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退職日は決まった。次はまだ決まっていない。
総務からは保険証を返してくださいと言われて、手続きの紙を渡されただけ。通帳の残高を見ながらこのページを開いた人向けに書きます。
先に一番大事なところだけ。
無職期間で効くのは節約ではなく、期限のある手続きを落とさないことです。
| 健康保険 | 退職日の翌日から20日 |
|---|---|
| 国民健康保険の届出 | 14日 |
ここを過ぎると、選べたはずの安いほうが消えます。
わたしはあさこ。急性期の内科外科混合病棟で7年、3交代で月10〜12回の夜勤をしていました。
| 7年いた病院を辞めたとき | 在職中に次の職場が決まっていたので、空白をつくらなかった |
|---|---|
| その次の職場を1年で辞めたとき | 次が決まっておらず、無職の期間をつくった |
空白がある辞め方と、ない辞め方の両方を通っています。
この記事では、次の順に書きます。
- 辞めた月から出ていくお金
- 健康保険の3択
- 年金を払えないときの申請
- 失業給付が入るまでの日数
- 空白の埋め方
制度の解説だけで終わらせず、どの月にいくら足りなくなるかを自分で出せる形にします。
辞めた月から、出ていくお金が3つ増えます
在職中は給与から勝手に引かれていたものが、辞めた翌月から自分で払う形に変わります。金額より先に、種類を押さえてください。
順番に見ていきます。
健康保険料が全額自己負担
在職中の健康保険料は、職場と自分で半分ずつ負担しています。明細に出ていた金額は、あなたが払っていた半分ぶんです。
辞めると職場の負担がなくなります。同じ保険を続けようとすると、単純に倍の感覚になると思っておいてください。
保険料率は都道府県ごとに違い、40歳以上なら介護保険の分も乗るので、正確な額は保険者に出してもらいます。ここを知らずに任意継続を選んで、金額を見て驚く人が多いです。
| もう1つ、最後の給与に関わる決まり(健康保険法第156条第3項) | 前月から引き続き被保険者だった人がその資格を喪失した場合、その月分の保険料は算定しない |
|---|---|
| 資格を失う日 | 退職日の翌日 |
つまり月末に辞めると退職月の保険料が発生し、月の途中で辞めるとその月の分は発生しません。月末退職だと最後の給与で2か月分がまとめて引かれる形になることがあります。
手取りが想定と違うのは、たいていこれか住民税です。
国民年金は月17,920円
厚生年金から抜けると、国民年金の第1号被保険者になります。保険料は所得に関係なく定額です。
日本年金機構の公表値では、令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円です。収入がゼロでもこの額が請求されます。
だからこそ、あとで書く免除の申請が効きます。
住民税が一括で来る月
ここがいちばん見落とされます。住民税は前の年の所得に対してかかるので、無職になっても去年の分の請求は続きます。
地方税法第321条の5第2項では、退職した時期で扱いが変わります。
| 退職の時期 | 住民税の扱い |
|---|---|
| 1月1日から4月30日 | 5月31日までに支払われる給与や退職手当から、残りを一括徴収する |
| 6月1日から12月31日 | 本人から申出があったときに一括徴収 |
つまり年明けに辞めると、最後の給与から住民税の残りがまとめて引かれる可能性があります。
手取りが想定より数万円少ない状態で無職期間に入ることになるので、退職日を選べるならここは見ておいてください。
あさこ最後の給与は、いつもの額だと思わないほうがいいです
健康保険は3択です。20日を過ぎると1つ消えます
無職期間でいちばん先に決めるのがここです。期限が短いので、迷っている間に選択肢が減ります。
任意継続は20日以内
今の健康保険をそのまま続ける方法です。協会けんぽの案内では、次のことが条件とされています。
| 条件1 | 資格喪失日の前日までに継続して2か月以上の被保険者期間があること |
|---|---|
| 条件2 | 資格喪失日から20日以内に申出書を提出すること |
| 加入できる期間 | 最長2年 |
保険料は全額自己負担になりますが、上限があります。協会けんぽの公表によれば、令和8年度の任意継続の標準報酬月額の上限は32万円です。
もともとの標準報酬月額がこれより高かった人は、この上限で計算されます。夜勤手当で標準報酬が上がっていた看護師は、ここで得をする場合があります。



健康保険組合の場合は組合ごとに扱いが違うので、自分の保険証に書いてある保険者に確認してください。
国民健康保険は14日以内
| 入る方法 | 住んでいる市区町村の国民健康保険 |
|---|---|
