病棟時代のわたしの年収は370万円。夜勤手当と深夜割増の比重が大きくて、基本給は高くありませんでした。夜勤で体を削って、やっとこの額。
なんで上がらないんだろうって、ずっとモヤモヤしてました。
あさこ先に言っちゃうと、看護師の給料が上がらないのには理由があって、しかもその多くは自分の努力じゃどうにもならない構造の問題です。
でも「どうにもならない」で終わる話でもなくて。上げる打開策はちゃんとあります。ただ、次のことは先に伝えておきます。
- よくある「夜勤を増やす」は消耗するだけ
- わたしはそこを間違えかけて遠回りした
わたしはあさこといいます。急性期の内科外科混合病棟で7年、3交代で月10〜12回の夜勤をしてきました。
夜勤をやめる転職をして、結果的に年収は370万から430万へ、60万上がりました。
この記事では、次の2つを、わたしのつまずきもまぜて書いていきますね。
- 看護師の給料が上がらない理由
- 消耗しない上げ方
看護師の給料が上がらない理由


まず、なんで上がらないのか。犯人はだいたい3つに絞れます。
ひとつずつ見ていきますね。
昇給がそもそも渋い


看護師の定期昇給って、想像以上に小さいことが多いです。よくあるのは、こんな形です。
| よくある形 | 昇給の中身 |
|---|---|
| 1年で | ベースの上がり幅が小さい |
| 5年働いても | 月給に大きな差が出ないことも |
| 頑張っても頑張らなくても | 上がり幅がほぼ同じ |
病院は診療報酬っていう国が決めた枠の中で経営していて、人件費をぽんぽん上げられる構造じゃないんですよね。
だから個人がどれだけ夜勤を頑張っても、昇給テーブルそのものが渋いと給料は伸びにくいです。



5年働いても月給がほとんど変わらないのは、あなたのせいじゃなくて昇給テーブルが渋いからかもしれません。
まずは自分の職場の昇給規定を確認してみてください。就業規則に載ってることが多いです。
見て「これは伸びないわ」と分かるだけでも、次の一手が考えやすくなります。
基本給が低く設定されている


手取りが増えない一番の根っこが、基本給の低さだったりします。看護師の給料って、基本給は控えめで、夜勤手当や各種手当で総額を膨らませている構造の職場が多いんです。
これが地味に効いてきて、賞与は基本給に連動して計算されることがほとんどです。基本給が低いと、こうなります。
| 基本給が低いと | 中身 |
|---|---|
| 賞与 | 基本給が低いとボーナスも自動的に低くなる |
| 退職金 | これにもひびきます |
手当で見た目の月給が良くても、土台が低いと一生上がりにくい、という状態におちいります。
わたしも前の病棟がまさにこれで。
| 前の病棟 | 悪循環 |
|---|---|
| 夜勤手当で底上げして | 370万 |
| でも | 基本給は高くなかった |
ボーナスの少なさが気になる人は看護師の年収・手取りの実態のほうも読んでみてください。
夜勤手当に依存した給料体系


3つ目が、夜勤手当ありきの給料になってること。夜勤に入ってやっと生活できる額になる、という体系だと、体を削らないと給料が保てません。
これのこわいところは、年齢を重ねて夜勤がきつくなったり、体調を崩して夜勤を減らした瞬間に、収入がガクッと落ちること。夜勤で支えてる給料は、実はすごく不安定なんですよね。
わたしは6年目の冬に深夜勤で意識が遠のいて、その直後の週に退職願を書きました。夜勤に依存した給料は、続けられる前提が崩れると一気に崩れます。
- 昇給テーブルがそもそも渋い
- 基本給が低く手当で膨らませている
- 賞与・退職金が基本給連動で低くなる
- 夜勤手当がないと生活できない体系
この構造は、有給を取った日の給料にもそのまま出ます。手当の比率が高い給料には、見えにくい持ち出しが2つあります。
| 見えにくい持ち出し | 中身 |
|---|---|
| 有給を取った日 | 通常の賃金で計算する病院だと 夜勤をしていないので 夜勤手当も深夜割増も乗らない |
| 休憩として毎回引かれている45分や60分 | 実際には座れていない時間だった場合 時給に直して掛けると 昇給の何年ぶんかがそこで消えていることもある |
退職前にまとめて消化するときの金額の出し方は有給を消化させてもらえない看護師向けの記事に置きました。
休憩の計算のやり方は休憩が取れないのに引かれている時間の数え方にまとめました。
この3つ、どれも個人の頑張りではなかなか変えられないものばかり。じゃあどうするか、次で書きますね。
給料を上げる打開策|夜勤を増やすは本筋じゃない


