞められますか?
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辞められます。期間の定めのない雇用なら、民法627条に、申し入れの日から2週間で雇用が終わると書かれています。条文は試用期間かどうかで分けていません。就業規則の「1か月前」などと食い違ってもめそうなときは、総合労働相談コーナーに相談してください。
- 転職して半年の看護師は、有給休暇を使えますか?
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労働基準法39条では、入職から6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に10労働日の有給がつきます。もっと早くつけている職場もあるので、付与日は就業規則か人事で確かめてください。辞めるときに残りを使えるか不安な人は、有給消化させてもらえない看護師向けの記事も読んでみてください。
- 看護師が転職して半年で辞めたら、失業給付はもらえますか?
-
いまの職場の半年だけでは、基本の条件(離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上)に届きません。前の職場の期間が通算に入る場合や、特定受給資格者・特定理由離職者と判断されて通算6か月以上で対象になる場合があります。決めるのはハローワークなので、退職日を決める前に相談してください。
- 紹介会社を通して転職した看護師が半年で辞めたいとき、違約金を払うことになりますか?
-
労働基準法16条は、使用者が違約金を定めたり、損害賠償の額を予定する契約をしたりすることを禁じています。紹介料を理由に退職を認めないと言われた相談も読みましたが、紹介料は病院と紹介会社のあいだの話です。書面にサインしてしまった人は、その紙を持って総合労働相談コーナーに相談してください。
- 転職して半年で辞めたい看護師が、前の職場に戻るのはありですか?
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ありだと思います。読んだ相談にも、前の職場の看護部長から声がかかっている方がいて、回答は戻ることをすすめていました。ただ、前の職場を辞めた理由がいまも残っているなら、同じところでまたつまずきます。戻りたいのが職場なのか、自信があったころの自分なのかを先に分けてみてください。
- 看護師の転職で、辞めたい気持ちがいちばん強くなるのは半年ごろですか?
-
公的な調査は見つけられませんでした。読んだ13件には、「半年近くたつのに変わらない」と書いている人がいました。入ってすぐより、様子を見る言い訳が切れる半年前後がしんどい、という人はいると思います。
- 新卒で入って半年の看護師が辞めたいときも、転職後の半年と同じように考えていいですか?
-
型に分けて確かめる、という考え方は使えます。ただ、この記事で数えた13件は、転職や中途で入った人の相談だけです。新卒の方は教育の仕組みや経歴の見られ方が違うので、看護師1年目で辞めたいときの記事を先に読んでみてください。
まとめ:看護師が転職して半年で辞めたいときは、型を1つ決める
転職して半年の「辞めたい」は、甘えかどうかで考えても答えが出ません。理由がどの型かを決めると、確かめることが1つにしぼれます。
- 半年の辞めたいは甘えではない
- 13件で多かったのは人の当たり
- 型ごとに確かめることは1つ
- 体に出ているなら待たない
- 入職6か月で有給が10日つく
- 失業給付は通算12か月が線
- 退職は申し入れから2週間
わたしは半年で辞めた人ではなく、聞いていた回数と違うまま1年いて辞めた人です。1年いたことがよかったのかどうかは、半年で辞めた場合とくらべられないので言えません。
今夜は、自分の型と、確かめることを1つだけメモに書いて、それから眠ってください。








