夜勤明けじゃない普通の日勤なのに、こんな時期がありました。
- 始業40分前に病棟へ行く
- 行かないと情報収集が終わらない
- 毎朝ため息をついていた
- しかもタイムカードには一切のってない
あれって前残業っていうんですけど、看護師の世界だと当たり前になりすぎていて、疑問を持つことすら忘れがちなんですよね。
先に言っちゃうと、始業前の情報収集や点滴準備のための前残業は、多くの病棟で慣習として残っています。
でも「普通にみんなやってる」ことと「本来どう扱われるべきか」は別の話で。
この記事では、次の4つを書いていきますね。
- 前残業の実態
- 労働時間にあたるのかの一般的な考え方
- 減らす工夫
- それでも変わらない職場の見切り方
わたしはあさこといいます。急性期の内科外科混合病棟で7年、3交代で月10〜12回の夜勤をしてきました。
体が限界をむかえて病棟を辞め、1回目の転職の失敗をはさんで、いまは日勤のみの外来で働いています。
前残業も情報収集の早出も、7年間しっかり経験してきた側です。
だからこそ、モヤモヤしてる今のあなたの気持ちが分かる気がします。
看護師の前残業とは?実態

そもそも前残業って何をしている時間なのか、実態から整理しますね。
ひとつずつ見ていきますね。
始業30〜60分前が当たり前

前残業というのは、始業時刻の前に出勤して仕事の準備をする時間のことです。
看護師の場合、始業の30〜60分前に病棟に入って情報収集を始めるのが慣習になっている職場が本当に多いです。
わたしのいた病棟は、こうでした。
| 項目 | わたしのいた病棟 |
|---|---|
| 定時(始業) | 8時半 |
| 実際の集合 | 7時50分くらいに 全員そろっているのが普通 |
遅く行くと「今日はゆっくりなんだね」みたいな空気になるのがきつくて。
誰かに強制されたわけじゃないのに、いつのまにか早く来ないと回らない仕組みができあがっているんですよね。
始業40分前の出勤が事実上の当たり前になっていて、しかもその時間分の給料はついていない、という職場は珍しくありません。
情報収集と点滴準備が中心

前残業で何をしているかというと、大きく分けて情報収集と点滴などの準備です。
受け持ち患者さんのカルテを開いて、頭に入れておくのは、こんなことです。
- 夜間の様子
- 検査予定
- 点滴のオーダー
- 注意点
これを入れておかないと、始業と同時に始まる申し送りについていけません。
あと、朝の点滴が多い日は、始業前にミキシングの準備を進めておかないと時間内に配れない、という現実もあります。
患者さんを待たせられないから、結局早く来て準備しちゃうんですよね。この「患者さんのため」という気持ちが、前残業をやめられなくさせる一番の理由です。
あさこ誰も「早く来い」と言わないのに、早く来ないと回らない空気があるんですよね。
前残業はサビ残?労働時間の話


一番知りたいのはここですよね。前残業ってサービス残業なのか、という話です。
ひとつずつ見ていきますね。
指示があれば労働時間の可能性


まず断っておくと、わたしは法律の専門家ではないので、あくまで一般論として書きますね。
一般的に、始業前の準備であっても、次の状態になっている場合は、労働時間にあたると考えられることがあるとされています。
- それが業務として必要
- 事実上やらざるを得ない状態になっている
つまり「早く来て情報収集や点滴準備をしないと仕事が回らない」状態で、それを上司も分かっているなら、その時間は本来労働時間として扱われる余地がある、ということです。
ただ、これは職場の実態や指示のされ方によって判断が変わる部分なので、断言はできません。
気になる場合は、後で書く相談先に一度確認してみるのが確実だと思います。
「自主的」とされやすい現実


やっかいなのが、前残業は「本人が自主的に早く来ているだけ」という扱いにされやすいことです。
- 誰も命令していない
- 勝手に来ている
- だから労働時間じゃない
でも実際は、その時間に準備しないと業務が回らない仕組みになっているわけで。