| 期限 | 国民健康保険法施行規則第3条により、職場の健康保険を抜けて資格を取得したときは、14日以内に届書を提出しなければならない |
保険料は前年の所得で決まるので、看護師として1年まるまる働いた翌年に辞めると高く出ます。逆に、無職の期間が年をまたぐと2年目は下がります。
どちらが安いかは人によって逆転するので、役所の窓口で試算してもらってから決めてください。試算は退職前でも受け付けている自治体が多いです。
家族の扶養に入る道
配偶者や親が加入している健康保険の被扶養者になる方法です。保険料の負担はありません。
ただし被扶養者の認定は、過去の合計ではなく今後の収入の見込みで見られます。失業給付は非課税ですが、この見込みには含めて扱われるのが一般的です。
| 判断の目安 | 基本手当の日額に360を掛けた額が130万円以上になるかで判断する保険者が多い |
|---|
自分の日額が出たら、一度その掛け算をしてみてください。



基準は保険者ごとに違うので、最終的には相手の健保に確認が要ります。
給付制限の1か月のあいだは収入がないので、その期間だけ扶養に入って、受給が始まったら抜けるという使い方をする人もいます。
手続きが2回発生するので、相手の健保がそれを認めるかを先に聞いてください。130万円の線引きそのものは看護師の扶養と130万の壁に詳しく書いています。
軽減が使えるのは誰か
「退職したら国保が安くなる」と書いている記事がありますが、正確ではありません。
非自発的失業者に対する国民健康保険料の軽減は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する制度です。
| 対象 | 雇用保険の特定受給資格者と特定理由離職者(厚生労働省の資料) |
|---|---|
| 対象になる人 | 倒産や解雇、雇い止めなどが理由の人 |
| 含まれない人 | ふつうの自己都合退職 |
自分がどちらに当たるかは、離職票に書かれる離職理由で決まります。ハローワークで受給資格が決まったときに分かるので、そこを見てから国保の窓口に相談してください。
年金は、払えないなら未納ではなく申請にします
ここは知っているかどうかで将来が変わります。払えないときの正しい行き先は、放置ではなく申請です。
失業なら所得は見られない
国民年金保険料の免除・納付猶予は、通常は本人・配偶者・世帯主の前年所得で審査されます。看護師として1年働いた翌年だと、所得が引っかかって通らないように見えます。
ただし日本年金機構の案内では、次の特例があるとされています。
| 特例 | 失業・倒産・事業の廃止などの事実が確認できたときは、失業等した本人の前年所得にかかわらず免除・納付猶予を受けられる |
|---|---|
| 添える書類 | 離職票や雇用保険受給資格者証など、失業の事実が確認できる書類 |
| 申請先 | 住所地の市区町村の国民年金の窓口か年金事務所。郵送でも受け付けている |
未納と免除はここが違う
同じ「払っていない」でも扱いが別です。
| 状態 | 受給資格期間 |
|---|---|
| 免除・納付猶予が承認された期間 | 算入される |
| 未納のまま放置した期間 | 算入されない |
障害や死亡があったときの保障の扱いも変わります。無職期間が2〜3か月でも、申請しておく価値があるのはこのためです。
手続きは1回で終わります。
さかのぼれるのは2年1か月
気づくのが遅れても、ある程度はさかのぼれます。
日本年金機構の案内では、申請できるのは保険料の納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1か月前までの期間とされています。
ただし失業による特例で承認された人は、翌年度もあらためて申請が必要です。無職期間が年度をまたぐ人は、4月以降にもう一度出すのを忘れないでください。
失業給付は、思っているより遅く入ります
「失業保険があるから大丈夫」と考えて辞める人が多いのですが、入金までの日数が問題になります。ここを日数で把握しておくと、貯金がいつ尽きるかが見えます。
まず12か月の条件を見る
基本手当を受けるには被保険者期間の条件があります。厚生労働省のQ&Aでは、次のとおりとされています。
| 通常 | 離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要 |
|---|---|
| 倒産・解雇等の場合 | 離職前1年間に通算6か月以上 |
ここで注意が要るのは、12か月の数え方です。
| 数え方 | 暦の上で在籍していた月ではなく、離職日から1か月ごとに区切った期間のうち、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として数える |
|---|---|
| 足りない場合 | 賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として数える扱いもある |
