施設へ移った看護師の後悔は、仕事が楽かどうかより、体制を数字で聞かないまま入ったところに集まっていました。だれが・何人で・夜はどうするのか、です。
夜勤明けの布団の中で、「日勤のみ・オンコールあり」の求人を見ながら、移って後悔しないかを調べている人へ向けて書きます。
知恵袋で、介護施設で働く看護師本人の相談を23件、移る前の相談を2件、あわせて25件読みました。23件のうち、病院から移ったと読み取れるのは13件です。
この記事では、後悔を6つの型に分けて、型ごとに見学と面接で聞く質問を付けています。施設の体制は、厚生労働省の資料と省令を開いて確かめました。
わたしは急性期の病棟に7年いて、2回目の転職のとき、常勤で決める前に派遣で日勤の現場に入ってから決めた人です。施設の仕事の中身を語れる経験はないので、この記事の施設の話は、ぜんぶ調べて書いています。
\最初にこの記事の結論/
看護師が施設へ転職して後悔する点|相談23件で分けた6つの型
施設で働く看護師の相談23件を読むと、後悔は6つの型に分かれました。多いのは「1人で判断する」「兼務で忙しい」「介護職との役割」の3つです。
相談の時期は2011年から2026年までです。いちばん強く書かれていた理由で、わたしが1件を1つの型に割り当てたのが、この表です。
| 後悔の型 | 件数 | 入る前に聞くこと |
|---|---|---|
| 1人で判断する | 5件 | 看護師が1人になる時間帯 |
| 兼務で忙しい | 5件 | 兼務する事業所と付き添い |
| 介護職との役割 | 4件 | 介助と家族連絡の分担 |
| お金と条件 | 3件 | 手当の内訳と残業の申請 |
| ケアの考え方 | 2件 | 見学で見る日中の様子 |
| オンコール | 2件 | 月の回数と回す人数 |
残りの2件は、病院へ戻りたい人と、病棟でも施設でも辞めたい気持ちが変わらなかった人でした。「医療処置が少なくて物足りない」がいちばんの理由の相談は、読んだ23件にはありません。
逆に、介護付きの有料老人ホームで「特に問題なく楽しく働けていた」と書く人もいました。知恵袋は困った人が書く場所なので、この件数は後悔する人の割合ではなく、後悔の中身の内訳として見てください。
2011年と2016年の相談が2件ずつあり、給料や手当は当時と変わっていることがあります。古い相談には年を書きました。
順番に見ていきます。
1人で判断する時間がある
いちばん重く書かれていたのは、医師も先輩もその場にいない時間に、自分1人で判断する怖さでした。老健のデイケアを任された40代の人は、「看護師1人で判断しないといけないので不安しかない」と書いています。施設の夜勤は看護師1人なので急変の責任が厳しい、と書く人もいます。
ブランクがあって施設に入り、1人勤務が嫌で辞めた。思っていた以上に急変が多く、介護士さんは全面的に頼ってくる。上司に相談しても「大丈夫」としか言われず、1人勤務が怖い看護師なんて情けないと自分を責めて疲れた。(知恵袋の相談の要旨)
看護師3人の体制で、先輩2人が近く辞めると知った。医師がいないので、見たことのない疾患を自分で判断していくのがむずかしい。経験が浅くてブランクもある自分が施設に入ったのは無謀だったと痛感している。(知恵袋の相談の要旨)
悩む女性1人で判断するのが怖いのは、看護師として情けないことではないと、わたしは思います。
これは個人の力より、体制の話です。厚生労働省の介護給付費分科会の資料(2023年8月)では、特養で看護職員が必ず勤務している時間は平均9.9時間でした。24時間いる施設は1.4%です。
80床の有料老人ホームで「40人を1人で見ることに疲れてきた」という相談もあります。移る前に聞くのは、この4つです。
- 日勤の看護師は何人か
- 1人になる曜日と時間帯
- 常勤とパートの人数
- 直近1年で辞めた看護師の数
知恵袋の回答には、60床の施設で日勤は看護師1名、夜はオンコールだった、という経験談もありました。「何人いますか」ではなく「1人になるのはいつですか」と聞くほうが、答えがはっきり返ってきます。