「自主的」という言葉で片づけられているだけで、実態としては業務の一部になっている前残業はかなり多いと思います
このあたりは職場によって考え方も対応もバラバラなので、モヤモヤするなら一人で抱え込まずに相談してみてくださいね。
同じ理屈は、勤務中の休憩にもそのまま当てはまります。
| 場面 | 扱われ方 |
|---|---|
| 始業前 | 「自主的に早く来ている」 ことにされる |
| 勤務中の休憩 | 「取れているのに取らなかった」 ことにされる |
どちらも記録が残っていないから、そう扱われているだけです。
休憩のほうの線引きは休憩が取れないのは違法になるのかに書いたので、両方に心当たりがあるなら並べて見てください。
看護師の前残業を減らす工夫


いきなり転職の前に、今の職場でできることもあるので先に書きますね。
ひとつずつ見ていきますね。
まず上司に現状を相談する


一番現実的なのは、師長さんに現状を相談することです。
感情ではなく事実ベースで、こんなふうに伝えるのがコツ。
- 「情報収集が始業前じゃないと終わらない」
- 「点滴準備が時間内に収まらない」
うまくいけば、始業時刻を情報収集込みで見直してくれたり、点滴の準備体制を変えてくれたりすることもあります。
わたしの同期は、電子カルテの情報収集の手順を師長に相談して、業務時間内に情報収集する時間を組み込んでもらえたことがありました。



師長さん自身が前残業を当たり前だと思っているタイプだと、相談しても響かないこともあります
そこはもう職場の体質の問題なので、あまり期待しすぎないほうが心は楽かもしれません。
情報収集を効率化する


自分でできる工夫としては、情報収集のやり方を効率化することです。
全部のカルテをゼロから読むんじゃなくて、自分なりのチェックリストを作って、見る順番と項目を固定してしまうと時間がぐっと減ります。
わたしは受け持ちの情報を「夜間の変化・本日の検査・点滴と時間・注意点」の4つに絞ってメモする形にしてから、情報収集の時間が体感で3分の2くらいになりました。



全部を完璧に把握しようとすると終わらないので、優先順位をつけるのが大事だと思います
- 夜間の変化・バイタルの傾向
- 本日の検査・処置の予定
- 点滴の内容と実施時間
- 注意点(転倒・アレルギー等)
この4項目に絞るだけでも、朝のあせりはだいぶ減ると思いますよ。
変わらないなら転職も選択肢


工夫しても職場ぜんたいの空気が変わらないなら、環境を変えるのも一つの手です。
ここまで工夫の話を書いてきましたけど、正直に言うと、前残業が根づいている職場って、個人の努力ではなかなか変わりません。
変わらない理由は、こんなところです。
- 「昔からこうだから」で終わる
- 効率化すると他の人の分が回ってくる
職場全体の文化になっているものは、一人の力ではどうにもならないことが多いんですよね。
わたしが病棟を辞めて、いまの外来で働きはじめてびっくりしたのが、前残業という概念がほぼなかったことでした。
| 比べる点 | 前の病棟 | 外来 |
|---|---|---|
| 集合 | 「40分前集合」 | 始業時刻に来る |
| 準備 | 始業前に進める | 始業時刻から始める |



前残業ゼロの職場を知ったとき、今までの40分は何だったんだろうと本気で思いました。
同じ看護師の仕事でも、職場が変わるだけでここまで違うんだって。
だから、もし今の職場で前残業がどうしても変わらなくて、それが毎日の負担になっているなら、前残業の少ない職場に移ることも選択肢に入れていいと思います。
比較的始業前後のバタつきが少ない職場が多いのは、こんなところです。
- 外来
- クリニック
- 訪問看護
- 健診センター
まずはどんな求人があるのか、看護師転職サイトのランキングをのぞいて、条件を眺めてみるだけでも気持ちが変わることがありますよ。
前残業もふくめて、自分の働く時間がちゃんと評価される職場かどうかは、思っている以上に大事なポイントです。
前残業の有無は求人票に出ないので、面接で聞くしかありません。
わたしが使ったMCナースネットは面接に担当が同行し、希望すれば事前に見学もできると公式サイトにあります。聞きにくいことは担当に先に投げておくと楽です。
よくある質問


