プリセプターを任されたとき、正直うれしさより不安のほうが大きかったです。自分の仕事もまだ余裕がないのに、後輩の面倒まで見られるんだろうか、って。プリセプターって何をどこまでやればいいのかがそもそも曖昧で、最初は完全に手探りでした。同じように任されて戸惑ってる方、けっこう多いんじゃないかなと思います。
この記事では、プリセプターって何なのか・役割・目標の立て方(例文つき)・実際にやってみてのしんどさを、教える側を経験したわたしの目線で書いていきます。あと、最近よく聞くプリセプター制度の廃止や見直しの話、それから看護師以外の職種でもこの制度が使われてることにもふれますね。
はじめまして、あさこと申します。32歳の看護師で、新卒から急性期の病棟で7年ほど働いてきました。途中からは後輩指導やプリセプターを任されるようになって、教える側のしんどさもやりがいも一通り味わった感じです。きれいごとだけじゃなく、当時しんどかったこともそのまま書くので、これから任される方の心の準備に使ってもらえたらうれしいです。
プリセプターとは?看護師の現場での役割

そもそもプリセプターって何なの?という方も多いと思います。言葉だけ先に走ってて、中身がふわっとしてるんですよね。まずはここを整理しておきます。
ひとつずつ見ていきますね。
プリセプターは新人につく専属の先輩

プリセプターは、新人看護師ひとりに対してついて、マンツーマンで指導する先輩看護師のことです。指導される側の新人をプリセプティと呼びます。だいたい入職して1年目の新人に、2〜4年目くらいの先輩がつくことが多い印象です。期間は1年が一つの目安とされることが多いですが、これも病院によってまちまちですね。
で、ここがすごく大事なんですが、プリセプターは「教育担当」だけど「全部ひとりで背負う人」ではないんですよね。本来はチーム全体で新人を育てる仕組みの、いちばん近くで寄り添う窓口役、みたいな位置づけです。ここを勘違いすると、自分ひとりで抱え込んでつぶれます。わたしも最初それで苦しみました。
新人のミスを全部自分の責任だと思い込んで、夜に勝手に落ち込んでたんです。
ただ運用は病院によって本当に違っていて、名ばかりで実際は放置に近いところもあれば、マニュアルやチェックリストでしっかり仕組み化されてるところもあります。だから「プリセプターってこういうものなんだ」と世間のイメージで決めつけず、まずは自分の職場のやり方を確認しておくのが安全だと思います。同じ言葉でも中身がぜんぜん違ったりするので。
- プリセプター:指導する先輩
- プリセプティ:指導される新人
- 期間は1年が一つの目安
- 本来はチームで支える前提
言葉の定義だけ知っても現場の温度感は伝わりにくいので、もう少し役割を分解してみますね。
技術指導だけじゃない、支えの役割

プリセプターの役割というと、手技や記録の教え方ばかり思い浮かべがちなんですが、実際にやってみると、技術指導は半分くらいなんですよね。残りの半分はメンタル面のフォローだったりします。これ、任される前は全然想像してませんでした。
新人さんって、最初の数ヶ月はほんとに不安でいっぱいです。ミスして落ち込んでたり、夜勤デビューでガチガチに緊張してたり、先輩に質問するのすら怖がってたり。そういうときに「大丈夫だよ、最初はみんなそうだったから」って一言かけられる存在がいるかどうかで、その子が辞めるか続けるかが変わってくる気がします。
実際、わたしが見てた新人さんも、技術より先に「ここにいていいんだ」って安心することのほうが効いてました。
だからプリセプターは、先生というより、ちょっと先を歩いてる伴走者みたいな感覚でいるとちょうどいいのかなと思います。教え込むというより、つまずいたときにそっと手を貸す感じ。もちろん技術も教えるんですけど、人として安心できる相手になることのほうが、結果的に新人の成長を早める気がするんですよね。これは数字には出ないけど、現場でずっと感じてた部分です。
とはいえ、伴走者と言われても何を目指せばいいのか分からないですよね。次は目標の話をします。
プリセプターになった看護師の目標の立て方と例文

プリセプターを任されると、たいてい「あなた自身の目標を立てて」と言われます。これが地味に困るんですよね。何を書けばいいのか分からない、という相談をよく受けます。
ひとつずつ見ていきますね。
目標は「数や行動で測れる形」にする