夜のオンコールで休めない
「夜勤なし」の求人でも、夜はオンコールで待つ施設が多いです。上と同じ厚生労働省の資料では、特養の夜間の看護体制は「施設の看護職員がオンコールで対応」が87.6%でした。
ずっと病院で働いてきて、サ高住の中の小規模多機能へ。常勤の看護師は自分1人で、毎日オンコールで待機している。気が休まらず眠れない。子どもの参観日にも行けなくなった。(知恵袋の相談の要旨・2016年)
有料老人ホームで、1か月のあいだ公休日もふくめてオンコールを持っている、という相談もありました。その回答には、29人の老健で看護師2人、休みの日もふくめて月に28〜30回オンコールを取っている、という人がいます。
「オンコールあり」は、わたしが1回目の転職で確かめそこねた「夜勤少なめ」と同じ形の言葉です。あのときは月何回かを聞かずに入って、夜勤は月8〜10回、1年で辞めました。なので、回数と人数に分けて聞きます。
- オンコールは月に何回か
- 何人の看護師で回しているか
- 公休日にも当番があるか
- 待機と出動の手当はいくらか
- 電話で済む割合と出動の回数
オンコールを何人で回すかは、常勤の人数で決まります。いまの回数だけでなく「1人辞めたら何回になるか」まで聞いておくと、入ったあとのずれが小さくなります。
楽と聞いたのに兼務で忙しい
兼務や付き添いで忙しいという相談は5件で、うち2件は「施設は楽」と聞いて移った人でした。忙しさの中身は、処置を1人で回すことと、兼務と付き添いです。
総合病院に3年いて特養へ。介護士さんもいるので楽に働けると聞いていたのに、ワンフロア48名ほどの褥瘡などの処置を自分1人で行う。医師がいないので何かあると病院へ行き、外来の付き添いで3時間待ち続ける。入って1週間で、もう転職したいと思ってしまう。(知恵袋の相談の要旨)
病院の仕事に疲れてサ高住に移ったけれど、看護師が少ないのに仕事が多くて辞めた、という人もいます。三次救急の病院から特養に移って8年の人は、特養・ショートステイ・介護の仕事・夜間のオンコールまで持っているそうです。
特養に入ったら、デイサービスの応援に1日おきに行くことになった、という相談もあります(2011年の相談です)。移る前の人からは、「医療ケアなし」と書かれた募集は本当にそうなのか、という質問が出ていました。
その回答は「入ったあとに処置の必要な人が入ってくることもある」です。聞くのは、いまの数字です。
- 兼務する事業所はどこか
- 受診の付き添いは月何回か
- 吸引・経管・点滴は何人か
- 褥瘡の処置は何人か
- 入浴の日は何をするか
療養や回復期の病棟、外来ともくらべたい人には、急性期を辞めたい看護師の行き先の記事があります。移ると変わるものと、失うものを並べました。
介護職との役割があいまい
介護職との関係の相談は4件で、どの相談にも、どこまでが看護師の仕事かという線引きの話が出てきました。
老健のパートに入った。看護と介護の仕事に線引きがなく、入浴にも入っている。看護師15年の経験は通用しないと感じながら、資格のない介護職の人に上から話されるのがつらい。(知恵袋の相談の要旨・2016年)
病院から老健へ。仕事そのものの負担は減ったけれど、人間関係がひどい。介護士さんはおしゃべりばかりで、介護の仕事を看護師が中心にやることに違和感がある。(知恵袋の相談の要旨)
有料老人ホームの人は、介護職が飲み薬をまちがえても、家族に謝る電話は看護師がかけると書いていました。薬の知識があるから、という理由だそうです。老健に入って日が浅い人は、介護の仕事ばかりが回ってくるので辞めたい、と迷っています。
件数には入れていない、本業は病院で有料老人ホームでも働いている人の相談もあります。「分業と聞いていたのに、おむつ交換や食事の片づけも看護師の仕事だった」とありました。資格のない人が吸引をして、記録にはその時間にいた看護師の名前が入る、という話も同じ相談にあります。
聞くのは、次の5つの分担です。
- 入浴・おむつ・食事介助の範囲
- 服薬の準備と配る人
- 事故のとき家族へ連絡する人