上げ方を考えるとき、多くの人が最初に思いつく手が実は落とし穴です。
ひとつずつ見ていきますね。
夜勤を増やすは消耗する


手っ取り早く給料を上げようとすると、まず「夜勤を増やす」が浮かびますよね。
でもこれ、本筋じゃないと思っています。
夜勤を増やすと、手当はこう増えます。
| 夜勤の手当 | 中身 |
|---|---|
| 夜勤1回の手当 | 調査の平均で二交代11,470円 三交代は準夜4,300円・深夜5,211円 |
| 二交代で月2回増やすと | 月22,940円・年27万円ほど増える計算 |
数字だけ見ると魅力的なんですけど、そのぶん睡眠リズムが崩れて、体もメンタルも削れていきます。
わたしは夜勤が月10〜12回だったころ、準夜明けに眠れなくなって、生理も乱れて婦人科に行きました。



お金は増えても、それを使う体力も気力も残ってなかったら意味がないんですよね。
夜勤を増やして稼ぐのは、短期の一時しのぎにはなっても、長く続く上げ方じゃないと思います。
気になる症状が続くなら、早めに受診してくださいね。
手当や資格でコツコツ上げる


職場を変えずにできる上げ方もあります。
- 認定・専門看護師の資格で手当がつく
- リーダーや主任などの役職手当
ただ、正直に言うと、これは時間もお金もかかるし、上がり幅も職場の規定しだいです。資格手当の額も職場によってまちまちです。
コツコツ積む価値はあるんですけど、「今の職場の昇給テーブルが渋い」という根っこの問題は、これでは変えられません。土台が低い場所で頑張っても、伸びしろに限界があるんですよね。
基本給の高い職場へ移る


結局いちばん効いたのが、基本給が高めの職場へ移ることでした。
給料が上がらない根っこが職場の構造なら、その構造ごと変えるのが一番はやいです。
| 病院によって違うもの | 中身 |
|---|---|
| 基本給と賞与の月数 | ぜんぜん違う |
| 同じ経験年数でも | 職場が変わるだけで年収が大きく変わることがある(わたしは60万上がった) |
夜勤を増やして体を削るより、土台の高い場所に移るほうが、消耗せずに給料を上げられました。
次で、わたしが実際にどう動いたかを書きますね。
看護師の給料が上がらないなら転職で土台を変える


わたしが370万から430万に上げたときの、実際の動き方です。
ひとつずつ見ていきますね。
わたしは転職で60万上げた


病棟時代と今の外来で、年収はこう変わりました。
| 年収 | |
|---|---|
| 病棟時代 | 370万 |
| 今の外来 | 430万(60万増) |
夜勤をやめたのに、年収が上がったんです。理由は、転職先の基本給が前より高かったことと、担当さんが年収交渉をしてくれたこと。
| 給料の中身 | |
|---|---|
| 前の病棟 | 夜勤手当で底上げして やっと370万 |
| 転職先 | 日勤のみでも基本給が高く 担当さんの年収交渉もあった 夜勤手当がゼロになっても、総額で上回った |



