「今回は採用を見送らせていただきます」の一文を、まだ何度も読み返しているところでしょうか。
先に、この記事でいちばん伝えたいことを書きます。落ちた理由は、あなたが今日どれだけ思い返しても出てきません。病院には理由を説明する義務がないからです。だから今日やることは、原因の特定ではなくて、次の応募先を1件選ぶところまでです。
わたしはあさこ。急性期の内科外科混合病棟で7年、3交代で月10〜12回の夜勤をしていました。今は内科外来で日勤だけ、年収は370万から430万になりました。
ここで正直に書いておきます。わたしは転職の面接に落ちていません。1回目の転職では大手のエージェント1社に頼って、受けたのは1件だけで、そのまま受かりました。そして入職してから、夜勤が月8〜10回あることを知って、1年で辞めています。
だからこの記事は「落ちた人の気持ちがわかります」とは書きません。今日いちばんつらいところに、わたしは立っていないので。代わりに書けるのは、確認しないまま受かった側が何を失ったかと、落ちた直後の手続きの部分です。不採用の理由は聞けるのか、同じ病院にもう一度応募できるのか、落ちたことが他に伝わるのか。このあたりは調べても答えがはっきり出てこないので、根拠を置きながら順番に書きます。
面接に落ちた今日、先に片づけること
落ちた日にいちばん時間を持っていかれるのは、面接の場面の再生です。あの質問の答え方が悪かったのかも、と何周もしてしまいます。手を動かす作業を先に置いて、そこで区切ってください。
順番に見ていきます。
見送りの連絡は消さない
不採用のメールは、読み返すのがつらいので消したくなります。でも残しておいてください。あとで効いてくるのは、文面そのものより応募から何日で結論が出たかのほうです。
面接の翌日に来た見送りと、2週間かかった見送りは、たぶん中身が違います。翌日なら面接の場で結論が出ていた可能性が高いですし、2週間かかっているなら、他の応募者との比較か、病院の中の調整に時間がかかっています。後者は、あなたの面接の出来だけで決まった話ではないことが多いです。
電話で受けた人は、聞いた日付と、言われた言い回しだけメモしておきましょう。「今回のポジションでは」なのか「経験を考えると」なのか。この差が、次に同じ病院を受けられるかどうかの判断材料になります。
思い出せる質問だけ書く
面接で聞かれた質問を、思い出せるものだけ書き出します。全部そろえようとしなくていいです。記憶に残っている3つか4つで足ります。
これは反省のためではなくて、次の面接の準備の材料です。看護師の中途採用の面接は、病院が変わっても聞かれることが似ています。退職理由、志望動機、夜勤の可否、経験してきた科、いつから入れるか。1回受けた人は、この5つの答えをもう持っています。
書き出すときは、質問と一緒に「そのとき自分が何秒くらい黙ったか」も残しておくと使えます。詰まった質問がそのまま次の準備リストになります。
次の応募は止めなくていい
落ちたあとに多いのが、「原因がわかるまで次を受けない」という止まり方です。気持ちはわかるんですが、原因は聞けない仕組みになっているので、待っても解けません。
それと、看護師の求人は動きが早いです。欠員の補充で出ている求人は、決まった時点で消えます。1か月止めると、止めた分だけ選べる求人が入れ替わります。
ただし、同じ条件で同じように出し続けるのはおすすめしません。何を変えるかは次の面接までに直す3つのところに書きました。1つだけ変えて、次を出してください。
退職日が決まっている人は今日動く
すでに退職の話を進めていて、最終出勤日が決まっている人だけは、今日のうちに逆算してください。落ちたことより、日程が空くことのほうが実害が出ます。
紙に書くのは3つです。退職日、次の職場に入りたい月、その月に入るために応募を出さないといけない期限。中途の看護師採用は、応募から内定まで2週間から1か月半くらいかかることが多いので、入職希望月の2か月前が実質の締切になります。
間に合わないと分かったときは、退職日をずらすか、間を単発でつなぐかの二択になります。順序の考え方は次を決めてから辞めるかどうかの話のほうに詳しく書いています。わたしは1回目のとき、この逆算を病院とエージェントに任せきりにして失敗しました。
原因探しは30分で切る
原因を考える時間を、先に区切ってしまうのがいちばん楽です。30分でも15分でもいいので、そこで終わりにします。
理由は単純で、こちらが持っている情報だけでは足りないからです。面接官が誰と比べたのか、何人受けていたのか、その病院が今どの経験年数を欲しがっていたのか。この3つを知らないまま原因を特定するのは無理があります。