- 訪問看護・訪問診療との分担
- 看護の指示を出す上司はだれか
上の相談の回答には、介護の仕事が回ってくるのは施設ではよくある、という声がありました。困るのは、どこまでが自分の仕事かを決める人がいないことなので、決めている人の名前まで聞いてください。
ケアの考え方が合わない
件数は2件と少ないですが、入ってから変えにくいのがこの型です。老健に移った人は、次のことを上司に伝えても、注意してもらえなかったと書いていました。
- 朝から寝るまで車いすのまま
- 褥瘡が次々にできる
- トイレの希望になかなか応じない
病棟から施設へ。利用者さんへの言葉づかいや態度が気になって、ここで働いたら心がしんどくなりそう。もとの病棟から戻ってきてほしいと言われているので、試用期間のうちに辞めようと思う。(知恵袋の相談の要旨)
病棟から施設へ移った人のアンケートを載せたnoteにも、気になる声がありました。物品が使い捨てでないことがある、感染対策がゆるい、介護士さんに伝えても伝わりきらない、の3つです。
ここは質問より、見学で自分の目で見るほうが早いです。見るのは、次の5つです。
- 職員の言葉づかい
- 昼に横になっている人の数
- 手袋やガーゼの置き場と量
- トイレに呼ばれたときの動き
- 記録を書く場所と時間
見学の時間は、できれば昼食の前後を頼んでみてください。食事介助と服薬、口の中のケアが重なる時間なので、人の足りなさと声のかけ方が見えやすいと思います。
お金と聞いていた条件
お金の後悔は3件で、額そのものより、手当と残業のあつかいでした。
| 相談 | 書かれていたこと |
|---|---|
| 特養(2021年) | 日勤だけで手取り14万円ほど。介護員は処遇改善の手当で手取り20万円と聞いた |
| 特養(2011年) | 日勤なのに20時まで帰れない日がある。残業代は申請しにくい |
| 老健 | 面接で夜勤は7〜8回と言われたのに、3回しか付かない |
日本看護協会が会員に聞いた2025年の看護職員実態調査で、正規フルタイムの月の平均をくらべました。
| 勤め先 | 平均の税込給与 | 平均の基本給 |
|---|---|---|
| 病院 | 396,127円 | 282,897円 |
| 介護施設 | 364,445円 | 271,370円 |
税込給与の差は月に約3.2万円で、そのうち基本給の差は約1.2万円でした。
ただ、介護施設の回答は61人と少なく、「介護施設」にどの種類をふくむかの説明もありません。平均年齢も病院より6歳ほど高いので、この差がそのまま自分に当てはまるわけではないです。
相談には「いまの施設は給料がとても良く、病院に戻ると10万円ほど下がる」という人もいました。調査の差のうち約2万円は基本給以外の部分なので、聞くのは手当の中身です。
- 基本給と賞与の計算のもと
- オンコールの待機と出動の手当
- 残業の申請のしかた
- 夜勤に入れる回数と時期
- 配属先と時給が変わる条件
サ高住に入ったら、聞いていないデイサービスの配属になった、という相談もありました。訪問看護のときに付くはずの時給の上乗せが、なくなったそうです。額面から手取りへの直し方は、看護師の年収と手取りの記事で計算しています。
看取りと医師への連絡|特養の83.0%が看取りに対応
特養のような施設は、最期まで暮らす人が多い場所で、医師がいつもその場にいるとはかぎりません。看取りと医師への連絡は、入る前に流れで聞いておけます。
厚生労働省の資料で、特養の数字を確かめました。
- 退所の69.0%は亡くなったため
- 83.0%が施設での看取りに対応
- 配置医師の約8割は別に本務先
配置医師のおもな勤務先は、特養とは別の病院や診療所などです。平日の日中以外に急変したとき、だれが対応するかは施設で分かれていました。
| 平日の日中以外の急変 | 特養の割合 |
|---|---|
| 配置医師のオンコール | 38.2% |
| ほかの医療機関のオンコール | 13.4% |
| どちらもせず原則救急搬送 | 30.3% |