夜勤をやめたら年収は下がる、と考える人は多いと思います。わたしの場合は逆でした。
給料の土台を変えると、働き方まで軽くなるんだなと。夜勤なしの働き方については夜勤なしで働けた実体験に詳しく書いています。
年収は総額と内訳で比べる


転職で失敗しないコツは、求人票の「月給」だけで判断しないことです。月給が高く見えても、夜勤手当や残業込みの数字だと、実際の手取りは思ったより低いことがあります。
求人ごとに、基本給・賞与の月数・残業代のつき方をメモして並べるのがおすすめです。ぱっと見の月給じゃなく、年収の総額と内訳で比べると、本当に給料が上がる職場が見えてきます。
賞与なしのクリニック求人なら、ボーナスなしのクリニック看護師が損かも確かめてください。
自分でこの比較や条件交渉をやるのはけっこう大変です。わたしは年収交渉を、MCナースネットの担当さんにやってもらいました。
- 基本給が高めか(手当込みに注意)
- 賞与が何ヶ月分出るか
- 残業代がつくか・みなし残業か
- 昇給の実績があるか
この4つを求人ごとに並べるだけで、「上がる職場」と「上がらない職場」がはっきり分かれます。
複数社で年収を比べて交渉する


わたしは2回目の転職で看護roo!・レバウェル看護・ナース専科にも登録しましたが、決め手にはなりませんでした。
決めたのはMCナースネットで、担当さんに「日勤のみ」を絶対条件として伝え、年収交渉もしてもらいました。
ジストリーにも登録して、相場を比べる材料にしました。1社だけだと持っている求人がかたよるので、複数社に登録しておくと、次のことも頼めます。
- 条件のいい非公開求人を紹介してもらえる
- 給料の交渉を代わりにやってもらえる
どの転職サイトがいいか迷うなら、看護師転職サイトのランキングを先に見て、2〜3社に絞って登録するのがおすすめです。
全部自分で抱え込まなくていいので、気持ちがだいぶ楽になりますよ。
給料が上がらない前に知る看護師の年収


動く前に、看護師全体の年収がどうなっているかも知っておくと判断しやすいです。
ひとつずつ見ていきますね。
手取りは額面より少ない


給料が上がらないと感じるとき、額面だけでなく手取りで見るとさらにモヤっとしますよね。
| 手取りで見ると | 中身 |
|---|---|
| 額面から | 社会保険料や税金が引かれる |
| だから | 「年収は上がったはずなのに手元は変わらない」ということも起きる |
| 比べるときは | 手取りベースでも計算しておくと 転職後のギャップが減る |
看護師全体の年収と手取りの実態は看護師の年収・手取りの記事にまとめているので、自分の位置を確認してみてください。
この記事はあくまで「上がらない不満とその打開策」に絞っています。相場そのものを知りたいときはそちらが分かりやすいと思います。
焦って転職して失敗しない


給料が上がらない不満から、勢いで転職すると失敗しやすいです。わたしの1回目の転職も、確かめ不足で失敗しました。
求人票の「夜勤少なめ」が月何回かを確かめないまま入って、実際は月8〜10回。年収は20万上がったけれど、1年で辞めました。
年収が上がっても、働き方の中身を確かめなければ続きません。



「夜勤少なめ」の中身を数字で確かめなかったのが失敗の原因です。
給料を上げたいなら、月給の数字だけじゃなく、次の4つまで含めて総合で判断してください。
- 基本給
- 賞与
- 夜勤の有無
- 残業
焦りは禁物です。
よくある質問