プリセプターの目標でつまずく一番の原因は、ふわっとした言葉で書いてしまうことだと思います。「新人をしっかり育てる」みたいなのは、立派なんですが、達成したかどうかが自分でも分からないんですよね。これだと振り返りのときに何も言えなくて困ります。
コツは、あとから見返して○か×かが言える形にすることです。たとえば「いつまでに」「何を」「どうなったら達成か」をセットにする。指導って結果が相手次第なところもあるので、自分の行動ベースで書くのもおすすめです。新人の成長は自分だけではコントロールできないですからね。
「新人が一人立ちする」ではなく「新人が一人立ちできるよう、週1回振り返りをする」みたいに、自分のやることに落とすと無理がないです。
このあたりの考え方は、新人さん自身の目標設定にも通じます。教える側として参考にしたいなら看護師2年目の目標例も覗いてみてください。新人がどんな目標で動いてるか分かると、指導の言葉も選びやすくなります。相手の目線が分かると、こっちの目標もぐっと立てやすくなるんですよね。
- 期限を入れる(いつまでに)
- 対象を絞る(何を)
- 達成基準を決める
- 自分の行動で測れる形に
考え方だけだとイメージしづらいので、そのまま使える例文を置いておきますね。
そのまま使えるプリセプター目標の例文

目標は職場の様式に合わせる必要があるので、あくまでたたき台ですが、わたしが見てきた中で「これは書きやすいな」と思ったパターンをいくつか挙げます。最初は真似してアレンジするくらいでちょうどいいです。ゼロから考えると沼にハマるので。
短期(3ヶ月)の例だと、「最初の3ヶ月で、新人が分からないことをその場で聞ける関係をつくる。週1回は意識して声をかける」みたいな、関係づくり系。これは行動で測れるので振り返りやすいです。新人がいきなり技術を覚えるのは無理なので、まずは聞ける空気をつくる、という目標は実は理にかなってます。
中期(半年)なら「半年で、夜勤の一連の流れを新人が自立して回せるよう、毎回の夜勤明けに振り返りを一緒に行う」。長期(1年)は「1年後、新人が後輩に教えられるレベルの基礎技術を身につけられるよう、月1回到達度を一緒に確認する」あたりですね。
ポイントは、主語を新人にしつつ、自分がやる行動も必ず入れることです。そうすると、相手任せにならず、自分の頑張りも評価対象になります。新人が伸び悩んでも「自分はちゃんと関わった」と言えるので、気持ち的にもラクなんですよね。
様式の欄が短いときは、この中から1つ削って2要素にしてもいいと思います。
目標が決まっても、いざやってみると想像以上にしんどい。ここからはその本音です。
プリセプターを任された看護師がしんどい理由

プリセプターって、正直しんどいです。やりがいもあるんですが、そこだけ語るのはフェアじゃないので、つらかった部分も書きます。
ひとつずつ見ていきますね。
自分の仕事に新人指導が上乗せされる

いちばんきついのは、自分の担当業務はそのままで、そこに指導がまるっと乗ってくることなんですよね。受け持ち患者さんの数が減るわけでもないのに、新人に教えながら、新人のミスにも目を配りながら、自分の記録も終わらせる。物理的に時間が足りなくなります。手は2本しかないのに、やることが倍になる感覚です。
わたしがプリセプターをやってた頃は、自分の仕事を新人が帰ったあとに片付けることが多くて、残業がじわじわ増えました。新人に「先に帰っていいよ」と言いながら、自分は記録に追われてる。あれ、わたしのほうがしんどいかも、って思った夜が何度もありました。誰にも言えなかったんですけどね、教える立場なのに弱音は吐けない空気もあって。
しかも、新人が早く帰れるように段取りするのも先輩の仕事みたいな空気があって。誰も悪くないんですけど、構造的に教える側に負担が寄るんですよね。これは個人の頑張りでどうにかなる話じゃなくて、制度や人員配置の問題でもあると思います。プリセプターの受け持ちを減らす配慮がある職場だと、ここはだいぶラクになるはずなんですけど。
業務量だけならまだしも、もっと消耗したのは気持ちの面でした。
新人の成長が自分の評価に感じる