時間を区切ると、代わりに手が空きます。空いた時間は、次の応募先を1件見るほうに回してください。
不採用の理由は聞けるのか
ここがいちばん知りたいところだと思います。結論から言うと、直接聞いても答えてもらえないのが普通で、それは病院が意地悪をしているからではありません。
1つずつ根拠を置いて見ていきます。
理由を説明する義務はない
採用するかどうかは、基本的に雇う側が広く決められることになっています。不採用の理由を応募者に説明しなければならない、という法律上の義務はありません。だから「理由を教えてください」と言っても、答えないことが不誠実にはならないんです。
ただ、何を理由にしてもいいわけではないです。職業安定法3条は、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業などを理由に、職業紹介などの場面で差別的な取扱いを受けることがないと定めています。理由を言わない自由と、どんな理由でもいい自由は別ものです。
この前提を知らないと、「教えてくれないのはこちらに致命的な欠点があるからだ」と読んでしまいます。教えないのは全員に対する運用で、あなただけ黙られているわけではありません。
開示請求でも評価は出にくい
自分の個人情報なら開示請求できるのでは、と考える人がいます。制度としては、本人が自分の個人データの開示を求めることはできます。
ただ個人情報保護法には、開示することでその事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には、開示しないことができるという定めがあります(33条2項2号)。採用選考の評価は、ここに当たるという整理をされることが多いです。
つまり、制度を使っても「面接での評価がこうだった」という中身は、まず出てきません。ここに時間とエネルギーを使わないほうがいいです。
エージェント経由なら返ることがある
唯一、理由らしきものが返ってくるのが、転職エージェント経由で応募していた場合です。病院は応募者本人には言わなくても、紹介元の担当者にはひとこと添えることがあります。
返ってくる言い方は決まっていて、だいたいこの4つのどれかです。
- 経験が今回の募集と合わなかった
- 他に条件の合う方が決まった
- 勤務条件の折り合いがつかなかった
- 今回は募集自体を止めた
この中で自分に返せるのは3つ目だけです。1つ目と2つ目と4つ目は、あなたの面接の中身の話ではありません。担当者に聞くときは「わたしのどこが足りませんでしたか」ではなく、「先方から何か一言ありましたか」と聞いてください。前者だと担当者の推測が混ざります。
直接応募のときの聞き方
病院に直接応募した人は、聞ける相手が看護部か人事になります。答えてもらえない前提で聞くなら、理由ではなく次の可能性のほうを聞くのが現実的です。
「今後、募集が出た際に改めて応募することは可能でしょうか」。これなら答えられます。可能ですと言われたら経験不足ではない可能性が残りますし、言葉を濁されたらそこは追わなくていい、という判断がつきます。
逆に、抗議のかたちで理由を求めるのはやめておいたほうがいいです。看護の世界は地域で人がつながっていて、同じ法人内で異動もあります。数年後に別の場所で同じ看護部長に会うことは普通にあります。
落ちた原因を自分の中だけで探さない
不採用の理由を並べた記事はたくさんあります。清潔感、志望動機、逆質問。どれも間違ってはいないんですが、あれは全部「応募者側で説明がつく理由」だけを集めたものです。実際には、応募者が何をしても動かせない枠のほうで決まることがあります。
順に見ていきます。
枠が先に埋まることがある
病棟の中途募集は、たいてい欠員の補充です。誰かが辞める、産休に入る、その穴を埋めるために1人分の枠が出ます。枠は1人分しかないのに、応募は複数入ります。
この形だと、面接が良かったかどうかではなく、先に面接を受けた人が問題なければそこで終わります。あとから面接に呼ばれた人は、比較で負けたというより、順番の問題で落ちています。
面接が短かった、質問が少なかった、という人はこの可能性を先に疑ってください。もう決まりかけている状態で、形として面接をしていることがあります。
それと、枠には欲しい経験年数の帯があります。夜勤に入れる若手を探している枠に40代のベテランが応募しても、逆にリーダーができる人を探している枠に3年目が応募しても、その帯から外れたところで結論が出ます。年齢や経験年数で落ちたと感じたときは、能力の評価ではなく、その枠が何年目を想定していたかの話だと思ってください。
