毎日きつい言い方をされて、ミスでもないのに名指しで責められて、ナースステーションに入る前に動悸がする。そんな日々が続くと「もう訴えてやりたい」って気持ちになりますよね。先に言わせてください。あなたは悪くないし、おかしいのは職場のほうです。
そして泣き寝入りするしかない、なんてことはありません。証拠を残す、相談する、最後に法的に動く。取れる手段はちゃんと段階で用意されています。
ただ、正直なところもお伝えしておきます。訴えるのは権利だけど、時間も気力もそれなりに削られます。だから戦う道だけが正解じゃなくて、自分を守るために環境ごと変えるのも、同じくらいまっとうな選択です。この記事では訴えるための準備と相談先の順番、そして訴えるリスクの両方を並べて書きます。
わたしはあさこといいます。急性期病棟で7年、月10〜12回の夜勤をこなしてきた32歳の看護師です。新人のころに理不尽な扱いを受けた経験があって、6年目の冬に限界がきて日勤の外来へ移りました。自分自身は訴訟までしていないので、訴えた話を作るつもりはありません。調べた範囲と見聞きしたこと、それと環境を変える道を選んだ立場から書いていきます。
訴える前にやること:証拠を残すのが最優先

いきなり弁護士へ、ではなくて、まず手元に証拠を集めるところからです。感情で動きたくなる気持ちはすごくわかるけど、後から効いてくるのは記録のほうなので、ここを飛ばさないでほしいんです。
ひとつずつ見ていきますね。
証拠の残し方:事実だけ淡々と

わたしが調べていて一番なるほどと思ったのが、記録は感情より事実、という点でした。「ひどい」「つらかった」だけだと、後で見たときに状況が再現できないんです。いつ、どこで、誰に、何を言われたか。この4点だけは必ずメモに残すと決めておくと、いざ相談するときに話が早くなります。
スマホのメモでも手帳でもいいので、その日のうちに書くのがコツです。時間が経つほど記憶は薄れるし、日付が後追いだと信ぴょう性も下がります。あと、ボイスレコーダーやスマホの録音、いじめの内容が残っているメールやチャットは消さずに保存しておいてください。自分が当事者の会話を自分の身を守るために録音するぶんには、基本的に問題になりにくいと考えられています。
- 日時・場所・相手・言われた内容をメモする
- 録音やメール、チャットのスクショを保存する
- 心身がつらいなら受診して診断書をもらう
証拠は多すぎて困ることはありません。捨てずに残しておくのが鉄則です。
体や心がきつい時:受診を先に

眠れない、食べられない、出勤前に涙が出る。そこまできているなら、訴える準備より先に心療内科や内科を受診してください。診断書はあなたの状態を客観的に示す証拠にもなりますし、何より休む口実が一枚あるだけで気持ちが少し軽くなります。
わたし自身、限界がきたときに「これくらいで休むなんて」と思い込んでいたんですが、今振り返るとあのまま無理を続けなくて本当によかったと思っています。看護師って自分のケアを後回しにしがちですよね。
診断書はあなたを守る紙です。我慢の証明をする必要はありません。
相談先と訴えるまでの手順:順番を踏むのが近道

相談先には段階があります。いきなり外部や法的手段にいくより、身近なところから順に踏んでいくほうが、証拠も積み上がるし結果的に話が通りやすいことが多いです。あなたの状況に合わせて飛ばしても構いません。
ひとつずつ見ていきますね。
職場内の相談:師長から人事へ

まずは直属の上司にあたる看護師長、それで動かなければ看護部長、そして人事や総務という流れが基本になります。パワハラ防止法(労働施策総合推進法)で、すべての事業主にハラスメントの相談窓口を設ける義務があるので、院内に相談窓口や産業医がいないか確認してみてください。
ただ、現実として師長自身がいじめの当事者だったり、見て見ぬふりをしているケースもありますよね。その場合は無理に院内で完結させようとせず、外部の窓口に切り替えて大丈夫です。院内で相談した事実とその対応も、日付つきで記録に残しておいてください。
- 看護師長に相談する
- 動かなければ看護部長・人事へ上げる
- 産業医や院内のハラスメント相談窓口を使う
誰にいつ相談して、どんな対応だったか。院内のやりとりも記録の一部です。
外部の相談窓口:労働局は無料

院内で解決しないときに頼れるのが、各都道府県の労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーです。無料で、予約なしでも相談でき、ハラスメントを含む職場トラブル全般を扱っています。会社へ助言や指導をしてくれる場合もあります。どこに連絡すればいいか迷ったら、お住まいの地域の労働局に問い合わせるのが確実です。
パワハラ防止法では、職場のパワハラ防止が事業主の義務とされています。だから「これは個人の我慢の問題」ではなく、職場側が対処すべきことなんだ、という前提で相談していいんです。
総合労働相談コーナーは中立の立場です。まず話を聞いてもらうだけでも整理が進みます。
弁護士に頼む時:費用と現実

慰謝料や損害賠償を求めたい、退職の交渉も含めて任せたい、というところまでいくと弁護士の出番です。法テラスなら収入によって無料相談や費用の立て替えを使える場合があるので、費用が不安でもまず問い合わせてみる価値はあります。
ここで正直に書いておきたいんですが、弁護士に頼んだら必ず勝てるとは言いきれません。証拠の量や内容で結果は変わりますし、解決まで数か月から年単位かかることもあります。それでも、専門家が間に入るだけで相手の態度が変わることはあるので、選択肢として知っておいて損はないです。
費用と時間の見通しを最初に確認してから依頼するかどうか決めましょう。
なぜ看護師にいじめが多いのか、そして環境を変える選択