プリセプターをやってて地味に効いてくるのが、新人がうまくいかないと、自分の教え方が悪いのかなって自分を責めちゃうことです。新人が落ち込んでると、こっちまで落ち込む。周りから「あの子どう?」って聞かれるたびに、なんだか自分の成績表を見られてる気分になるんですよね。
相性の問題もあって、どう接しても距離が縮まらない新人さんもいました。こっちは良かれと思って言ったことが、相手にはプレッシャーになってたり。後から「あの言い方きつかったかな」って夜にぐるぐる考えたり。教える立場って、こんなに気を使うんだって正直びっくりしました。自分が新人だった頃は、先輩がこんなに考えてくれてるなんて知らなかったです。
もしいま、プリセプターを抱えて人間関係に消耗してる方がいたら、ひとりで抱えないでくださいね。プリセプターはあくまで窓口で、新人を育てるのは病棟全体の責任です。だから困ったら主任さんや師長さんに相談していいんです。職場の関係そのものに疲れてしまったときのことは人間関係に疲れたときの体験談に書いたので、よかったら。
こういうしんどさが現場のあちこちで起きてるからか、制度そのものを見直す動きも出てきています。
プリセプター制度の廃止・見直しの動きはなぜ

最近、プリセプター制度を廃止したり見直したりする病院がある、という話を耳にします。なぜそういう流れがあるのか、わたしの見聞きした範囲で書きますね。断定はできないので、あくまで一つの見方として読んでください。
ひとつずつ見ていきますね。
教える側の負担が大きすぎるという声

プリセプター制度の廃止や見直しが語られる背景には、さっき書いたような「教える側に負担が寄りすぎる」という問題があるみたいです。マンツーマンだと、プリセプターひとりの力量や相性に新人の育ちが左右されすぎる、という指摘もよく聞きます。指導が上手な先輩についた新人と、そうでない新人とで差が出てしまう、というのは確かにある気がします。
そこで、ひとりが抱えるんじゃなくて、複数の先輩でチームとして新人を育てる方式に切り替える病院もあるそうです。プリセプターシップの代わりに、チーム支援型やメンター制など、呼び方も中身もいろいろ出てきている印象です。
新人にとっても、聞ける相手が複数いるほうが安心、という考え方ですね。ただ、これも病院によってまちまちで、全国的に廃止が決まったとか、そういう話ではないんですよね。
なので「プリセプター制度がなくなる」と一括りにするより、各病院が自分たちに合う育て方を模索している、くらいに受け止めておくのがいいのかなと思います。形は変わっても、新人を放っておく病院はさすがにないはずなので、そこは安心していいと思います。
- 一人に負担が集中しやすい
- 相性で新人の育ちが変わる
- チームで支える方式へ移行も
- 廃止かは病院によって違う
とはいえ、形が変わっても新人を育てる仕組み自体が消えるわけではなさそうです。
なくす方向か、形を変える方向か

見直しといっても、完全になくす方向と、形を変えて残す方向の両方があるようです。完全になくすのは現実的にはむずかしくて、新人を放置するわけにはいかないですからね。だから多くは「プリセプターという呼び方や運用を見直す」方向なのかなと感じています。看板を下ろすというより、中身を時代に合わせて変えていく感じです。
たとえば、指導の役割を何人かで分担して特定の人に集中させない、評価の負担を減らす、新人と指導者の両方を組織でフォローする、みたいな工夫ですね。要は、教える人がつぶれないようにしながら新人も育てる、その両立をどうするかという話だと思います。プリセプター本人にもメンタルフォローをつける病院もあると聞いて、そこまでしてくれるなら助かるなと思いました。
このへんは職場によって本当に差が大きいので、転職を考えるときは「新人教育や指導者へのサポート体制がどうなってるか」を聞いてみると、その病院の余裕が見えてきたりします。教育体制が整ってる職場は、たいてい人にも優しい傾向がある気がします。
働きやすさを重視するなら、求人を探すときに看護師転職サイトおすすめランキングを使って、教育体制まで聞ける担当者を見つけるのも一つの手ですよ。
ところで、プリセプターって実は看護師だけのものじゃないんですよね。次はその話です。
プリセプターは看護師以外でも使われる制度