施設によって、電話の先がまったく違うということです。



病棟ではその場で呼べた医師が、施設では電話の向こうにいる、と考えると近いです。
特養は、急変にそなえて医師や協力医療機関との連絡の方法を、前もって決めておく決まりです。年に1回以上見直すことも、基準の省令に書かれています。なので、こう聞いて大丈夫です。
- 夜の急変でまず電話する相手
- 医師につながらないときの次
- 救急車を呼ぶと決める人
- 看取りは年に何件あるか
- 夜の看取りで看護師は出るか
- 急変時の手順書は見られるか
手順が紙になっていて、見学で見せてもらえる施設は、1人のときに迷いにくいと思います。ここまでの数字は特養のもので、老健や有料老人ホームの全国の数字は、わたしは確かめられていません。
施設の種類で看護職員の決まりは違う|100人なら3人と10人
「施設」とひとくくりにされますが、看護職員を何人置くかの決まりは種類で違います。省令を開いて、入所者100人の施設ならどうなるかを並べました。
| 種類 | 看護職員の基準 | 100人なら |
|---|---|---|
| 特養 | 50人まで2人、130人まで3人 | 3人以上 |
| 老健 | 看護と介護の合計の7分の2ほど | 約10人が標準 |
| 介護付き有料 | 30人まで1人、あと50人ごとに1人 | 3人以上 |
| デイサービス | 単位ごとに1人以上 | ― |
人数は常勤に直した数(常勤換算)で、夜に何人いるかの数ではないです。特養は入所者30人までなら1人以上、老健は看護と介護を合わせて入所者3人に1人以上、という決まりもあります。
医師は、老健が入所者100人に1人以上(常勤換算)です。特養は「健康管理と療養上の指導に必要な数」としか書かれていません。同じ100人でも、老健は看護職員が約10人、特養は3人以上と、置かれる人数がこれだけ違います。



基準は最低の線なので、求人を見るときは「基準より何人多いか」を聞きます。
介護付き有料の基準は、居宅サービスの基準の省令にある「特定施設」の指定を受けたホームの話です。住宅型の有料老人ホームやサ高住は、この指定を受けているかどうかで変わるので、まず種類と指定から聞いてください。
デイサービスは夜がなく、看護師の仕事の中心も違います。1日の流れは、デイサービスの看護師の単発バイトを調べた記事に書きました。
常勤で決める前に派遣で確かめる|わたしが選んだ順番
質問と見学で分からないことは、常勤で決める前に、派遣や単発でその種類の施設に入ると見えてきます。ただ、派遣で入れる施設は法律で決まっていて、老健のように入れない所があります。
順番に見ていきます。
派遣で入れる施設、入れない施設
看護師の仕事の派遣は、労働者派遣法の施行令2条で、できない場所が決まっています。病院・診療所のほかに、介護老人保健施設(老健)と介護医療院がここに入ります。
| 場所 | 派遣の看護 | 根拠 |
|---|---|---|
| 老健・介護医療院 | 原則できない | 施行令2条 |
| 特養・デイサービス | できる | 厚労省の要領の例 |
| 有料老人ホームなど | できる | 要領の注(例示のほか) |
| 施設内の訪問看護 | 原則できない | 「居宅」に当たる |
特養の中の医務室は、診療所に当たります。ただ、施行規則が、派遣できない「病院・診療所」から特養の中の診療所を外しています。なので特養は、医務室での仕事もふくめて派遣の対象です。
厚生労働省の派遣の業務取扱要領も、対象の例に特養や老人デイサービスセンターを挙げています。
気をつけたいのは、施設の中で行う訪問看護です。同じ要領は、社会福祉施設などでの往診や訪問看護を「居宅」として扱っていて、派遣ではできない側です。
「原則」と書いたのは、次の3つが禁止から外れているからです。
- 紹介予定派遣
- 産休・育休の人の代わり
- へき地
30日以内の契約で雇われる派遣(日雇派遣)は原則禁止ですが、病院や老健などを除く場所での看護師の仕事は例外です。
准看護師の仕事は、この例外の条文に入っていません。1日だけ入る場合の仕事の中身は、介護施設の看護師の単発バイトの記事に書きました。