そもそも、なぜ看護師の世界はいじめが多いと言われるんでしょうか。わたしが7年いて感じたのは、まず女性中心の閉じた人間関係で逃げ場が少ないこと。あと夜勤や急変対応で常に気が張っていて、余裕がない人が多いこと。新人とベテランの力関係がはっきりしていて、指導という名目がきつい当たりにすり替わりやすいこと。
命を預かる緊張感が、いつのまにか人への厳しさになってしまう。そういう構造的な背景があると思っています。
で、ここが一番伝えたいところなんですが、原因が構造にあるなら、あなた一人が頑張って職場を変えるのはとても難しいんです。訴えて環境を改善させる道もあるけれど、その職場に居続けながら戦うのは、想像以上に消耗します。だから、自分を守るために辞めて別の職場へ移るのは逃げじゃなくて、まっとうな自衛です。わたしも結局、戦うより環境を変える道を選びました。
今の人間関係に限界を感じているなら、訴える準備と並行して、ほかの職場を見てみるのもありです。看護師の人間関係のつらさについては看護師の人間関係に疲れたでも書いています。実際に辞めてどう変わったかは看護師を辞めて幸せになった話も読んでみてください。転職を具体的に考えるなら看護師転職サイトおすすめランキング10選が参考になると思います。
安心する女性戦うのも逃げるのも、どっちもあなたを守るための立派な選択ですよ
よくある質問


- 看護師のいじめはなぜ多いんですか?
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女性中心の閉じた人間関係で逃げ場が少ないこと、夜勤や急変対応で余裕がなくなりやすいこと、新人とベテランの力関係が指導の名目できつくなりやすいことなどが背景にあると言われています。命を預かる緊張感が人への厳しさに変わりやすい職場、という構造的な面が大きいと感じます。
- いじめを訴える前に何を準備すればいいですか?
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まず証拠です。いつ・どこで・誰に・何を言われたかを事実だけメモし、録音やメール、チャットのスクショを残してください。心身がつらいなら受診して診断書をもらっておくと、状態を客観的に示す材料になります。
- 職場のいじめは、どこに相談すればいいですか?
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まずは看護師長、動かなければ看護部長や人事、院内の産業医や相談窓口へ。院内で解決しなければ、各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーが無料で相談を受けてくれます。どこへ連絡するか迷ったら、お住まいの地域の労働局に問い合わせるのが確実です。
- 録音しても大丈夫ですか?
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自分の身を守るために、自分が当事者となっている会話を録音することは基本的に問題にならないと考えられています。いじめの内容が残るメールやチャットも消さずに保存しておいてください。心配なら相談時に窓口で扱い方を確認すると安心です。
- 訴えたら必ず勝てますか?
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残念ながら必ず勝てるとは言いきれません。証拠の量や内容で結果は変わりますし、解決まで数か月から年単位かかることもあります。負担も大きいので、訴える道と環境を変える道の両方をてんびんにかけて選んでほしいです。
- 訴えずに辞めるのは逃げですか?
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逃げではなく、まっとうな自衛です。いじめの背景に職場の構造がある以上、あなた一人で環境を変えるのは難しいことも多いです。自分の心と体を守るために職場を離れる選択は、戦うのと同じくらい正しいとわたしは思っています。
- 証拠の録音は、相手に黙ってこっそり録っても大丈夫ですか?
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自分が会話の当事者なら、相手に黙って録っても証拠として使えることが多いです。わたしが調べた範囲だと、自分を守るための記録ならそこまで神経質にならなくていいみたいでした。ただ判断に迷うときは、後で相談する専門家に録音の扱いも一緒に聞いておくと安心です。
- いじめが原因で辞めると、自己都合で損しませんか?
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いじめやハラスメントが理由なら、状況によっては会社都合に近い扱いになることもあるみたいです。なので、いつ何をされたかの記録がものを言います。わたしなら泣き寝入りで自己都合にされる前に、証拠をそろえて相談窓口に状況を見てもらうと思います。
- 訴えるとお金や時間がかなりかかりそうで踏み出せません。どうすればいいですか?
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正直、本格的に争うとお金も時間も気力も削られます。だから最初からフルで戦うと決めなくていいと思います。まずは無料の相談窓口で状況を話して、どこまでやるかを決める順番がいいかと。逃げる選択も含めて、自分が消耗しすぎない道を選んでくださいね。
- 誰に相談したか職場にバレて、余計こじれたりしませんか?
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外部の労働相談や弁護士に相談した内容が、勝手に職場へ伝わることは基本ありません。社内窓口だと身内すぎて不安なら、まず外部から当たるのもありです。わたしも内部に相談して逆に気まずくなった人を見てるので、誰に話すかの順番は慎重に選んでいいと思います。
まとめ


看護師のいじめを訴えたいなら、まず証拠を残すのが最優先です。いつ・どこで・誰に・何を言われたかを事実だけ記録し、録音やメール、診断書を保存しておいてください。
相談には順番があります。看護師長から看護部長・人事・産業医、それでも解決しなければ労働局の総合労働相談コーナー、最後に弁護士。パワハラ防止法で職場側に対処義務がある前提で動いて大丈夫です。
ただ、訴えれば必ず勝てるわけではないし、負担も小さくありません。戦うのも、環境を変えて辞めるのも、どちらもあなたを守るための正しい選択です。一人で抱え込まず、まず誰かに話してみてくださいね。