プリセプター制度って看護の世界の言葉、というイメージが強いですが、実は看護師以外の業界でも使われていることがあります。もともとプリセプター制度は、新人に先輩がマンツーマンでついて指導する仕組みのこと。看護以外だと、企業の新入社員教育や、薬剤師・リハビリ職・保育などの現場でも取り入れられていて、「ブラザー・シスター制度」「メンター制度」と呼ばれることもあります。
呼び名ややり方は職場ごとに違いますが、「新人ひとりに育てる先輩をつける」という考え方は共通しています。なので転職先でこの言葉を見かけても、看護師だけの特別な制度というわけではないんです。
プリセプター看護師についてよくある質問

- プリセプターとは看護師にとって何ですか?
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新人看護師ひとりにマンツーマンでつき、指導や精神的なフォローをする先輩看護師のことです。指導される新人はプリセプティと呼ばれます。期間は1年が一つの目安ですが、運用は病院によってかなり違います。
- プリセプターは何年目の看護師がやりますか?
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2〜4年目くらいの看護師が任されることが多い印象です。ただ人手や病棟の状況によっては、もっと早い年次で任されることもあります。職場によって幅があるので、絶対的な決まりがあるわけではありません。
- プリセプターの目標はどう立てればいいですか?
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「いつまでに」「何を」「どうなったら達成か」をセットにして、振り返ったときに○か×か言える形にするのがコツです。新人の成長は相手次第な面もあるので、自分の行動で測れる目標にしておくと無理がありません。
- プリセプターを任されてしんどいのは普通ですか?
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とても普通だと思います。自分の業務に指導が上乗せされるうえ、新人の成長を自分の評価のように感じてしまうので、消耗しやすい役割です。ひとりで抱え込まず、周りの先輩や上司に相談してくださいね。
- プリセプター制度は廃止されているのですか?
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一部の病院では負担の大きさから見直しやチーム支援型への移行が進んでいるという話もあります。ただ全国的に廃止が決まったわけではなく、形を変えて残す職場も多いです。病院によって対応はまちまちなのが実情です。
- プリセプターは看護師以外でも使いますか?
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はい、薬剤師など他の医療職や、一般企業の新人教育でも似た仕組みが使われることがあります。企業ではメンター制度やブラザー・シスター制度と呼ばれることが多く、考え方はプリセプターに近いです。
- プリセプティと相性が合わないとき、どうすればいいですか?
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正直、人間同士なので合わないこともあります。わたしは無理に仲良くなろうとせず、仕事の伝え方を相手に合わせるよう意識しました。それでもしんどいときは、一人で抱えずに先輩や師長に共有するのが大事です。プリセプターが全部背負う必要はないですよ。
- プリセプターをやりながら自分の業務もこなすのがきついです。コツはありますか?
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全部を完璧に教えようとすると、まず潰れます。わたしは「今日はこれだけ」と教える内容をしぼるようにしてました。あと、自分の業務とかぶる時間はあらかじめ周りに「今日は新人について見てます」と伝えておくと、フォローしてもらいやすかったです。
- プリセプティが落ち込んでいるとき、どう声をかければいいですか?
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下手に励ますより、まず「最初はみんなそうだったよ」と寄り添うほうが届きやすかったです。できてないことより、できたことを一つでも具体的に伝えると表情が変わります。わたし自身が新人のとき、それで救われた経験があるので大事にしてました。
- 自信がないのですが、プリセプターを断ることはできますか?
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断れる職場もあるけど、正直なかなか言い出しにくいですよね。わたしも自信ゼロで引き受けました。でも、完璧な人がやる役割じゃなくて、一緒に成長する感じで大丈夫です。どうしても無理なら、不安な点を師長に正直に相談してサポート体制を整えてもらうのも手です。
まとめ

プリセプターは、新人看護師ひとりにつく専属の先輩で、技術指導だけでなく精神的な支えの役割も大きいんですよね。目標は「いつまでに・何を・どうなったら達成か」を自分の行動で測れる形にするのがコツです。例文はそのまま真似してアレンジするくらいでちょうどいいと思います。教える側はかなりしんどい役割なので、ひとりで抱え込まないでくださいね。
プリセプター制度は負担の大きさから見直しの動きもありますが、廃止かどうかは病院によってまちまちです。看護師以外の職種でも似た仕組みが使われていたりします。もし指導や人間関係に消耗して働き方を変えたいと感じたら、サポート体制の整った職場を探すのも一つの手です。看護師転職サイトおすすめランキングものぞいてみてくださいね。