- 看護師の給料はなぜ上がらないのですか?
-
昇給テーブルがそもそも渋い・基本給が低く手当で膨らませている・夜勤手当に依存している、という3つの構造が主な理由です。どれも個人の努力では変えにくいものなので、給料が上がらないのはあなたのせいではありません。土台の高い職場へ移るのが根本的な打開策になります。
- 夜勤を増やせば給料は上がりますか?
-
一時的には上がりますが、本筋ではないと思います。二交代の平均(1回11,470円)で月2回増やすと年27万円ほど増える計算ですが、そのぶん睡眠リズムが崩れて体もメンタルも消耗します。わたしは夜勤が月10〜12回だったころ、眠れなくなり、生理も乱れました。長く続く上げ方ではないので、おすすめしません。
- 転職すると本当に給料は上がりますか?
-
職場を選べば上がることは十分あります。病院によって基本給や賞与の水準は違います。わたしは転職で夜勤をやめたのに370万から430万へ上がりました。ただし月給だけで判断せず、年収の総額と内訳で比べるのが条件です。
- 基本給が低いと何が困りますか?
-
賞与や退職金が基本給に連動して計算されることが多いので、基本給が低いとボーナスも退職金も自動的に低くなります。手当で見た目の月給が良くても、土台が低いと一生上がりにくいままです。給料を根本から上げたいなら、基本給の高さを重視してください。
- 自分の職場の昇給が渋いか、どう確認すればいいですか?
-
就業規則や給与規定に昇給のルールが書かれていることが多いので、まずそこを確認してください。過去数年の自分の明細を見比べて、ベースがどれくらい上がったかを計算するのも分かりやすいです。ほぼ変わっていないなら、昇給テーブルが渋い可能性が高いです。
- 資格を取れば給料は上がりますか?
-
認定看護師などの資格手当がつく職場もありますが、上がり幅は規定しだいです。時間もお金もかかるわりに、職場の昇給テーブルが渋いという根本問題は変わりません。コツコツ積む価値はありますが、それだけで大きく上げるのは難しいです。
- 何歳まで夜勤で稼ぎ続けられますか?
-
人によりますが、40代以降は体力的に夜勤がきつくなる人が増えます。夜勤手当に依存した給料は、夜勤を減らした瞬間に収入がガクッと落ちるのがこわいところです。夜勤で稼げるうちに、夜勤なしでも保てる給料の土台に移しておくと安心だと思います。
- 転職サイトは何社くらい登録すればいいですか?
-
2〜3社がちょうどいいと思います。1社だけだと持っている求人がかたよるので、複数社から出してもらって見比べると、条件のいい求人に出会いやすいです。わたしは2回目のとき、MCナースネットで決めて、ジストリーは相場の比較に使いました。多すぎると連絡管理が大変なので、絞るのがコツです。
- 転職エージェントに年収を上げたいと正直に言っていいですか?
-
言っていいです。むしろ「基本給と賞与が高い職場がいい」「今より年収を下げたくない」とはっきり伝えたほうが、担当さんも探しやすくなります。あいまいにすると希望と違う求人が来やすいので、条件は具体的な数字で伝えるのがおすすめです。
- 給料が上がらないのがつらくて、看護師を続けるか迷っています。
-
その気持ち、すごく分かります。まずは今の職場だけが看護師の働き方じゃない、と知ってほしいです。基本給の高い職場や夜勤なしの働き方に変えるだけで、続けられそうと思えることもあります。それでもしんどいなら無理はしないで、自分のペースで進路を考えてくださいね。
まとめ


看護師の給料が上がらないのは、次のような構造の問題であることがほとんどです。
- 昇給テーブルが渋い
- 基本給が低い
- 夜勤手当に依存している
どれも個人の頑張りでは変えにくいものなので、上がらないのはあなたのせいじゃありません。そして、よくある「夜勤を増やす」は体を削るだけで本筋ではないんですよね。



本筋は、基本給と賞与が高めの職場へ移って、給料の土台そのものを変えることです。
わたしはMCナースネットの担当さんに年収交渉もしてもらって、夜勤をやめたのに370万から430万へ、60万上がりました。
今すぐ転職しなくても、次のようなことをするだけで、次の一手が見えてきます。
- 自分の職場の昇給規定を確認する
- 他の求人の年収を眺めてみる
体を壊す前に、できる準備から始めてみてくださいね。