わたしは派遣で日勤に入ってから決めた
わたしが2回目の転職でやったのは、行き先を決める前に働いてみる、という順番です。MCナースネットの派遣で入ったのは介護施設など(日勤)で、そこで日勤なら続けられると思えました。常勤先は、同じ担当の人に紹介してもらった別の職場で、病院の内科外来です。



わたしが派遣で確かめられたのは、日勤だけの生活を続けられるかどうかまでです。
なので、わたしが自分の経験として書けるのは、常勤で決める前に、派遣で日勤の現場に入ってから決めたという順番だけです。施設の仕事の中身や、そこで長く働く看護師の気持ちは、わたしの経験からは書けません。
運営は株式会社メディカル・コンシェルジュで、公式サイトは仕事の種類に介護施設やデイサービスを挙げています。登録フォームの希望の欄に並んでいるのは、次の4つです。
- 人材派遣
- 紹介予定派遣
- 就職
- 単発
知恵袋の回答には、病棟を5年ほどやったあと、派遣で老人ホームや特養に2か月ごとの更新で入っていた人がいました。合わない人間関係があっても、契約の終わりで離れられるのが気楽だった、と書いています。
サービスそのものの良し悪しは、MCナースネットの評判の記事で口コミと並べて書いています。
入っても見えない所は質問で補う
派遣や単発で入っても、常勤だけが持つ仕事までは見えにくいです。下の分け方は、わたしの経験ではなく、求人と相談を読んで整理したものです。見える所と見えない所を分けておくと、入った日に見るものが決まります。
- 見える:日勤の人数と動き
- 見える:介護職との声のかけ方
- 見える:物品と記録のやり方
- 見えない:オンコールの重さ
- 見えない:常勤の兼務と委員会
- 見えない:賞与と手当の内訳
見えない3つは、ここまでの質問で補います。派遣で入った施設にそのまま常勤で入るのか、別の施設に常勤で入るのかも、入ってみてから決めていいことです。
この方法が向かない人もいます。
- 行きたい先が老健・介護医療院
- 収入を切らせない人
- まず体を休めたい人
老健や介護医療院は派遣で試せないので、見学と質問が中心です。派遣は期間を決めた契約なので、収入を切らせない人は契約の期間と更新の条件を先に聞いてください。体を休めたい人は、この話は後回しでかまいません。
派遣という働き方そのものは、派遣看護師の仕組みの記事にまとめています。
\常勤の前に日勤を試したい人へ/
登録は無料です
もう移って後悔している人が、先に分ける6つ
移って日が浅い後悔は、慣れで軽くなるものと、体制を変えないと消えないものに分けられます。分けてから、残る・辞める・戻るを考えても遅くないです。
- 物の場所や流れは、慣れ
- 利用者さんの顔と名前は、慣れ
- 1人の時間帯と人数は、体制
- オンコールの回数は、体制
- 兼務と配属は、体制
- ケアの考え方は、職場の方針
体制と方針は、待っても自分の力では変わりにくいです。特養に入って1週間で転職を考えた人の相談には、こんな回答が付いていました。
総合病院で3年の経験があって、理由が働いてみてのずれなら、説明すれば分かってもらえることが多い。(知恵袋の回答の要旨)



入って1週間で「違った」と思うことを、わたしは甘えとは思いません。
ケアの中身が、合わないを通りこして虐待ではないかと感じるときは、別の話です。高齢者虐待防止法の21条には、施設で働く人について、次の決まりがあります。
- 虐待と思われる人は市町村へ通報
- 通報で解雇などをされない
試用期間のうちに辞めるか迷うなら、看護師が転職して半年で辞めたいときの記事が近いです。
日勤の別の行き先として外来も考える人は、病棟から外来へ移った看護師の後悔も読んでみてください。
施設の看護に物足りなさが残って病院へ戻りたい、という相談には、ブランクが10年あって不安だという声がありました。戻れた人の数は、資料を見つけられていません。
看護師・施設・転職・後悔のよくある質問
- 看護師が施設へ転職して後悔するのは、どんな点ですか?