配属予定の部署が変わる
院内の異動で埋まってしまうパターンもあります。外来に1人足りないから中途を採ろうとしていたところに、病棟から異動の希望が出て、そちらで解決してしまう。よくあります。
病院は年度で人が動くので、この影響は時期に出ます。年度末から4月にかけては院内の異動で埋まりやすく、中途の枠が閉じることがあります。逆に、6月から夏、それと年末は、退職が出たあとの補充が動きます。
いつ動くかで結果が変わるという話は、転職のタイミングをどう決めたかのほうにまとめています。落ちた時期が悪かっただけ、ということも普通にあります。
条件が合わないだけの不採用
希望条件を伝えたあとに空気が変わった、という感覚を持っている人は多いです。夜勤なし、時短、日曜休み。こういう条件を出した直後に面接官の反応が薄くなった、という話はよく聞きます。
ここは分けて考えたほうがいいです。条件を出したから落ちたのだとしたら、その職場はその条件を満たせなかったということです。条件を引っ込めて受かっていたら、入職後に同じ条件で苦しむだけです。
わたしはここで失敗しています。条件を確認しないまま受かって、入ってから夜勤が月8〜10回あることを知りました。そのときの詳しい経緯は1回目の転職で何を間違えたかに書いています。落ちるのがつらいのは本当ですが、条件で落ちるのは、選考が機能したということでもあります。
聞かれてはいけない質問もある
面接で、結婚の予定、子どもをつくる予定、家族の職業、住んでいる家が持ち家か借家か。こういうことを聞かれた人は、その質問自体が本来は使ってはいけない情報です。
厚生労働省は、公正な採用選考のために応募用紙や面接で把握しないよう求めている事項を具体的に挙げています。本籍・出生地、家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)、住宅状況、生活環境・家庭環境、宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、購読新聞や愛読書。これらは本人の適性や能力とは関係がないから、という理由です(厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」)。
実際の面接でこれを突っぱねるのは難しいと思います。ただ、こういう質問が出た職場で落ちたのなら、選考の作り自体が古い可能性があります。入ってから働き方の相談ができる職場かどうかの、材料の1つにしてください。
質問の一覧は厚生労働省の採用選考時に配慮すべき事項のページで公開されています。
看護師は何回くらい落ちているのか
「自分だけが落ちているのでは」という感覚を消したくて、この数字を探している人は多いと思います。調査はあります。ただ、そのまま受け取ると誤解します。
数字の中身から見ます。
調査の8割には分母がある
看護師転職ガイド(peko)が2021年7月12日に公開した独自調査では、面接に落ちた経験があると答えた人が83.1%でした。内訳は1回が41.6%、2回が16.6%、3回が11.1%、4回以上が13.8%、落ちたことがないが16.9%です。
ここが大事なところなんですが、この調査の対象は「転職経験が2回以上ある看護師204名」です。看護師全体を調べたものではありません。何度も転職している人ほど応募の回数も多いので、落ちた経験がある人の割合は当然高く出ます。
だから「看護師の8割が面接に落ちている」という読み方は正確ではないです。読み方としては、複数回転職している人の中では、落ちた経験があるほうが多数派、くらいが妥当なところだと思います。それでも、1回落ちたことが特別な失敗ではないと確認するには足ります。
1回で判断材料にはならない
1回落ちただけでは、自分に原因があるのかどうかが判定できません。さっき書いたとおり、枠の埋まり方や時期でも落ちるからです。
1回目の不採用でやることは、書類と面接の準備を1つだけ直して、次を出すことです。全部を作り直すと、次に落ちたときに何が原因だったのか、また分からなくなります。
変えるものを1つに絞ると、2回目の結果が情報になります。これは面接の練習というより、確かめ方の設計の話です。
3回続いたら変えるのは応募先
3回続けて落ちたときは、面接の受け答えより先に、応募先の選び方を疑ってください。同じ規模、同じ科、同じ条件で出し続けていると、同じ理由で落ち続けます。
確認するのは3つです。
- 求人が出ている理由(欠員か増員か)
- 募集している経験年数の帯
- 自分の絶対条件が満たせる職場か