- 看護師の前残業は普通のことですか?
-
多くの病棟で慣習として残っているので、珍しいことではありません。始業30〜60分前に情報収集や点滴準備をするのが当たり前になっている職場はたくさんあります。でも「普通にある」ことと「本来そのままでいいのか」は別の話なので、負担に感じているなら見直す価値はあると思います。
- 前残業はサービス残業になりますか?
-
一般論としては、業務として必要で事実上やらざるを得ない状態なら、労働時間にあたると考えられることがあるとされています。ただ「自主的に来ているだけ」と扱われやすいのも現実です。判断は職場の実態によって変わるので、気になる場合は上司や相談窓口に確認してみてください。
- 前残業の時間分の給料はもらえますか?
-
職場によって扱いがバラバラで、ついていないケースが多いのが実情です。その時間が業務として必要だと認められれば、支払いの対象になる余地はあるとされています。まずは自分の勤務先でどういう扱いになっているのか、就業規則や上司に確認するところから始めるといいと思います。
- 情報収集を始業後にするのはダメなんですか?
-
本来は始業後でも問題ないはずなんですが、申し送りに間に合わない・患者さんを待たせるという現実から、早く来ざるを得ない空気になっている職場が多いです。師長に相談して始業時刻内に情報収集の時間を組み込んでもらえた例もあるので、一度相談してみる価値はあります。
- 前残業を断ったら評価が下がりますか?
-
職場の空気によります。前残業が当たり前の病棟だと、定時に来ただけで「やる気がない」と見られてしまうこともあって、これはこれで理不尽ですよね。評価を気にして無理を続けて体を壊すより、そういう空気の職場自体を見直したほうが長い目で見て自分を守れると思います。
- 前残業を減らすにはどうすればいいですか?
-
まず情報収集を効率化することです。見る項目を夜間の変化・検査予定・点滴・注意点の4つくらいに絞ると時間が減ります。あと、師長に現状を事実ベースで相談するのも有効です。それでも職場全体が変わらないなら、前残業の少ない職場へ移ることも選択肢になります。
- 前残業がない職場はありますか?
-
外来やクリニック、訪問看護、健診センターは、比較的始業前後のバタつきが少ない傾向があります。わたしも病棟を辞めて、いまの外来に来てから、前残業がほぼないことに驚きました。求人を探すときは「始業前の情報収集の実態」を面接で確認しておくと、入ってからのギャップを減らせます。
- 新人でも前残業をしないといけませんか?
-
新人のうちは情報収集に時間がかかるので、結果的に早く来る人が多いのは事実です。でも本来は業務時間内に収められるのが理想で、早出が常態化しているなら職場の仕組みの問題でもあります。慣れないうちは無理せず、先輩に情報収集のコツを聞いて効率化していくといいですよ。
- 前残業と早出勤務は違うものですか?
-
違います。早出勤務は勤務時間としてシフトに組まれていて、ちゃんと給料がつく正式な勤務です。前残業はシフト外に自主的な形で早く来る時間で、給料がついていないことが多いのが問題視されやすい部分です。同じ「早く来る」でも、扱いはまったく別ものだと思ってください。
- 前残業が理由で転職してもいいですか?
-
いいと思います。前残業は毎日のことなので、積み重なると心身への負担がかなり大きいです。工夫しても職場全体が変わらないなら、環境を変えるのは前向きな選択です。前残業の少ない職場は実際にあるので、まずは求人を眺めて条件を比べてみるところから始めてみてください。
まとめ


看護師の前残業は、始業30〜60分前の情報収集や点滴準備として、多くの病棟に慣習として残っています。
整理すると、こうです。
- 強制されなくても早く来ないと回らない
- やらざるを得ない状態は労働時間の可能性
- 判断は職場しだい、迷うなら相談する
まずは情報収集の効率化や上司への相談で減らせる部分を探してみて、それでも職場全体が変わらないなら、前残業の少ない職場へ移ることも選択肢に入れていいと思います。
わたし自身、病棟を辞めて、いまの外来で前残業のない働き方を知って、体も気持ちもずいぶん軽くなりました。
自分の働く時間がちゃんと大事にされる職場かどうか、一度立ち止まって考えてみてくださいね。