-
読んだ23件では、1人で判断する怖さと兼務の忙しさが5件ずつ、介護職との役割のあいまいさが4件で多かったです。お金と条件が3件、ケアの考え方とオンコールが2件ずつでした。相談を書くのは困った人なので、後悔する人の割合ではないです。
- 看護師が施設に転職すると、給料は下がりますか?
-
下がるとはかぎりません。日本看護協会の2025年調査で、正規フルタイムの平均の税込給与をくらべると、差は月に約3.2万円でした。病院が396,127円、介護施設が364,445円です。介護施設の回答は61人と少なく、相談には施設のほうが高い人もいました。
- 施設の看護師は、転職すると本当に楽になりますか?
-
兼務や付き添いで忙しいという相談が5件あり、うち2件は「楽と聞いて」移った人でした。理由は、処置を1人で回すことや、ショートステイやデイサービスとの兼務、受診の付き添いです。介護付きの有料老人ホームで楽しく働けていた、という人もいるので、施設ごとに聞くしかないです。
- 施設へ転職した看護師のオンコールは、月に何回くらいですか?
-
全国の回数を数えた資料は見つけられませんでした。厚生労働省の資料では、特養の87.6%が夜は看護職員のオンコールで対応しています。回数は常勤の人数で決まるので、何人で回しているかと、公休日にも当番があるかを聞いてください。
- 看護師が施設へ転職すると、病院には戻れなくなりますか?
-
戻れた人の割合を数えた資料は見つけられませんでした。施設から病院へ戻りたい人の相談には、ブランク10年が不安だという声がありました。後悔を減らすなら、戻る道より先に、入る施設の体制を聞くほうが確かだと思います。
- 経験の浅い看護師が施設へ転職するのは、後悔しやすいですか?
-
読んだ相談では、経験が浅い人ほど「1人で判断する」ことに苦しんでいました。リハビリ病棟4年目で老健を考えている人への回答は、2つに分かれていました。「ほかにも看護師がいる」と、「看護師は多くなく、急変の対応も求められる」です。看護師が1人になる時間帯を先に聞いてください。
- 看護師の施設への転職で、特養と老健はどう違いますか?
-
看護職員の基準が違い、入所者100人なら特養は3人以上、老健は約10人が標準です。老健は医師も入所者100人に1人以上と決まっています。派遣で先に入って確かめられるのは特養のほうで、老健は原則できません。
- 施設へ転職する前に、看護師は派遣や単発で試せますか?
-
試せる施設と試せない施設があります。特養やデイサービス、有料老人ホームなどは派遣の対象ですが、老健と介護医療院、施設の中の訪問看護は原則できません。わたしは派遣で日勤の現場に入ってから、常勤先を決めました。
- 施設へ転職して1週間で後悔している看護師は、すぐ辞めてもいいですか?
-
まず、つらさが慣れの話か、体制や方針の話かを分けてください。1人の時間帯やオンコールの回数、兼務は待っても変わりにくいです。試用期間のうちに辞めると決めた人の相談もありました。
- 看護師が施設の見学や面接で、転職を後悔しないために聞くことは?
-
聞くのは6つです。1人になる時間帯、オンコールの回数と人数、兼務する事業所、介助と家族連絡の分担、夜の急変の電話先、手当の内訳です。「ありますか」ではなく、回数と人数で聞くと答えがはっきりします。
まとめ:看護師が施設への転職で後悔を減らすために
施設へ移った看護師の後悔は、仕事が楽かどうかより、体制を聞かずに入ったところに集まっていました。だれが・何人で・夜はどうするのか、です。入る前にできるのは、数字で聞くことと、先に入って見ることです。
- 後悔の型は6つ、多いのは体制
- 特養の夜は87.6%がオンコール
- 1人になる時間帯を聞く
- オンコールは回数と人数で聞く
- 老健は派遣で試せない
- 手当の内訳まで聞いてから決める
わたしが書けるのは、常勤で決める前に派遣で日勤の現場に入った、という順番までです。今夜は、気になっている求人の「オンコールあり」に丸をつけて、月に何回かを聞くメモを1行書くところまでで十分だと思います。