3つ目が合っていない求人に出し続けている人が、いちばん多いです。夜勤なしで働きたいのに急性期の病棟に出している、という形ですね。応募先の探し方を変える話は転職サイトを3社使って比べた話にまとめました。
落ちたことは、どこまで伝わるのか
ここは在職中に転職活動をしている人がいちばん気にするところだと思います。落ちた記録がどこかに残って、次に響くのではないか、という不安ですね。
ひとつずつ整理します。
同じ病院にも再応募できる
一度落ちた病院に、もう一度応募することはできます。禁止する決まりはないですし、受け直して入っている人もいます。
ただし、間隔と理由は要ります。目安として半年から1年空けて、募集の内容が前回と変わっているときなら出す意味があります。前回が病棟の募集で今回が外来、というように枠が違うなら、前回の結論はそのままは効きません。
逆に、同じ枠に1か月後に出し直すのは避けたほうがいいです。前回の応募の記録は看護部や人事に残っていることが多いので、条件が何も変わっていないと判断されます。
他の病院には共有されない
A病院で落ちたという情報が、まったく別のB病院に渡ることはありません。病院どうしで応募者の選考結果を共有する仕組みはないですし、個人情報の取り扱いとしてもできない話です。
例外は、同じ法人グループの中です。系列の病院や施設をまとめて1つの本部が採用しているところだと、応募の記録は本部で共有されています。グループ内の別施設を受け直すつもりの人は、前回と同じ本部に届く前提で書類を作り直してください。
同じエージェントを使っている場合は、担当者は当然知っています。でもそれは、次の求人を選ぶための情報として使われます。「前回は経験年数の帯が合いませんでした」と分かっていれば、次に合わない求人を出さずに済みます。
気をつけるのは、同じ病院に複数のルートから応募してしまうときです。エージェント経由と直接応募が重なると、病院側で処理が止まります。応募する前に、そのルートで出していないか確認してください。
今の職場に伝わる経路
不採用になったこと自体が今の職場に伝わることは、基本的にないです。伝わるとしたら、応募の途中で自分から出した情報のほうからです。
実際に起きるのはこのあたりです。
- 面接のために取った有休の理由を話しすぎた
- 応募先が同じ地域で、看護部長どうしが知り合いだった
- 職場の同僚に転職活動の話をしていた
2つ目は看護の世界だと現実にあります。特に地方や、同じ法人グループの中では顔がつながっています。在職中に受けるときは、応募先に「現職への連絡は控えてください」と最初に伝えておくと安全です。エージェント経由なら担当者に言っておけば済みます。
出した応募書類の行き先
提出した履歴書や職務経歴書がどうなるかは、病院によって運用が違います。返却してくれるところもあれば、責任をもって廃棄しますと案内するところもあります。
一律に返却を義務づける決まりがあるわけではないので、気になる人は不採用の連絡を受けたときに、返却してもらえるかを聞くのがいちばん早いです。聞くこと自体は失礼になりません。
証明写真や職務経歴書は作り直すと手間なので、返ってくるなら受け取っておくと次が楽になります。返ってこない前提で、出す前に手元にコピーを残しておくのがいちばん確実です。
次の面接までに直す3つ
直すところを増やしすぎると、次に落ちたときにまた分からなくなります。ここに挙げるのは、看護師の中途面接で結果が変わりやすい順に3つと、書き出しの作業を1つです。
上から順にやってみてください。
希望条件は数字で言う
「夜勤は少なめがいいです」と伝えると、面接官の頭の中の少なめに変換されます。ここがずれたまま入職するのが、いちばん危ないパターンです。
言い方を数字に変えます。「夜勤は月4回までなら可能です」「日勤のみを希望しています」。数字で言うと、その場で無理だと言われることがあります。それでいいんです。面接で断られるほうが、入職してから知るより2年早いので。
絶対条件は1つか2つに絞ってください。3つ以上並べると、どれも本気に聞こえなくなります。わたしの場合は「日勤のみ」だけを絶対条件にして、給与と通勤時間は動かせる側に置きました。
退職理由は1つだけにする
退職理由を複数並べると、不満が多い人に見えます。人間関係も夜勤も給与も、と全部言ってしまうと、うちに来ても同じことを言うのでは、と思われます。
選ぶ基準は「その職場では解決できなかったこと」で、なおかつ「応募先では解決できること」です。夜勤の回数はこの条件に合います。人間関係は、応募先でも起こりうる話なので使いにくいです。
長さは2文で足ります。3交代で月10回以上の夜勤が続いて体調が戻らなくなったこと、日勤だけの働き方に変えたいこと。わたしが2回目のときに言ったのは、これくらいの分量です。