つまり産休・育休や長期の休職があった月は数に入らないことがあります。
育休から復帰してすぐ辞める人、時短で出勤日数が少なかった人は、在籍年数だけで安心しないでください。新卒1年目で辞める人や、短期間で職場を変えた直後の人も同じです。
自分が足りているかどうかは、離職票が出る前でも給与明細の出勤日数で概算できます。不安なら辞める前にハローワークで確認してください。
待期7日と給付制限1か月
ここが古い情報のまま出回っている部分です。自己都合で辞めた場合、以前は給付制限が原則2か月、さらに前は3か月でした。
同じ厚生労働省のQ&Aによると、令和7年4月1日以降に離職した場合、正当な理由がない自己都合退職の給付制限は原則1か月です。
受給手続き後の待期7日が明けてから、この給付制限が始まります。
| 例外 | 離職日から5年以内に2回以上の自己都合退職で受給資格決定を受けている場合は、給付制限が3か月になる |
|---|
「3か月後だと思っていた」という人は前提が変わっています。反対に、離職票が届くのを待って手続きが遅れると、その分そのまま後ろにずれます。
貯金が尽きる月を先に出す
ここまでの数字を並べると、自分の期限が出せます。紙に書くのは5行だけで足ります。
- 入るお金の日付を書く
- 毎月の固定費を足す
- 保険と年金の額を足す
- 住民税の残りを足す
- 1を2〜4の合計で割る
1は貯金だけではありません。最後の給与、退職金、有給を買い上げてもらった分が、いつ入るかを先に確認してください。
退職金は規程で支給日が決まっていて、退職の1〜2か月後になることがあります。ここを見落とすと、いちばん苦しい月を読み違えます。
3の金額がまだ分からない人は、仮置きで進めてかまいません。
| 国民年金 | 月17,920円で確定 |
|---|---|
| 健康保険 | 給与明細の健康保険料の欄をおよそ2倍にした額を置けば、任意継続のだいたいの目安 |
| 国保 | 窓口の試算が出たら差し替える |
出てきた数字が持ちこたえられる月数です。2か月を切ったら、給付より先に収入をつくる側の手当てが要ります。
理由は日数です。手続きに行ってから待期7日、そのあと給付制限が1か月、さらに認定日を経て振り込まれるので、自己都合だと最初の入金まで2か月近くかかる計算になります。
空白を埋める方法は、大きく2つあります
ここからはお金の入り口の話です。わたしが実際に通った順で書きます。
単発で必要な日だけ働く
わたしが1回目の転職先を1年で辞めたあとの無職期間にやっていたのがこれです。使ったのはカイテクで、面接なしで働きたい日だけ入れました。
単発で食いつなぎながら、次の働き方を考えていました。
| 使い勝手の細かいところ | カイテクの評判を調べた記事 |
|---|---|
| 単発の探し方を先に知りたい人 | 看護師の単発バイトの探し方のほうが早い |
注意点が1つあります。単発だけで暮らすと厚生年金には入らないので、国民年金を自分で納める期間が続きます。



つなぎとして使い、長期の主軸にはしないほうがいいです。
派遣で先に日勤へ入る
2回目の転職では、やり方を変えました。いきなり正社員を決めずに、まず派遣で介護施設などの日勤の職場に入り、日勤なら続けられると分かってから、同じ担当の紹介で病院の内科外来に正社員で入っています。
使ったのはMCナースネットで、派遣も単発も紹介も同じ窓口で扱っているので、体験してから決められました。



日勤のみで夜勤手当なしなのに、年収は370万から430万になりました。
ここで言いたいのは会社の話ではなくて、無職期間のあと、いきなり正社員を決めずに、派遣で収入と日勤の生活を先に確保する順番もあるということです。
| 順番の考え方 | 転職先が決まってから退職した実体験 |
|---|---|
| 有給が残っている人 | 有給消化と退職日の関係を先に読むと、最終出勤日を早められる場合がある |
登録するなら、最初のメッセージで連絡手段と時間帯を指定しておいてください。無職期間は昼に寝ている人も多いので、ここを伝えないと生活リズムを崩されます。
指定の文面は転職エージェントへの連絡条件の伝え方にそのまま使えるものを置いています。
働くと給付はどうなるか
受給中にアルバイトをすると、その日の扱いが変わります。
- 減額される日
- 支給されない日
- 先送りになる日
働いた日は必ず失業認定申告書に書く必要があります。
申告せずに働くと不正受給になります。線引きは働く時間と収入で決まり、ハローワークごとの運用もあります。
初回の説明会で「週何時間までなら大丈夫か」を必ず自分の口で聞いてください。ここは記事の一般論で判断しないでほしいところです。
よくある質問
無職期間に入る前によく聞かれるところをまとめました。
- 任意継続と国民健康保険はどちらが安いですか?