逆質問で夜勤の実数を聞く
逆質問は、意欲を見せる場だと言われます。それも間違いではないんですが、あなたが次に失敗しないための場でもあります。
聞いておくと後で効くのは、この3つです。
- 先月の夜勤は1人あたり何回でしたか
- この募集は欠員の補充ですか、増員ですか
- 入職後に部署が変わる可能性はありますか
1つ目は求人票の表現ではなく実数が出ます。数字が出てこない、あるいは「人によります」で終わるときは、その職場の夜勤は求人票より多いと考えておいたほうがいいです。わたしが1回目で聞かなかったのが、まさにこの質問です。
落ちた面接の質問を並べる
最初に書き出した質問のメモを、ここで使います。答えを全部作り直す必要はなくて、詰まったものだけ紙に書いて声に出します。
頭の中で整理した答えと、口に出した答えは長さが違います。書いてみると長すぎることに気づくので、2文までに削ってください。看護師の面接は10分から20分で、質問の数もそんなに多くないです。1問に1分使うと、それだけで終わります。
1回受けた人は、ここが未経験の人よりずっと有利です。落ちた面接は、次の面接の過去問になっています。
わたしは落ちていません。それで1年を失いました
ここまで手続きの話を続けてきたので、最後にわたし自身の話を書きます。落ちた人を励ますための話ではなくて、落ちなかった側がどうなったかの記録です。
順に書きます。
1社しか受けなかった春
7年目の春です。大手のエージェントに登録して、担当の人に「夜勤少なめの病棟を探してください」と伝えました。出てきた求人に応募して、面接を受けて、受かりました。
比較はしていません。エージェントも1社しか使っていませんし、受けた病院も1件です。落ちなかったので、選び直す機会がそのまま無くなりました。
求人票の文言は「夜勤少なめ」でした。入職して分かったのは、その病棟の夜勤が月8〜10回だということです。7年いた病棟が月10〜12回だったので、たしかに少なめではあります。少なめの意味を確認しなかったのはわたしです。
確認できなかった理由
なぜ聞かなかったのか、と自分でも思います。理由ははっきりしていて、聞ける立場じゃないと感じていたからです。
その前の冬に退職願を出したんですが、引き止めが3回あって、退職日が1月末の希望から3月31日付まで2か月うしろに動きました。そのせいで、次の職場の入職日を2月から4月へ1度ずらしてもらっています。担当者にも病院にも頭を下げてもらった状態で、いまさら夜勤の回数を確認したいとは言えませんでした。
結果として、1年で辞めました。7年の下に1年が並ぶ職歴になって、それを履歴書に書くときにいちばん手が止まります。落ちた1回と、確認しないまま受かった1年。あとに残るのは後者のほうです。
面接を一発勝負にしない
2回目の転職では、やり方を変えました。面接で職場を見極めるのをやめて、先に働いてみることにしたんです。
登録したのはMCナースネットで、まず派遣で日勤の職場に入りました。実際に働くと、面接の30分では絶対に分からないことが見えます。休憩が取れているか、記録の時間が業務内に収まっているか、人が足りているか。合うと思えたので、同じ担当の紹介で正社員に切り替えて、そのときに年収の交渉もしてもらいました。370万から430万になったのはこの経路です。
落ちた直後に転職サイトの話をされるのが嫌な人もいると思うので、正直に書いておきます。わたしが勧めたいのは会社ではなくて、面接1回で決めない進め方のほうです。派遣や単発で職場を見てから決められるところなら、他でもかまいません。ただ、日勤の職場を先に体験してから正社員に移れる形を持っているところは多くないので、名前を出しています。
民間の会社を挟みたくない人向けに、お金のかからない相談先も書いておきます。各都道府県にあるナースセンターは、看護師等の人材確保の促進に関する法律にもとづいて都道府県が指定した機関で、都道府県の看護協会が運営しています。無料の職業紹介をしていて、ネットから使えるeナースセンターもあります。求人の数では民間にかないませんが、営業をかけられたくない人にはこちらのほうが向いています。
今日やることを1つに絞るなら、次の応募先を1件選ぶことです。そのときに、面接の前に職場を見る手段があるかどうかも一緒に見ておいてください。落ちた1回を、選び方を変えるきっかけにできると、あとで効いてきます。
看護師の転職面接に落ちたときのよくある質問
検索で多かった疑問と、面接のあとに迷いやすいところをまとめました。
- 不採用の理由を病院に聞いてもいいですか?