-
人によって逆転します。任意継続は全額自己負担ですが標準報酬月額に上限があり、令和8年度は32万円です。国保は前年の所得で決まります。市区町村の窓口で国保の試算を出してもらい、退職時の標準報酬月額と比べて決めてください。
- 20日を過ぎてしまいました
-
任意継続の申出は資格喪失日から20日以内とされているので、過ぎると原則として選べません。その場合は国民健康保険か家族の扶養のどちらかになります。国保の資格は退職日の翌日にさかのぼるので無保険にはなりませんが、届出をするまで保険証の代わりになるものが手元にありません。受診の予定があるなら急いでください。
- 何も手続きしないとどうなりますか?
-
国民健康保険は届出が遅れても資格は退職日の翌日にさかのぼるので、保険料はその分まとめて請求されます。届出前に受診すると窓口でいったん全額払うことになります。得はしません。
- 年金を免除にすると将来の額は減りますか?
-
納付した場合に比べれば減ります。ただし未納と違って受給資格期間に算入され、あとから追納して埋めることもできます。払えない月をそのまま放置するより有利です。
- 失業給付はいつ振り込まれますか?
-
受給手続きをして待期7日が明け、自己都合なら給付制限が終わってから、失業の認定を受けた分が振り込まれます。令和7年4月1日以降の離職なら給付制限は原則1か月です。手続きが遅れるとそのまま後ろにずれます。
- 国保が安くなる軽減は使えますか?
-
非自発的失業者の軽減は、雇用保険の特定受給資格者と特定理由離職者が対象です。前年の給与所得を100分の30とみなして計算されます。自分から辞めた場合は原則として対象外なので、離職票の離職理由を確認してください。
- 住民税を一括で払えません
-
普通徴収に切り替わって納付書が届いた場合は、市区町村の納税の窓口で分割や猶予の相談ができます。放置すると延滞金がつくので、払えないと分かった時点で連絡してください。
- 無職期間があると次の面接で不利ですか?
-
期間そのものより、何をしていたかを説明できるかで見られます。単発で働いていた、資格の勉強をしていた、体調を整えていた、どれでも構いません。空白の理由を用意しておけば足ります。
- 辞める前にやっておくことは何ですか?
-
退職時の標準報酬月額を給与明細で控えること、国保の試算を市区町村で出してもらうこと、雇用保険の被保険者期間が12か月あるかを確認すること。この3つを辞める前にやっておくと、退職後の判断が数分で終わります。
- 最後の給与が想定より少なくなることはありますか?
-
あります。月末に辞めると退職月の保険料が発生し、最後の給与で2か月分がまとめて引かれることがあります。年明けに辞める場合は、住民税の残りも最後の給与から一括で引かれる可能性があります。
まとめ:節約より、期限を落とさないことです
無職期間のお金は、我慢の量ではなく手続きの順番で決まります。先に決めるのは健康保険、次が年金、そのあとに失業給付です。
あらためて、この記事の内容をまとめます。
- 保険料は全額自己負担になる
- 国民年金は月17,920円
- 年明けの退職は住民税が重い
- 任意継続の申出は20日以内
- 国保の届出は14日以内
- 任意継続の上限は32万円
- 国保の軽減は自己都合だと対象外
- 年金は未納でなく免除申請へ
- 自己都合の給付制限は1か月
- 月末退職は保険料が1か月多い
- 単発はつなぎ、主軸にしない
わたしが無職期間をつくったのは、1回目の転職先を1年で辞めたあとです。その1回目の転職は在職中に決めましたが、入職日をずらしてもらった負い目で、「夜勤少なめ」が月何回なのかを確かめないまま入職していました。
確かめないまま決めた職場は、1年で辞めました。
今日やることは1つで大丈夫です。
退職時の標準報酬月額を給与明細で確認して、市区町村の窓口に国保の試算を頼んでください。
任意継続の20日が動き出す前に、比べるほうの数字が手元にあれば十分です。
退職日の翌日、健康保険をどれにするか迷ったら『健康保険は3択です。20日を過ぎると1つ消えます』を開いてください。年金の納付書が届いた日は、『年金は、払えないなら未納ではなく申請にします』が順番を教えてくれます。期限が重なる2週間のあいだ、すぐ見返せる場所に置いておいてください。
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空白があること自体は、失敗ではありません。空白のあいだに判断を急がされる状態をつくらないことが、次の職場を決める材料になります。