-
聞くこと自体は問題ありません。ただ、答える義務が病院にはないので、返ってこない前提で考えてください。聞くなら理由ではなく「今後の募集で再度応募できるか」のほうが答えてもらいやすいです。
- 結果を待っている間に、他の病院を受けてもいいですか?
-
受けてかまいません。1件の結果を待って止まると、その間に他の求人が決まってしまいます。ただ、同じ病院にエージェント経由と直接応募で二重に出すのは避けてください。病院側で処理が止まります。
- 面接から1週間連絡がありません。落ちていますか?
-
まだ分かりません。中途採用は看護部と事務で決裁が回るので、2週間かかることもあります。求人票や案内に「◯日以内にご連絡します」とあるなら、その期日を過ぎてから問い合わせてください。
- 一度落ちた病院に、また応募できますか?
-
できます。禁止する決まりはありません。目安は半年から1年空けて、募集の枠が前回と変わっているときです。同じ枠に1か月後に出し直すのは、条件が何も変わっていないと見られます。
- 落ちたことが他の病院に伝わりますか?
-
病院どうしで選考結果を共有する仕組みはないので、伝わりません。同じエージェントを使っている場合は担当者が把握していますが、それは次の求人を選ぶための情報として使われます。
- 面接で結婚や出産の予定を聞かれました。答えないといけませんか?
-
家族に関することは、厚生労働省が採用選考で把握しないよう求めている事項に含まれます。本人の適性や能力と関係がないためです。その場で拒むのは難しいと思いますが、選考の作りが古い職場だという材料にはなります。
- ブランクがあると落ちやすいですか?
-
募集している経験年数の帯と合っているかで変わります。即戦力を求めている欠員補充の枠は不利になりやすいです。教育体制のある病院や、外来・クリニック・健診など、業務範囲が限られる職場のほうが通りやすくなります。
- 転職回数が多いと、それだけで落ちますか?
-
回数そのものより、辞めた理由に一貫性があるかを見られます。夜勤を減らしたい、日勤に変えたい、といった軸が全部の転職でつながっていれば説明はつきます。並べ方に迷ったら、軸を1つ決めてから職歴を書き直してください。詳しい書き方は転職回数が多いときの職歴欄の書き方に分けて書いています。
- 在職中です。次が決まるまで辞めないほうがいいですか?
-
収入が途切れないぶん、在職中のほうが落ちたときの被害は小さいです。すでに退職日が決まっていて空白が出そうなときは、カイテクのような単発アプリでつなぐ方法もあります。わたしも退職後の期間に使いました。
- エージェントの担当者に、落ちたことを責められている気がします。
-
合わない担当者は変えられます。同じ会社の中で担当変更を頼めますし、別のところを併用してもかまいません。1社だけに任せるのは、わたしが1回目でやって失敗したやり方です。
- 提出した履歴書は返してもらえますか?
-
病院の運用によります。返却するところもあれば、責任をもって廃棄すると案内するところもあります。気になるなら不採用の連絡を受けたときに聞いてください。出す前にコピーを取っておくのがいちばん確実です。
まとめ:落ちたのは、まだ入っていないということです
理由が返ってこないのは、あなたに問題があるからではなくて、返さない運用になっているからです。だから今日は原因を突き止める日ではなくて、次の1件を選ぶ日にしてください。
この記事の内容をまとめておきます。
- 不採用理由の説明義務はない
- 開示請求でも評価は出にくい
- エージェントには一言返ることがある
- 枠や時期で落ちることもある
- 調査の8割は転職2回以上が母数
- 同じ病院にも半年空ければ出せる
- 他の病院には共有されない
- 希望条件は数字で言う
- 逆質問で先月の夜勤回数を聞く
わたしは落ちなかったせいで、確認しないまま1年を使いました。落ちた側の痛みと同じにはできませんが、選び直す機会が消えるというのは、それはそれで高い買い物でした。
今日やることは1つで足ります。次の応募先を1件だけ選んで、その職場を面接の前に見る方法があるか確認してください。それ以外は明日でいいです。
不採用の通知は、あなたの看護師としての評価ではないです。そこにまだ入っていない、というだけの紙です。
